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【オランダ】年金基金連盟、加盟基金向けに責任投資の実施ガイドラインを発表 2016/06/30 ESG

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 オランダの年金基金の連合体である「オランダ年金基金連盟」(Federation of the Dutch Pension Funds)は6月16日、年金基金が責任投資を実施する上での指針となるガイドライン「Service Document on Responsible Investment」を発表した。オランダ年金基金連盟は2010年に設立され、業界年金基金、企業年金基金、個人型年金基金などを260の年金基金が加盟。オランダの年金基金では、責任投資やESG投資を実施する動きが相次いでおり、今回のガイドラインが作成された。

 ガイドラインは、オランダ国外のファンドマネージャーに対して、オランダの年金基金が考える責任投資のあり方を周知させるため、英語でも発行された。ガイドラインでは、年金基金に課せられている責任投資に関するオランダ法や業界自主規則の内容を解説。その上で、ビジョン作成、方針作成、実施、モニタリング、報告、評価のサイクルを回していく手法を紹介している。とりわけ、特徴的なのが、責任投資のビジョン作成や方針作成の段階で、年金基金加入者の意向を正しく把握するというポイントだ。ガイドラインには、年金基金の運用の成否はあくまで加入者が判断するものだという前提に立ち、好ましい責任投資のあり方や投資先については加入者の声に耳を傾けるべきだと繰り返し書かれている。また、加入者全体の声の体現者として法定義務として設置されている「評議会委員」を尊重し、委員がビジョンや方針についての重要な発言者であることも書かれている。

 責任投資が高いリターンを生むかどうかについては、「まだ一般的に受け止められている結論はない」とし、責任投資のパフォーマンスについては各年金基金が判断すべきだとした。責任投資は、投資ユニバースの縮小、リサーチ費用などでパフォーマンスが減らす要素があることも紹介、一方で海外の他の年金基金が責任投資に取り組んでいる例も挙げた。責任投資手法については、「ネガティブスクリーニング」「ポジティブスクリーニング」「統合型」などを挙げ、ガイドラインであるべき責任投資手法を限定するようなことをしていない。また、議決権行使や投資先とのエンゲージメントについては、責任投資の手法というより、むしろ実施しなければならないことと位置づけた。

 運用結果の報告の側面では、オランダ年金基金法により、2014年より、運用方針の中に「環境」「気候変動」「人権」「社会関係」についてどのような見解を持つかを説明することが義務化されていることが強調されている。

 オランダの年金基金は総じて責任投資やESG投資への関心が高い。オランダの年金基金の中には、日本株へ投資しているところもある。今後、責任投資の普及につれ、日本企業へのエンゲージメント要請も増えてくるかもしれない。

【参照ページ】Guidelines Responsible Investment for pensionfunds now available in English
【ガイドライン】Service Document on Responsible Investment

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