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【デンマーク】年金基金PKA、石炭企業からのダイベストメントを発表 2016/04/26 ESG

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 デンマーク最大の職業年金基金、デンマーク年金生活ファンド(PKA)は3月29日、気候変動への対策および経済的な観点から石炭関連企業31社をネガティブスクリーニングリストに追加したと発表した。実質的にこれらの企業には投資が中止させる。同団体は近年、低炭素を促進する企業への投資を大きく増大させており、現在同基金の「グリーン投資」の金額は約130億クローネ(約2,170億円)に上る。

 今回中止を決定した31社は、全社売上の90%以上が石炭関連の業績である企業。さらに売上比率が50~90%の企業23社に対しては対話を進め、管理を強化して石炭への関与を減少する方向を目指し、その方針に従わない企業は投資リストから除外する。23社は今後6~12カ月の間に石炭関連の売上割合を減らす計画を提示しなければならない。積極的にクリーンエネルギーへの転換を行いつつ石炭関連事業を継続する企業は、石炭売上割合が50%未満であればネガティブスクリーニング入りを免れる。

 これらの措置の理由について、PKAのPeter Damgaard Jensen・CEOは、「国連主導の目標である上昇温度2℃未満を達成するには、クリーンエネギーに投資するだけでは不十分だ。全世界での石炭消費を大幅に削減することが同時に必要だ。石炭消費がCO2排出量の最大の原因だ。」と述べている。さらに同氏は、今回の措置は気候変動だけが理由ではなく、全体的な株価は上昇しているに拘わらず、石炭価格の下落を受けて石炭関連の株価が近年、大幅に下落していることも背景にあると強調している。アメリカで採掘されているシェールオイル・ガスの影響もあり、化石燃料の内、石炭関連企業が最も早く衰退すると見ているという。石炭以外の化石燃料からのダイベストメントについては、時機尚早として言及していない。

 PKAは2011年に世界有数の洋上風力発電事業者であるデンマーク国営総合エネルギー企業、DONG Energyと共に案件を皮切りに、洋上風力発電への投資を積極的に進めている。Peter Damgaard Jensen氏によると、2015年春には、今回、投資の中止を決めた31企業の株価は60%下落したのに対して、同時期の風力発電によるリターンは7%以上だったという。風力発電にはこれまでに5件の投資を行い、合計で約200万世帯分の再生可能エネルギーの供給につながっているという。

 さらに注目されるのは、今年2月に英国の洋上風力プロジェクトであるBurbo Bank ExtensionにおけるDONG Energyがもつシェアの25%を譲り受けたことだ。Burbo Bank Extensionは、三菱重工業とデンマークのヴェスタス社(Vestas Wind Systems A/S)の洋上風力発電設備合弁会社であるMHI Vestas Offshore Wind A/S(MHIヴェスタス)によって展開される初の大規模施設。32のタービンで構成され、8.0MWの出力をもつ。CO2排出ゼロの電力を23万世帯以上の年間消費電力相当分を創出できるという。DONG Energyは同時にさらに25%を、LEGOグループの親会社であるKIRKBI A/Sに売却しており、デンマークでは企業やアセットオーナーが積極的に風力発電の資金供給者となっている。

【参照ページ】PKA excludes mining companies
【参照サイト】DONG Sells Half of Burbo Bank Extension to PKA, LEGO
【機関サイト】PKA

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