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【ノルウェー】ノルウェー政府年金基金、2015年はESGを理由に73社からダイベストメントを実施 2016/02/17 ESG

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 ノルウェー政府年金基金の資産運用を行うノルウェー中央銀行の投資部門、ノルジェス・バンク・インベストメント・マネジメント(以降、NBIM)社は2月4日、2度目の責任投資報告書を発表、2015年にESG(環境、社会、ガバナンス)関連リスクの分析領域を拡大し、73社から投資引揚げ(ダイベストメント)を行ったことを発表した。健康、安全、環境および人権分野のリスク分析をさらに綿密に行うことで、石炭関連企業27社および鉱業会社9社から投資を引き揚げ、過去4年間で合計187社からのダイベストメントを実施した。

 また、同報告書では、2009年に始まった環境関連の投資運用委託により、合計538億クローネの上場企業株投資を行ったことも触れられており、投資先にはテスラモーター社や英国のNational Grid社も含まれる。この投資戦略での投資先は224社に渡っており、株式投資部分の総リターンは2015年で1.1%、2010年以来年率2.8%のリターンを達成している。環境投資のうち193億クローネは外部の運用会社が、345億クローネは内部で運用している。内部運用においては、NBIMは最初の投資運用委託において環境投資ユニバースの定義作りに向けたフレームワークを策定、その後ポートフォリオを構築した。

 同社によると、このポートフォリオは幅広い通常のユニバースに比べてリスクは高く、「環境投資ユニバースは依然として創生期にあり、新技術、ビジネスモデル、政府の規制等の発展や整備に敏感に反応する」としている。なお、投資ポートフォリオに組み込まれるには、同社の定義する環境分野事業が一つかそれ以上あり、ビジネス全体の20%を超えなければならない。

 また、議決権行使においては、同社は昨年世界で11,525議案に投票を実施し、92%は取締役提案に沿った賛成票に、反対票のうち61%は取締役選任についてであった。NBIMのCEO を務めるYngve Slyngstad氏は、「我々が何を期待し、何に立脚しているのかを明確にすることが目的だ」と語る。同社による企業とのミーティングは昨年3,520社に及んでおり、取締役指名および選任、企業改革とサステナビリティに関するテーマが優先されている。

 NBIMの責任投資の在り方は非常に明確で一貫しており、グローバルの投資家の間でも評判だ。同運用会社による最新の報告は投資の最前線でどのように責任投資を実践されているのか、興味深く学ぶべき点が多い。また、今後の責任投資分野の方向性を握る鍵であるとも言える。

【参照リリース】Clear expectations towards companies
【企業サイト】Norges Bank Investment Management
【関連サイト】報告書:責任投資2015

(※写真提供:SurangaSL / Shutterstock.com

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