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【アメリカ】シティ、石炭採掘企業への融資からの撤退を進める方針を公表 2015/10/14 ESG

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 米銀行大手のシティ・グループ(以下、シティ)は10月5日、新たに改訂した同社の”Environmental and Social Policy Framework(環境・社会方針枠組み)“の中で、石炭採掘企業への融資からの撤退を進めていく方針を公表した。

 方針枠組みに記載されている内容によると、シティは既に石炭採掘産業からの融資撤退を始めており、2011年以降、シティの石炭採掘企業に関わる信用リスクは実質的に減少しているという。同社は今後もこの方針を継続し、引き続きグローバル全体で石炭採掘企業への融資撤退を継続していくとのことだ。

 シティは高炭素から低炭素経済への移行を加速する支援をしていくとしたうえで、年次のポートフォリオ評価プロセスの中にESG基準を統合し、石炭採掘セクターに向けた企業レベルの評価を導入しているとしている。また、石炭採掘企業へのいかなる融資の決定にもシニアクラスの承認が求められ、人権なども含む融資先企業のESGパフォーマンスや同社のデュー・デリジェンス基準など数多くの要因に基づき判断されるという。

 大手銀行による石炭採掘からの融資撤退は米バンク・オブ・アメリカ、フランスのクレディ・アグリコルに引き続き3行目となり、シティの宣言は銀行業の石炭融資に対する国際的な流れを大きく決定づけることになりそうだ。

 一方で、今回の方針発表は大きな前進であると同時に、未だ不十分だとする声もある。金融機関の環境・社会への影響を監視している国際NGOのバンクトラックは、今回の方針改訂の中には債券や株式を通じた石炭採掘企業への関わりについては含まれていない点、また完全撤退やそれに向けたタイムラインまでは明示していない点、石炭火力発電との関わりには触れられていない点などを指摘している。

 バンクトラックは、昨年シティは世界最大の石炭火力発電事業者に25億米ドルの融資を実施したとしており、先月、石炭採掘に加えて石炭火力からの融資撤退も公表したクレディ・アグリコルとの間には大きなギャップがあるとしている。

 COP21を目前に控え、気候変動が世界共通の喫緊課題として認識されている今、化石燃料からのダイベストメントなどを通じて金融機関が果たすべき役割への期待は大きい。シティが今後より具体的かつ石炭火力も含めた広範なコミットメントを提示するのか、そして他の大手銀行もこの動きに追随するのか、引き続き注目が集まる。

【方針枠組みダウンロード】Environmental and Social Policy Framework
【企業サイト】Citi Group
【参照リリース】Citigroup takes a step away from banking coal
【参照リリース】Citigroup Announces Financing Cuts for Global Coal Industry

(※写真提供:TungCheung / Shutterstock.com

株式会社QUICK ESG研究所

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