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【閑話休題】 65歳以上の6人に1人が一人暮らし (平成27年国勢調査 抽出速報集計結果) 2016/08/17 ESGコラム

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 2016年6月29日に総務省は平成27年国勢調査(抽出速報集計結果)を公表した。

抽出速報集計とは

 抽出速報集計は、2016年10月以降に順次公表する人口等基本集計など(全数集計)に先立ち、国勢調査の全ての調査事項に関する主要な統計表を早期に提供する目的で行われるもので、集計は全世帯の約100分の1を抽出し実施されている。

 抽出速報集計結果から、人口構造、就業状況および世帯状況の現状と問題点が確認できる。そして、多方面にわたる課題、そして早急に実行しなければならない少子化対策、雇用対策および医療・介護対策等が浮き彫りにされている。

(1)我が国の人口は減少段階に入った。(過去5年間で約100万人減少)

(2)65歳以上の割合が過去最高(26.7%)、15歳未満の割合が過去最低(12.7%)となり、少子高齢化が一層進んだ。

(3)初めて、全都道府県において65歳以上の割合が15歳未満の割合を上回った。

(4)65歳以上人口の割合は世界で最も高い水準

(5)「未婚」の割合は、女性(15歳以上女性の22.9%)より男性(15歳以上男性の31.6%)が高く、「死因」、「離別」の割合は、女性が高い。

(6)労働力人口も逓減し、6,000万人割れ目前(過去5年間で約300万人減少)

(7)女子の就業状況では「パート・アルバイト・その他」等非正規雇用が雇用者全体の半数以上

(8)「医療・福祉」従事者が逓増傾向。「建設業、製造業」は逓減傾向。

(9)東京の昼間人口は夜間人口と比較し250万人ほど多く、1,600万人に膨らんでいる。(一極集中)

(10)世帯の家族類型は「単独世帯」が最も多い

(11)65歳以上の6人に1人は一人暮らし(16.8%)

(12)老人ホーム等の居住者が急増(過去5年間で1.4倍)

 以下、平成27年国勢調査(抽出速報集計結果)の概要。

概要

1.人口構造

(1)男女別総人口

  • 我が国の人口は、2015年10月1日現在、1億2,711万人。
  • 1920年の調査開始以来、初めての減少(前回調査の2010年から94万7,000人減少(0.7%減)、年平均0.15%減)
  • 総人口を男女別にみると、男性6,182万9,000人(総人口の48.6%)、女性6,528万1,000人(総人口の51.4%)となっており、女性が345万2,000人多い。

(2)年齢別人口

  • 総人口に占める65歳以上人口の割合は23.0%から26.7%に上昇
  • 15歳未満人口は1,586万4,000人(総人口の12.7%)、15~64歳人口は7,591万8,000人(同60.6%)、65歳以上人口は3,342万2,000人(同26.7%)
  • 65歳以上人口の割合は、調査開始以来最高

 65歳以上人口の割合は世界で最も高い水準。

  • 総人口に占める65歳以上人口の割合を諸外国と比べると、我が国(26.7%)はイタリア(22.4%)およびドイツ(21.2%)よりも高く、世界で最も高い水準

 65歳以上人口の割合は秋田県が33.5%と最も高く、沖縄県が19.7%と最も低い。また、全都道府県で65歳以上人口の割合が15歳未満人口の割合を初めて上回った。

  • 65歳以上人口の割合が最も高いのは、秋田県(33.5%)、次いで高知県(32.9%)、島根県(32.6%)。一方、最も低いのは、沖縄県(19.7%)、次いで東京都(22.9%)、愛知県(23.8%)
  • 沖縄県で、65歳以上人口の割合(19.7%)が、15歳未満人口の割合(17.2%)を上回り、全都道府県で65歳以上人口の割合が15歳未満人口の割合を初めて上回る

(3)配偶関係

  • 「未婚」の割合は男性が高く、「死因」および「離別」の割合は女性が高い。
  • 男女別15歳以上人口の配偶者関係別にみると、男性は、「未婚」が1,613万1,000人(15歳以上男性の31.6%)、「有配偶」が3,126万9,000人(同61.3%)、「死別」が165万4,000人(同3.2%)。女性は、「未婚」が1,272万8,000人(15歳以上女性の22.9%)、「有配偶」が3,145万7,000人(同56.6%)、「死別」が800万4,000人(同14.4%)。

