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【フランス】SRIに対する潜在ニーズと認知との間に大きなギャップ。EIRIS調査 2015/10/23 ESG

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 ESG調査大手のEIRISは10月2日、フランスの消費者のSRIに関する意識調査結果を公表した。同調査はリサーチ大手のイプソスがEIRISおよびフランスの責任投資推進団体、French Forum for Responsible Investmentからの委託を受けて実施しているもので、今年で6年目となる。

 フランスに住む16 ~75歳の消費者1,100名に対してSRIに関する意識調査を実施した結果、消費者の半数以上は投資先の選択による環境・社会への影響について関心があるものの、63%は「SRI」という言葉を聞いたことがなく、金融機関からSRIを勧められた経験がある消費者は3%しかいないことが分かった。消費者の意識とSRIの認知の間のギャップが浮き彫りになった形だ。

 調査結果によると、一般投資家の約半数以上が環境、社会、倫理的な投資基準を「非常に重視する」(11%)または「重視する」(40%)と回答しており、同数字は従業員貯蓄制度の加入者では57%、投資信託利用者になると59%に上昇する。少なくとも意識レベルではSRIへの関心があることが分かる。

 さらに特筆すべきポイントは、SRIのことを知っている消費者ほどSRI関連商品に投資しようとしている人が多い点だ。SRIについて「少し知っている」と回答した回答者の23%、「よく知っている」と回答した回答者の37%が、ともにSRI投資に興味があると回答している。

 また、投資信託に投資をしている回答者の26%がSRIを「よく知っている」、28%が「SRIに興味を持っている」、9%が「現在商品を保有している」と回答しており、SRIは一般的にはあまり知られていないものの、積極的に投資を行う貯蓄者の間ではわずかながら知られている実態が分かった。

 一方で、SRIの普及に向けては金融機関によるSRI関連商品の販売促進が鍵になっていることも分かった。2014年ではフランスの消費者のほとんどがSRI関連の金融商品をファイナンシャルアドバイザーに勧められたことがなく、商品について認識していなかった。2015年の調査では46%の回答者がSRI投資に関する最良の情報提供者にフィナンシャルアドバイザーを挙げており、NGOや消費者団体(23%)、家族や友人(18%)、メディア(14%)がそれに続いている。

 加えて、金融機関だけではなく政府機関によるSRIの販売促進も重要だ。回答者の27%が州による認定SRI表示がSRIを選ぶ後押しをすると考えており、この結果はSRIを「少し知っている」とした回答者では37%、「よく知っている」とした回答者では51%と、SRIのことを認知している消費者の間では各段に上昇した。

 EIRISの顧客対応部門シニアマネージャーJohanna Haririは「今年の結果から、あらためてSRIに関する情報や認知の欠如が、フランスの人々がSRIの概念を受け入れる主な障壁となっていることが分かる。金融機関や販売会社はSRIの販売促進のために更なる努力がなされることを願う」と語る。

 同調査はフランスで実施されたものだが、SRIの普及がなかなか進まない日本においても今回の調査結果から学ぶべき点は多い。SRIの存在を知ってさえいればSRI関連商品に投資をしてみたいと考える消費者層が一定数いることを考慮すれば、SRIの普及には優れた商品の開発だけではなく積極的な販売促進や認知活動なども鍵を握りそうだ。

【参照リリース】6th national survey – Ipsos for EIRIS and the FIR, The French and Socially Responsible Investment (SRI)
【企業サイト】EIRIS
【団体サイト】FIR

株式会社QUICK ESG研究所

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