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【国際】PRI、プライベート・エクイティにおける責任投資のデューデリジェンス質問集を発表 2015/12/19 ESG

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 国連責任投資原則(PRI)は11月30日、Limited Partners’ Responsible Investment Due Diligence Questionnaire(LP Responsible Investment DDQ)(以下、質問集)を発表した。プライベート・エクイティにおける環境、社会、ガバナンス配慮のデューデリジェンスの標準化を促すのが狙いだ。リミテッド・パートナー(1*)がジェネラル・パートナー(2*)に対して利用できる質問集の形になっており、投資前の段階で重要なESG要素の理解を図りつつ、どのように投資活動に取り入れ評価するのか確認できるようになっている。

 この質問集はリミテッド・パートナーとジェネラル・パートナーの対話をサポートための ガイダンス(2013年発行)と対になっており、ガイダンスでは発展的な質問、デューデリジェンスと市場との関連性を示すケーススタディ、責任投資を実践するにあたり必要なツールや公開情報などが盛り込まれている。このプロジェクトが実施された背景には、リミテッド・パートナーのESG分野の対話に対する要望が顕著に増え、ジェネラル・パートナーからのPRI署名の要望が増えてきた流れがある。

 本書は41のリミテッド・パートナー、ファンド・オブ・ファンズ、ジェネラル・パートナーから成る署名ワーキンググループの監修のもと、「プライベート・エクイティのためのESGディスクロージャー・フレームワーク(通称ディスクロージャー・フレームワーク)」の第1章を踏まえて作成された。同フレームワークはESG関連の質問の背景にある論理的な根拠を説明しており、今回発表された質問集はリミテッド・パートナーが利用できる合計21の詳細な質問を提示している。

 PRIは今回のプロジェクトにおいてAFIC、AVCAL、BVCA、EMPEA、ILPAやInvestment Europeといった業界団体と提携したが、今後もこれらの団体と共に世界中のリミテッド・パートナーがこの質問集をデューデリジェンスの過程で利用する支援を行うことを歓迎している。この質問集はチェックリストとして活用するために作成されたのではなく、リミテッド・パートナーが必要の応じこの質問集に補足して対話を構築したくなるように設計されている。

 ESG投資は上場企業の投資手法としても知られているが、プライベート・エクイティにも広く活用されている概念だ。とりわけ、市場ニーズを敏感に把握し、柔軟な組織体制で急速に事業を拡大させるスタートアップ企業には、今求められている環境・社会・ガバナンス配慮の在り方がマッチしやすいのではないか。日本でも環境技術や福祉関連など潜在ニーズは広いと考えられる。ベンチャーキャピタルやプライベート・エクイティにおけるESG投資の発展が期待される。

(1*)リミテッド・パートナー:投資事業有限責任組合。いわゆる投資ファンドの出資者としてはリスクや責任が投資金額内にとどめられる。
(2*)ジェネラル・パートナー:投資事業無限責任組合。投資ファンドの組成から清算までの管理業務と投資判断の運用業務を行い、出資額に関わらず無限責任を負う。

【レポートダウンロード】Limited Partners’ Responsible Investment Due Diligence Questionnaire Innovation
【参照リリース】PRI launches private equity due diligence questionnaire 
【関連サイト】THE LIMITED PARTNERS’ RESPONSIBLE INVESTMENT DUE DILIGENCE QUESTIONNAIRE AND HOW TO USE IT
【関連サイト】Environmental, Social, and Corporate Governance (ESG) Disclosure Framework for Private Equity

株式会社QUICK ESG研究所

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