2.人口移動の状況

(1)居住期間

  • 出生時から現在の場所に住んでいる者の割合は福井県が24.8%と最も高く、北海道が9.2%と最も低い。

(2)移動状況

  • 転入の割合は東京都が9.5%と最も高い

3.就業者等の状況

(1)労働力人口

  • 労働力率は2010年に引き続き男性で低下、女性で上昇
  • 女性の労働力率は、25~29歳で比較可能な1950年以降初めて8割超
  • 15歳以上人口の労働力率は59.8%、前回に比べると、1.4ポイント低下
  • 男女別でみると、男性が70.8%、女性が49.8%で、前回に比べると、男性が3.0%低下しているのに対し、女性は0.2%上昇

(2)就業上の地位

  • 男性は「正規の職員・従業員」が64.4%と最も高い
  • 女性は「パート・アルバイト・その他」が43.0%と最も高い
  • 20歳から39歳までは男女ともに「正規の職員・従業員」が最も高いが、女性は40歳以上で「正規の職員・従業員」より「パート・アルバイト・その他」が高くなる

4.通勤・通学人口

 昼夜間人口比率は、東京都が118.1と最も高い。

  • 昼間人口では東京都が1,595万6,000人と最も高く、次いで大阪府が923万4,000人
  • 昼夜間人口比率では東京都が118.1、次いで大阪府が104.5、一方、埼玉県が88.5と最も低く、次いで千葉県および奈良県が89.8となっている。

 東京都への流入が最も多いのが神奈川県で、流入人口の36.6%。

  • 東京都への流入人口は295万1,000人、その内訳は神奈川県から36.6%、埼玉県から32.5%、千葉県から24.2%となっている。

5.産業・職業

 「医療、福祉」に従事する者の割合は前回調査に引き続き上昇。

  • 15歳以上就業者について、産業大分類別の割合をみると、「卸売業、小売業」が16.5%と最も高く、次いで「製造業」が15.7%、「医療、福祉」が12.2%

 「卸売業、小売業」に従事する者の割合は大阪府で高い。

  • 都道府県別にみると、「卸売業、小売業」は大阪府で18.6%、「製造業」は滋賀県で25.7%、「医療、福祉」は高知県で17.6%と第1位である
  • 「建設業」は福島県で11.3%と全国平均7.6%を上回っている

6.世帯の状況

(1)世帯数、世帯規模

  • 一般世帯は5,187万7,000世帯、1世帯当たり人員は2.39人で前回に引き続き減少
  • 世帯人員が1人の世帯が1,684万5,000世帯と最も多く、一般世帯の3割を超える
  • 4人以上の世帯は減少傾向

(2)都道府県別の世帯、世帯規模

  • 一般世帯の1世帯当たり人員は山形県が2.87人と最も多い
  • 山形県に次いで福井県が2.85人、富山県が2.83人
  • 一方、東京都が2.03人と最も少なく、次いで北海道が2.15人、高知県が2.24人

(3)世帯の種類・家族類型

 最も多い世帯の家族類型は「単独世帯」(世帯人員が1人の世帯)。

 65歳以上男性の8人に1人、女性の5人に1人、65歳以上の6人に1人は一人暮らし。

  • 65歳以上人口3,342万2,000人のうち、単独世帯(世帯人員が1人の世帯)の人口は562万6,000人(16.8%)、男性が12.5%、女性が20.1%
  • 老人ホーム等に居住する「社会施設の入所者」は168万5,000人で、前回の約1.4倍
  • 病院、療養所の入院者は44万3,000人と、減少傾向

(4)住居

 「持ち家」の割合は63.6%に上昇

  • 住宅に住む一般世帯を住宅の所有の関係別にみると、「持ち家」、「民営の借家」、「公営の借家」、「給与住宅」「都市再生機構・公社の借家」などとなっている。

【参考資料】
平成27年国勢調査抽出速報集計結果要約
平成27年国勢調査抽出速報集計結果結果の概要(第1部 結果の解説)
平成27年国勢調査抽出速報集計結果結果の概要(第2部 主要統計表)

QUICK ESG研究所 菅原晴樹

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