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【オランダ】核兵器への投融資を停止・制限した金融機関の数は150%増 2015/12/03 ESG

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 オランダの平和推進団体PAXは11月12日、核兵器と関わりを持つ金融機関に関する調査報告書、”Don’t Bank on the Bomb“を公表した。同報告書によると、核兵器の製造に関わる企業への投融資を停止もしくは制限している金融機関の数は53に上り、昨年の調査と比較して150%増加していることが分かった。PAXは、増加の背景として人道的見地から核兵器に対する非難が強まっている点を挙げている。

 一方で、同報告書は核兵器製造企業に投融資をしている銀行、保険、年金基金ら382機関も特定しており、2012年1月以降、これらの機関により合計4,930億米ドルが投じられたと指摘している。調査結果に基づき、PAXは金融機関に対して大量破壊兵器への投資を止め、政府に核兵器を禁止するよう求めている。

 核兵器に関わる企業に対してはいかなる投融資も行わないという明確な方針を掲げ、PAXから「Hall of Fame(殿堂入り)」の称号を得た金融機関は13あり、オランダのASN銀行や英国の協同組合銀行、スウェーデンの年金基金AP7などが挙げられている。13機関中7つがオランダの金融機関で、残りも全てが欧州の金融機関だった。

 逆に、核兵器の製造、管理、貯蔵に関わる26社に投融資を行っている382機関のうち上位10機関は全て米国の金融機関で、総投融資額は2,090億米ドルに上ることが分かった。上位3社はキャピタル・グループ、ステート・ストリート、ブラックロックだった。

 欧州の金融機関で最も投融資額が多かったのはBNPパリバ(仏)、ロイヤルバンク・オブ・スコットランド(英)、クレディ・アグリコル(仏)で、アジア・太平洋地域では三菱UFJフィナンシャル・グループ(日)、インド生命保険公社(印)、三井住友フィナンシャル・グループの投融資額が最も多かった。

 PAX研究員で同報告書の共著者でもあるWilbert van der Zeijden氏は「どの銀行、年金基金、保険会社も大量破壊兵器関連企業と財務上の関係を持つべきではない。核兵器の爆発が起これば人道的な影響は数十年にわたって継続し、効果的な支援が不可能になる。回避する方法は核兵器を違法とし、排除するほかにない。非人道的な無差別兵器を投資から除外することはこの助けになる」と語る。

 日本は世界で唯一の被爆国だが、今回の調査では非核化を掲げる金融機関リストの中には日本の金融機関が含まれず、核兵器に投資する金融機関リストの中に大手2社の名前が挙がるという皮肉な結果となっている。今後、核兵器製造に関わる企業から投融資の引揚げなど具体的な行動を通じて平和を世界に発信できるようになることを期待したい。

【レポートダウンロード】Don’t Bank on the Bomb
【参照リリース】Financial institutions drop the bomb from their investment portfolio
【関連サイト】Don’t Bank on the Bomb
【団体サイト】PAX

株式会社QUICK ESG研究所

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