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【国際】ESGは財務リターンに好影響。ドイチェAWM、ハンブルグ大学調査 2016/01/07 ESG

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 ESGの考慮は財務リターンにつながるのか?投資家や企業の間で長らく議論されてきた疑問に対し、最終的な答えが出つつある。ドイチェ・アセット&ウェルス・マネジメント(以下、ドイチェAWM)とハンブルグ大学は12月7日、ESGの考慮が企業財務パフォーマンス(Corporate Financial Performance、以下CFP)にもたらす影響に関する調査報告書、”ESG & Corporate Financial Performance: Mapping The Global Landscape“を公表した。同報告書によると、ESGの考慮は大半の事例においてCFPに好影響をもたらしていることが分かった。

 同調査は、ドイチェAWMおよびハンブルグ大学が、1970年以降に公表された2,250以上のESGに関する研究結果を詳細に分析したものだ。同種の研究としては過去最大規模となる。調査の結果、研究事例の62.6%において、ESGとCFPとの間に正の相関関係があることが明らかになった。逆に両者が負の相関を示していた事例は10%しかなかった。

 また、アセットクラス別に見てみると株式(52.2%)や投資信託(15.5%)よりも債券(63.9%)や不動産(71.4%)のほうが正の相関度が高く、地域別では特に北米(42.7%)および新興国(65.4%)においてESG投資が効果的であることが分かった。逆に、最も正の相関割合が低かったのは欧州先進国(26.1%)だった。

 さらに、E(環境)、S(社会)、G(ガバナンス)の3要素はESGとして統合するよりも、それぞれ個別に適用したほうがよりCFPとの正の相関が高まることも分かった。E、S、Gを個別に考慮した際の正の相関状況はそれぞれ58.7%、55.1%、62.3%だったのに対し、EとS&Gを統合した場合は35.3%という結果となった。

 そして、同報告書はESGとCFPとの正の相関関係の継続性についても興味深い言及をしている。ドイチェAWMは、PRI署名機関数の増加に見られるように多くの投資家がESG統合を進めるにつれ、経験曲線に応じてESGのアルファは低減していくと推定されるものの、過去551の先行事例研究を調査した結果、現状ではそのような低減は見られず、ESGの考慮がリターンにもたらす効果は継続しているとしている。

 これまでにもESGとリターンの関係に関する調査研究は数多く行われてきたが、それらの研究を総合して分析した今回の報告書は、財務リターンの観点から考えてもESG統合は投資戦略として優れているという仮説を決定的に裏付ける内容となっている。

【レポートダウンロード】ESG & Corporate Financial Performance: Mapping The Global Landscape
【企業サイト】Deutsche Asset & Wealth Management

株式会社QUICK ESG研究所

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