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【アメリカ】モルガン・スタンレーとウェルズ・ファーゴ、新たに石炭からの投融資引揚げを公表 2015/12/22 ESG

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 気候変動対応に向けて、金融機関による化石燃料からのダイベストメントの動きが加速化している。米金融機関大手のモルガン・スタンレーおよびウェルズ・ファーゴは12月1日、世界の石炭関連産業に対する投融資を削減・打ち切りする新たな方針を公表した。ウェルズ・ファーゴは石炭採掘企業への融資を縮小する方針を示し、モルガン・スタンレーはさらに踏み込んで貸付および引受業務の停止、先進国における石炭燃料による発電所建設の融資を終了することを方針に掲げた。

 特筆すべきは、モルガン・スタンレーが新たに公表した投資方針の中で「モルガン・スタンレーは低炭素経済への移行に貢献する責任を負っている」としたうえで、「我々は融資や資本調達をよりクリーンで再生可能なエネルギー資源へとシフトし続け、石炭採掘および石炭火力発電所への融資比率を削減する」と明記したことだ。

 世界の大手金融機関としては、既にバンク・オブ・アメリカ、BNPパリバ、シティグループ、クレディ・アグリコル、ING、ナティクシス、ソシエテ・ジェネラルの7行が既に石炭関連投融資からの撤退方針を表明しており、今回の公表もそれらの流れを受けてのものだ。気候変動NGOのRain Action Network(以下、RAN)らが展開しているダイベストメント・キャンペーンの影響もある。

 RANのエグゼクティブ・ディレクターを務めるLindsey Allen氏は「本日、モルガン・スタンレーとウェルズ・ファーゴは石炭産業に対する支援の停止を発表し、最近のバンク・オブ・アメリカやシティグループ7行によるコミットメントに加わった。本日発表された方針は気候変動の現実を考えると十分とは言えないものの、大手銀行らは石炭産業がますます愚かで受け入れがたい投資になりつつあるということを明確に示した」と語った。

 国際NGOのバンクトラックが公表したデータによると、モルガン・スタンレーの2005年から2014年4月までの石炭投融資額は世界8位で約2.1兆円、ウェルズ・ファーゴは19位で約1兆円に上る。米国を代表する二つの大手金融機関がダイベストメント宣言に加わったことで、石炭投融資からの撤退の流れは決定的となりそうだ。

 世界の金融業界が脱石炭・低炭素経済へシフトしようとする中、日本では石炭火力発電所を新設する動きがあり、世界の流れと逆行している。今後の電力自由化に伴い、電力利用者による賢明な選択とそれに合わせた金融業界の方向転換に期待したいところだ。

【方針ダウンロード】Morgan Stanley Coal Policy Statement
【方針ダウンロード】Wells Fargo Environmental and Social Risk Management
【関連リリース】Morgan Stanley and Wells Fargo cut coal financing, join growing movement by banks in U.S. and Europe
【企業サイト】Morgan Stanley
【企業サイト】Wells Fargo

(※写真提供:Bastian Kienitz / Shutterstock.com

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