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【オーストラリア】豪政府、気候変動対策で、新エネ分野に10億豪ドルのファンド設立 2016/03/29 ESG

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 オーストラリア政府は3月23日、気候変動対策の一環として、再生可能エネルギー分野の技術開発をサポートすることを目的としたクリーンエネルギー・イノベーション・ファンドの立ち上げを発表した。投資規模は10億豪ドル(約850億円)。資金は政府が出資しているクリーンエネルギー・ファイナンス・コーポレーション(CEFC)への予算100億豪ドル(約8,500億円)から割り当てられる。ファンドは今後10年間毎年1億豪ドル(約85億円)ずつ資金提供を行う。

 今回発表されたクリーンエネルギー・イノベーション・ファンドは2016年7月に立ち上がる予定。ファンド管理は、政府、CEFCと独立行政法人であるオーストラリア再生可能エネルギー庁(ARENA)の三者が共同で務める。ファンドからの資金は出資及び融資・債券の両面で提供される。また、投資対象は、大規模太陽光発電所、オフショア風力発電,バイオ燃料,スマートグリッドなど。すでに投資先案件として、ポートオーガスタに建設予定の大規模太陽光発電施設が挙がっており、ARENAが同発電所建設に1億豪ドル(約85億円)の補助金を提供をした後は、基本的にはこのファンドからの資金を用いた出資もしくは融資・債券の形態へと資金提供の形式を移行させる。

 オーストラリアでは、政府から再生可能エネルギー分野の資金提供は、これまでARENAが補助金の形態で担ってきた。ARENAは今後も、すでに補助金提供済もしくはこれまでに補助金提供を発表済の案件への管理を引き続き行うが、補助金提供先を拡大し、再生可能エネルギーだけでなく低炭素技術やエネルギー効率向上技術の分野にも補助金を提供していく。

 政府がこのファンドを通じて狙う政策目標は複数ある。まずは気候変動対策。政府は2015年12月の気候変動枠組み条約パリ会議で、2030年までに温室効果ガス排出量を26%から28%削減すると宣言しており、エネルギーの低炭素化を推進したい。また、再生可能エネルギーに関する技術開発は、幾分成熟してきているものの商業運用に載せるまでには隔たりがあり、プライベートエクイティが魅力を感じるまでには至っていない。今回のファンド資金は、この草創期の技術をスケールアウトさせ、民間資金を呼ぶこむたの繋ぎとしての狙いもある。さらに政府は、再生可能エネルギー分野の産業育成を通じて雇用機会の創出という効果も視野に入れている。従来、石炭エネルギーに大きく依存してきたオーストラリアがどれだけ変われるか。2015年9月に組閣されたターンブル政権の手腕に注目が集まっている。

【参照サイト】Turnbull Government taking strong new approach to clean and renewable energy innovation in Australia

株式会社QUICK ESG研究所

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