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【シンガポール】シンガポール証券取引所、Comply or Explainに基づくサステナビリティ情報開示規則を検討 2016/01/21 ESG

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 シンガポール証券取引所は1月5日、”Comply or Explain”(遵守せよ、さもなければ説明せよ)の原則に基づいたサステナビリティ報告書の導入に向けてパブリックコメントを募集すると発表した。2011年に始まった自主的な報告書発行という段階から飛躍的に前進し、サステナビリティ情報に対する世界的な関心にタイミング良く応えることになる。

 サステナビリティ報告書は事業および戦略において環境、社会、ガバナンス(ESG)の側面から財務情報を補うツールだ。そのため、投資家は投資先企業の理解を深め、経営の質や見通しの総合的な評価が可能となる。また、情報開示による透明性の向上は投資家の信頼獲得にもつながる。

 同取引所は2015年6月に機関投資家向けの調査を実施しており、実に90%以上がESG要因を投資に盛り込んでいることが分かった。”Comply or Explain”のアプローチにより、企業は産業分野や取り巻く環境に応じたサステナビリティ報告書のまとめ方について自由裁量が確保され、ESGリスクや事業機会における経営管理について独自に記述することができる。

 今回実施されるパブリックコメントではいくつかの領域についての意見を求めているが、特に報告書の発行者は、重要度の高いESG要因とその理由、重要度の高いESG要因における方針・活動・成果、次年度の目標や参照した報告書のガイドライン、取締役の遵守宣言を報告書に盛り込むことが求められる予定で、これらに関する意見を募集している。また、他にも報告書発行の締め切り時期や報告書の最初に記載するテーマ設定などについての意見も聞かれている。

 シンガポール証券取引所のCEOを務めるLoh Boon Chye氏は「サステナビリティ報告書を作成することで透明性やガバナンスが構築され、それによってシンガポールの企業が国際的に認められる。報告書は質の高いリターンを求める投資家の需要に応え、企業に対しては差別化の機会を与えてくれる。既に行われた調査では多くの投資家や事業会社の協力で貴重な意見が集められ、それはドラフトのガイドラインに反映されている。サステナビリティ報告書の作成能力を高める上で、全ての企業の要望が満たされるように、業界のパートナーらと共に取り組めることを楽しみにしている」と話した。

 パブリックコメントは2016年2月5日まで英語・中国語にて募集され、新たに設定される規則とガイドラインは2017年12月末日もしくはそれ以降の会計年度の2018年発行分から適用予定だ。

 ESGへの取り組みと情報開示についてはシンガポール証券取引所以外にもこの半年の間にマレーシア証券取引所、台湾証券取引所、香港証券取引所とアジアの各取引所で大きな動きが見られた。これまでは欧米の取引所における新たなルール作りが注目を集めてきたが、この波は確実にアジア市場に広がっている。日本においても東証の動きに注目が集まる。

【参照リリース】SGX consults on “comply or explain” sustainability reporting rules and guide
【企業サイト】Singapore Exchange Ltd.

(※写真提供:BigBoom / Shutterstock.com

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