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【スイス】クレディ・スイス、コーポレートガバナンスと企業業績に関する調査報告書を公表 2016/02/09 ESG

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 スイス金融大手のクレディ・スイスは1月20日、健全なガバナンスと企業業績との関係性に関する調査報告書、”How Corporate Governance Matters“を公表した。同報告書の中で、クレディ・スイスはコーポレートガバナンス関連の規制や実践に対する投資家からの関心の高まりを示すデータや、同社が新たに開発した企業ガバナンスに関する革新的な評価手法のHOLTガバナンス・スコアカード、そしてガバナンス評価を投資戦略に組み入れることが特にリターン向上につながる企業タイプ、業界などについて紹介している。

 HOLTガバナンス・スコアカードは、クレディ・スイスの企業価値評価システムとして知られるHOLTをベースとして開発されたコーポレートガバナンスに関するスコアカードで、報酬の透明性や短期・長期の業績指標のバランスといった13のガバナンス関連の評価基準に基づき、2万社の欧米企業を分析したものだ。

 同報告書によると、いくつかの業界においてはコーポレートガバナンスに焦点をあてた投資戦略が市場平均を上回るリターンにつながるとしたうえで、特に通信業界と金融サービス業界でその傾向が顕著だという。クレディ・スイスは報告書の中で、これらの業界に見られる特徴として「ガバナンス不全による潜在的なリスクをよく理解し、積極的に管理している」「ガバナンス不全が事業やレピュテーションにもたらす影響が非常に大きい」という2点を挙げている。逆に、ヘルスケア業界などコーポレートガバナンスに優先順位高く取り組んでいる他の業界では、ガバナンスに焦点をあてても市場平均を上回るリターン生み出すことができないとのことだ。

 また、報告書の最後では投資家や規制当局、運用会社からサプライチェーンについても目を向けており、優れたコーポレートガバナンスを実践しているリーダーらはサプライヤーや顧客なども含むビジネスパートナーに対しても高い基準を要求しており、結果として取り組みの効果を乗数的に高めていることを明らかにしている。

 世界中で頻発する企業不祥事とそれに伴う株価下落を受けて、コーポレートガバナンスに関する投資家の関心は日に日に高まっている。ESG投資の中でも特に「ガバナンス」部分は短期的に大きな業績低下を招くリスクも高く、投資家、企業の双方がリスク管理を徹底する必要があると言える。

【レポートダウンロード】How Corporate Governance Matters
【参照リリース】Credit Suisse – The importance of Corporate Governance for investors
【企業サイト】Credit Suisse

(※写真提供:Pincasso / Shutterstock.com

株式会社QUICK ESG研究所

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