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【ノルウェー】公的年金基金の運用ルール見直し、一般炭産業への出資を制限 2016/04/27 ESG

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 ノルウェー財務省は4月5日、政府年金基金の運用ルールを見直し、一部政府年金基金において不動産アセットクラスへの投資を拡大し、同時に責任投資のもとで一般炭からダイベストメントする方針を発表した。

 ノルウェーの政府年金基金はGPFGとGPFNの2つの基金に分かれている。GPFG(Government Pension Fund Global)は資産規模7兆4,710億ノルウェークローネ(約100兆円)。通常の年金基金とは違い、ノルウェーの主要産業である原油からの歳入を運用する基金であり、将来の年金給付のために使われる。基金名にグローバルと付く通り、運用アセットクラスは全て海外の上場株、上場債券、不動産を対象としている。一方のGPFN(Government Pension Fund Norway)は一般的な年金基金で資産総額は1,980億ノルウェークローネ(約2兆6,600億円)。こちらの基金は一部北欧国への投資の除いて全てがノルウェー国内の上場株、上場債券を運用アセットクラスとしている。この2つの基金の投資顧問は決まっており、GPFGはノルウェー銀行(ノルウェーの中央銀行)、GPFNは国民保険制度基金(Folketrygdfondet)が務めている。政府管轄は財務省。

 GPFGの最近の変化としては、2008年に運用総額の上限5%として不動産への投資が可能となったことだ。狙いはアセット分散によるリスク削減。これにより2015年までに不動産への投資額は着々と増加し、2015年時点では3%にまで達していた。今回のルール変更では、さらに非上場不動産投資の拡大と非上場インフラ投資の解禁がなされるかに注目が集まった。結果、財務省は、GPFGがベンチマークとする指数計算から、投資先の不動産ポートフォリオを除外する方針を決めた。すなわち、全体ベンチマーク指数から変動の激しい不動産アセットクラスが除外され上場株と上場債券だけで計算されることで、ベンチマーキングが安定するとともに、不動産アセットクラスに関しても常に上場株と上場債券のリターンと比較されるようになる。同時に、非上場不動産への投資上限は7%に拡大され、銘柄選定は財務省が定めるルールのもとノルウェー銀行に一任されることとなった。結果、非上場不動産への投資割合は5%前後に落ち着くと見られている。一方、非上場インフラ投資に関しては、途上国インフラへの投資や再生可能エネルギーインフラへの投資は、財務リターンの尺度で見た場合必ずしも強化すべき領域ではないと判断されるとともに、非上場インフラ投資市場規模が全体の0.5%程度と小規模であることから、今回は解禁は見送られた。

 また、GPFGの運用ルールに一般炭への投資制限も加えられた。30%以上の売上や事業規模が一般炭関連産業から得られている採掘企業およびエネルギー企業に関しては投資ができなくなる。同時に、気候変動対応のため、企業グループレベルで温室効果ガスを許容できない量排出している企業に関しても投資先から除外されることになった。

 欧米の公的年金基金からはすでに石炭からのダイベストメントを決めたところが複数出てきている。その流れに今回ノルウェーも加わった形となった。

【参照ページ】Unlisted investments in the Government Pension Fund
【機関サイト】ノルウェー財務省

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