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【国際】2℃未満の達成には、今後25年間で12.1兆米ドルの再エネ投資が必要 2016/02/16 ESG

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 サステナビリティに関するアドボカシーNGOのセリーズおよびBloomberg New Energy Finance(以下、BNEF)は1月27日、米国ニューヨークで開催されたUN Investor Summit on Climate Risk(国連気候変動に関する投資家サミット)の中で、気候変動の抑制に必要な再生可能エネルギー投資額についてまとめた報告書、”Mapping the Gap: The Road From Paris“を公表した。

 同報告書によると、パリ合意に基づき地球の温度上昇を2℃未満に抑えるためには、再生可能エネルギーの創出に向けて今後25年間で12.1兆米ドルの投資が必要だという。この数字は、現状予定されている投資額を5.2兆米ドルも上回っており、パリ合意の内容を実現するためには投資家および産業界にさらなる努力が求められることを明らかにしている。

 報告書の中で、著者らは太陽光発電や風力発電などの再生エネルギーの価格競争力や、気候関連ソリューションへの投融資に対する投資家の関心が高まってきている点に触れ、「クリーンエネルギー投資は、急成長への用意ができている」と述べている。また、この新たな投資機会は巨大だが、その規模は必要とされる投資を供給する世界の金融市場のキャパシティによって制限を受ける」と語り、投資家に対して再生可能エネルギー分野に更なる投資を振り分けるよう呼びかけている。

 報告書によると、パリ合意の目標達成のためには現状計画されている6.9兆米ドルの投資に加えて、風力や太陽光、地熱などCO2排出量ゼロの発電資源への追加投資が5.2兆米ドル、年間2,080億米ドルが必要だという。また、12.1兆米ドルの大半は開発途上国の新興市場における再生可能エネルギー創出にあてられることが期待されるという。

 さらに、投資の増額分については、民間金融機関や機関投資家、他の金融市場関係者が利益を得られる債権や資産担保証券など、クリーンエネルギーを支援する投資手段の大幅な拡充が求められるとのことだ。

 また、同報告書では再生可能エネルギーへの投資拡大を実現するための各国政府により政策的支援の重要性についても触れているほか、クリーンエネルギー投資はやがてオルタナティブな投資分野ではなく、不動産や交通機関といったより確立したインフラ投資の分野として捉えられるようになるとしたうえで、クリーンエネルギーが主流へと移行するにつれて、インフラ投資家のポートフォリオの大部分を占める重要な資産になるとしている。

 BNEFの会長を務めるMichael Liebreich氏は、過去10年間だけで再生可能エネルギー施設が7倍に成長したことを挙げつつ「クリーンエネルギー産業はパリ合意で表明された高遠な宿願を達成するのに多大な貢献をすることができる。しかし、それには倍以上の投資額が必要となり、しかも今後3年から5年の間に必要だ。このような増額は現状のままでは実現できないだろう。投資額のギャップを埋めるのは投資家にとって挑戦でもあり、機会でもある。今回の報告書はそのことを述べている」と語った。

 パリ合意が実現した今、各企業には科学的根拠に基づく排出量削減目標の設定およびその実現に向けた取り組みが求められているが、それらの企業に資金を供給するのは投資家の重要な役割だ。様々な金融手段をフルに活用し、各国政府の政策とも連携しながら5.2兆米ドルという投資ギャップをどのように埋めるのか、投資家に課せられた役割も企業と同様に大きい。

【レポートダウンロード】Mapping the Gap: The Road From Paris
【参照リリース】New report: $12.1 trillion must be invested in new renewable power generation over next 25 years to limit climate change
【団体サイト】Ceres
【企業サイト】Bloomberg New Energy Finance

株式会社QUICK ESG研究所

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