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【アメリカ】CalSTRS、エネルギー生産性に関するグローバルベンチマークを開発へ 2015/10/11 ESG

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 資産運用額1840億米ドルを誇る全米第2位の公的年金基金、CalSTRS(米カリフォルニア州教職員退職年金基金)は9月21日、新たに工業関連の上場企業のエネルギー生産性に関する世界初のグローバルベンチマーク、EPIC(Energy Productivity Index for Companies)の開発プロジェクトを開始すると公表した。

 同プロジェクトはCalSTRS、ClimateWorks Australia、ClimateWorks財団らによる共同プロジェクトで、CalSTRSは主要な投資家として参加し、企業の分析手法やエンゲージメント手法などの専門知識を提供する。

 CalSTRSでポートフォリオ・マネジャーを務めるBrian Rice氏は「エネルギー生産性の改善はビジネス戦術としての重要性が増している。それは炭素汚染の軽減、すなわちビジネスリスクの低減につながる。同プロジェクトは、投資家が企業を特定し、働きかけ、エネルギー生産性パフォーマンスの改善に成功するために実行するべきプロセスを示すものになるだろう」と語る。

 EPICは企業が抱えるエネルギーリスクやエネルギー生産性向上による財務的な価値を定量化するものだ。現状では機関投資家らが投資先企業のエネルギーリスクの把握に必要な情報を入手することが難しいケースも多いものの、同ベンチマークを活用することで自社のポートフォリオ内のエネルギー課題を把握し、企業にエネルギーパフォーマンスの改善を促すことができるようになることが期待されている。

 企業のエネルギーパフォーマンスは使用エネルギーあたりの売上や生産レベルで測定されるほか、エネルギーリスク度やエネルギー効率化による財務価値の潜在的な上昇余地などもベンチマークの一部として考慮される予定だ。ClimateWorks Australiaのリサーチ責任者を務めるAmandine Denis氏によると、事前調査ではエネルギー効率の向上はEBITベースで企業の利益を年間2~10%押し上げるという研究結果も出ているという。

 なお、同ベンチマークの開発にあたってはCDPから提供されるグローバルのデータが活用される予定だ。近年の上場企業のエネルギーパフォーマンスを比較できるほか、ベストプラクティスとなるベンチマークパフォーマンスとの比較もできるようになる。エネルギー生産性の改善は自社の中長期的なサステナビリティ向上だけではなくコスト削減による利益率向上にもつながるため、リスクを最小化しながらリターン最大化を追求したい機関投資家にとって非常に参考となる指標となる。

【参考サイト】Energy Productivity Index for Companies
【参照リリース】CalSTRS is Lead Investor on Energy Productivity Index for Companies Project
【機関サイト】CalSTRS

株式会社QUICK ESG研究所

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