Sustainable Japan QUICK ESG研究所

【政府・レギュレーションの動向】「SSC及びCGCのフォローアップ会議」(第2回)の開催について 2015/10/22 ESGコラム

meeting2

 金融庁と東京証券取引所は、スチュワードシップ・コードおよびコーポレートガバナンス・コードの普及・定着状況等を検証するため、共同で有識者会議を設置したが、その第2回会合が2015年10月20日に開催された。

 会議の座長は、池尾和人 慶應義塾大学経済学部教授、メンバーは、総勢16名で企業経営者、内外投資家および学識者等から構成されている。オブザーバーは、法務省民事局および経済産業省経済産業政策局、事務局は金融庁総務企画局企業開示課および(株)東京証券取引所上場部である。

第2回会合では、事務局から配布資料のうち「コーポレートガバナンス・コードへの対応状況と今後の会議の運営方針:フォローアップ会議 意見書(1)」および資料2「取締役会などをめぐる論点」について説明があった。

「意見書(1)」では、前回(9/24)の議論を踏まえ、フォローアップ会議では形式ではなく実質を伴ったものであるかどうかを検証し、「取締役会の役割」、「経営陣トップの選解任」、「株式の政策保有」および「企業と機関投資家との対話」について、今後、議論を重ねていくことが再確認された。
資料2「取締役会などをめぐる論点」では、前述の「意見書(1)」に沿った論点を説明し、具体的には、「各会社の機関設計および任意委員会の活用状況の評価」、「独立社外取締役の増加や兼職数の問題」および「CEOの選解任に求められるべき要素」などが論点とされた。

その後メンバーで議題に沿った意見交換が行われた。各メンバーの発言で目立ったのは、「機関設計(監査役会設置会社、指名委員会等設置会社、監査等委員会設置会社)」と「取締役会に関する評価」および「内部通報」に関する意見であった。

「機関設計」に関する議論では、3つの機関は会社法上平等であり、なぜその機関を選んだのかを説明することが重要、とする意見と、最終的には指名委員会等設置会社に移行することが望ましい、との意見に二分されていた。

「取締役会評価」については、設計された取締役会が実際に狙い通りに機能することができたか、評価することは重要、との言及が目立った。また、別のメンバーからは当局として評価すべき項目を例示することも検討すべき、と言う意見もあった。

「内部通報」においては、近年、結果的に有効に機能したのは内部通報制度であり、通報制度を一層ブラッシュアップする方が望ましいのではないか、と言う意見があった。

本会議では、両コードの見直し自体はミッションではないが、今回の会合では、全般的に、コーポーレートガバナンス・コードをより一段厳しくしようとする意見が多く伺えたこともあり、次回フォローアップ会議がどのような方向で議論されるのかが、注目される。なお、フォローアップ会議は、当面、月1回程度の頻度で開催することが予定されている。また、今後の会合において議論・検証されるべきと考えられる事項、その他コーポレートガバナンスのさらなる充実等に関し、随時、広く意見を募集する方針が示され、「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議に係る意見募集」を引き続き行っている。

東京証券取引所から資料1「取締役会関連 参考データ」が提示された。概要は以下の通り。

会社法上の機関設計の選択状況

2015年:監査役会設置会社93.6%(3,252社)、監査等委員会設置会社4.5%(158社)、指名委員会等設置会社1.8%(64社)

監査役会設置会社および監査等委員会設置会社における任意の指名・報酬委員会の設置状況

指名委員会に相当する機能を持つ委員会:152社(4.5%)
報酬委員会に相当する機能を持つ委員会:219社(6.4%)

取締役会の規模

取締役会の平均人数は減少傾向。ただし、独立社外取締役の増加によって2015年は増加8.94人(前年比+0.33人)

独立社外取締役の人数

市場第一部(1,887社):取締役会の平均人数8.94人のうち平均1.79人
市場第一部・第二部(2,438社):取締役会の平均人数8.54人のうち平均1.71人
JPX日経インデックス400構成銘柄(399社):取締役会の平均人数10.50人のうち平均2.36人

独立社外取締役の属性

他の会社の出身者:60.6%(2,490名)
弁護士:15.7%(646名)
学者:9.3%(383名)
公認会計士:7.4%(306名)
税理士:1.6%(64名)

取締役会議長の属性

社長:83.9%(2,915社)
会長(社長兼任を除く):14.8%(513社)
社外取締役:0.5%(17社)

指名委員会

【指名委員会等設置会社の指名委員会】
委員会の構成(平均値):全委員4.00人のうち社外取締役2.88人、71.9%
委員長の属性:社外取締役54.7%
【監査役会設置会社および監査等委員会設置会社における任意の指名委員会】
委員会の構成(平均値):全委員4.68人のうち社外取締役2.03人、43.3%
委員長の属性:社外取締役46.1%

報酬委員会

【指名委員会等設置会社の報酬委員会】
委員会の構成(平均値):全委員3.78人のうち社外取締役2.77人、73.1%
委員長の属性:社外取締役60.9%
【監査役会設置会社および監査等委員会設置会社における任意の報酬委員会】
委員会の構成(平均値):全委員4.49人のうち社外取締役1.80人、39.9%
委員長の属性:社外取締役41.1%

監査委員会・監査役会

【指名委員会等設置会社の監査委員会】
委員会の構成(平均値):全委員3.77人のうち社外取締役3.05人、80.9%
委員長の属性:社外取締役68.8%
【監査等委員会設置会社の監査等委員会】
委員会の構成(平均値):全委員3.35人のうち社外取締役2.49人、74.5%
委員長の属性:社外取締役34.2%
【監査役会設置会社の監査役会】
監査役会の構成(平均値):全監査役3.55人のうち社外監査役2.45人、68.9%

<コーポレートガバナンス報告書開示の最新状況>
 2015年6月に適用開始されたコーポレートガバナンスについては、改正規程(新様式)に基づく「コーポレートガバナンスに関する報告書」を開示している会社は、2015年10月18日時点で140社である。
 
【参考サイト】
「スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議」(第2回)議事次第
スチュワードシップ・コード及びコーポレートガバナンス・コードのフォローアップ会議

【関連コラム】
【政府・レギュレーションの動向】「SSコード及びCGコードのフォローアップ会議」の設置について
【コーポレート・ガバナンス】東証「改正規程」に基づき報告書を開示した上場会社
【政府・レギュレーションの動向】「SSC及びCGCのフォローアップ会議」(第1回)の開催について

QUICK ESG研究所 菅原晴樹、真中克明

Facebookコメント (0)

ページ上部へ戻る