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【シンガポール】シンガポール証取、上場企業にサステナビリティ報告書提出を義務化 2016/07/06 ESG

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 シンガポール証券取引所(SGX)は6月20日、同取引所の上場企業に対しサステナビリティ報告書の提出を義務付けることを発表した。この新制度は「Comply or Explain」の原則に基づくもので、サステナビリティ報告書の提出を拒む場合は、その理由を説明しなければならない。シンガポール証券取引所は今年1月に制度導入を発表し、パブリックコメントを募集していた。今回最終的に義務化導入の判断を行った。

 今回の発表によると、上場企業は最低年1度、決算日から5ヶ月未満にサステナビリティ報告書を提出しなければならない。報告書に記載する内容は、(1)重要なESG要素、(2)サステナビリティに関する方針、実施内容、成果、(3)目標、(4)報告書の準拠フレームワーク、(5)取締役会の宣言の5項目。報告書の中で、5項目のいずれかひとつでも記載しない場合は、「Comply or Explain」の原則に基づき理由を説明しなければならない。同取引所は作成ガイドも発行していく予定で、その内容にも基づかなければならない。サステナビリティ報告書のガイドラインとしては、GRIのものが世界的に浸透しているが、同取引所は今回、特定のガイドラインを推奨することはせず、企業の選択に委ねるとした。報告書の第三者保証は必須ではないが、過去からサステナビリティ報告書を発行している企業に対し、第三者保証は「有益であろう」と言うに留めた。

 1月からのパブリックコメントを通じていくつか変更点もあった。まず、今回の新制度導入に基づく初回のサステナビリティ報告書提出は、2017年12月31日以降に決算を迎えたときが初年度となり、初回に限り決算日から12ヶ月以内に提出すればよいこととなった。また、1月発表時に記載項目であった「コンプライアンス宣言」は「取締役会の宣言」に変更となり、取締役会が企業のサステナビリティ行動について記述する内容に改められた。別の記載項目である「ESG要素」の記載内容を決定する上では、マテリアリティの原則が採用され、企業が腐敗やダイバーシティといった項目を重要でないと判断した場合、記載しなくてもよい。しかし、各方面のステークホルダーの関心に応えるため、企業は除外した要素の内容をウェブサイトには記載したほうがよいと推奨している。

 同取引所は今後、新制度の理解促進のため、CEOを招いて概要説明会を実施し、全ての上場企業のCEOらに対し報告能力を向上させるためのトレーニングを行う予定。サステナビリティ報告のコンサルタントによるトレーニングでは、グローバル・コンパクト・ネットワーク・シンガポール(GCNS)と協同し、オンライン上でのトレーニング機会も提供される予定。詳細は後日発表される。

【参照ページ】SGX launches Sustainability Reporting Guide and rule; will provide training and tools to companies
【関連ページ】シンガポール証券取引所、Comply or Explainに基づくサステナビリティ情報開示規則を検討

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