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【機関投資家】GPIF「平成27年度業務概況書」について <第2部 年金積立金管理運用独立行政法人について> 2016/08/31 ESGコラム

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第2部 年金積立金管理運用独立行政法人について

1.中期目標・中期計画

(1) 中期目標管理法人

 2015年4月1日に施行された独立行政法人通則法により、独立行政法人は、「中期目標管理法人」、「国立研究開発法人」および「行政執行法人」の3類型に分類され、GPIFは「中期目標管理法人」に分類された。

(2) 中期目標・中期計画

 主務大臣(GPIFの場合は厚生労働大臣)は、3年以上5年以下の期間において中期目標を定め、中期目標管理法人に指示する。指示を受けた法人は、当該目標を達成するための計画(中期計画)を作成し、主務大臣の認可を得なければならない。

(3) 中期目標期間

 第1期はGPIFが設立された2006(平成18)年度から2009(平成21)年度までの4年間、第2期が2010(平成22)年度から2014(平成26)年度、そして第3期が2015(平成27)年度から2019(平成31)年度の5年間である。いずれも最終年度は、年金制度について5年に一度実施される財政検証の年となっている。

(4) 年金積立金の管理および運用の基本的な方針

 年金積立金の運用は、厚生年金保険法第79条の2および年金積立金管理運用独立行政法人法第20条第2項等に規定される「専ら厚生年金保険の被保険者の利益のために、長期的な観点から安全かつ効率的に行うことにより、将来にわたって年金事業の運営の安定に資することを目的とし、年金積立金の管理および運用の具体的方針を策定して行う」こととされている。

 これを受けて、中期計画では、分散投資を基本として、長期的な観点からの資産構成割合(基本ポートフォリオ)を策定することが定められている。

 なお、第3期中期計画では、2015年10月の厚生年金一元化を踏まえて、基本ポートフォリオの策定に当たっては、管理運用主体(GPIFおよび3共済)が共同して定めるモデルポートフォリオを参酌することになっている。

(5) 運用の目標、リスク管理、透明性の向上等

 第3期中期目標では、原則としてパッシブ運用とアクティブ運用を併用すること。ただし、アクティブ運用については過去の運用実績も勘案し、超過収益が獲得できるとの期待を裏付ける十分な根拠を得ることを前提に行うこと、株式運用においては収益確保のため非財務的要素であるESG(環境、社会、ガバナンス)を考慮することについて検討することなどが定められた。

(注)本文中、下線はQUICKが付したものです。

(6) 長期的な観点からの資産の構成(基本ポートフォリオ)

 2014(平成26)年10月1日から、第2期中期計画を変更し、基本ポートフォリオを次のように定め、第3期中期計画においても継続している。

 国内債券35%(±10%)、国内株式25%(±9%)、外国債券15%(±4%)、外国株式25%(±8%)

(7) 年金積立金の管理および運用に関し順守すべき事項

 株主等の長期的な利益の最大化を目指す観点から、株主議決権の行使等の適切な対応を行うこと、その際、日本版スチュワードシップ・コードを踏まえ、スチュワードシップ責任を果たす上での基本的な方針に沿った対応を行うこと、また、企業経営等に与える影響を考慮し、株式運用において個別銘柄の選択は行わないことが定められている。

(8) 管理および運用能力の向上、業務運営の効率化等

 高度で専門的な人材の受入れに伴う環境整備を図ることとした。

 オルタナティブ投資に関するリスク管理を含めたポートフォリオ全体のリスク管理システムについて、費用対効果を勘案した上で、自ら開発することを含めて検討することとした。

2.投資原則・行動規範

 GPIFでは、運用委員会からの建議を踏まえ、内部統制の強化の一環として、2015(平成27)年3月に「投資原則」および「行動規範」を策定した。

(1) 投資原則

① 年金事業の運営の安定に資するよう、専ら被保険者の利益のため、長期的観点から、年金財政上必要な利回りを最低限のリスクで確保することを目標とする。

② 資産、地域、時間等を分散して投資することを基本とし、短期的には市場価格の変動等はあるものの、長い投資期間を活かして、より安定的に、より効率的に獲得し、併せて、年金給付に必要な流動性を確保する。

③ 基本ポートフォリオを策定し、資産全体、各資産クラス、各運用受託機関等のそれぞれの段階でリスク管理を行うとともに、パッシブ運用とアクティブ運用を併用し、資産クラスごとにベンチマーク収益率(市場平均収益率)を確保しつつ、収益を生み出す投資機会の発掘に努める。

株式投資においては、スチュワードシップ責任を果たすような様々な活動を通じて被保険者のために中長期的な投資収益の拡大を図る。

(注)本文中、下線はQUICKが付したものです。

(2) 行動規範

① 社会的な使命

② 受託者としての責任

③ 法令等の遵守と高い職業倫理の保持

④ 秘密保持義務の遵守と保有財産の保護

⑤ 自己または第三者の利益追求の禁止

⑥ 公正な取引

⑦ 適切な情報開示

⑧ 個人の働きと組織の発展

⑨ 違法行為、不正行為の報告

3.組織・内部統制体制

(1)組織

① GPIFの役職員は2016(平成28)年4月1日現在、役員は理事長、理事2名、監事2名(うち1名は非常勤)の5名および職員は91名(うち非常勤1名)となっている。

② 組織は総務部、企画部、運用リスク管理室、情報システム部、投資戦略部、運用管理室、市場運用部、オルタナティブ投資室およびインハウス運用室と理事長直属の監査室が設置されている。

(2)内部統制体制

① GPIFは「内部統制の基本方針」を定め、これに基づき、業務の有効性および効率性を確保するための体制、法令等の順守体制、損失危機管理の体制、情報保存管理の体制、財務報告等の信頼性確保の体制を整備している。

4.運用委員会

(1)運用委員会は、委員11名以内で厚生労働大臣が任命することになっている。

(2)2016(平成28)年6月30日現在 新井東京大学名誉教授を委員長として7名の委員で構成されている。

(3)運用委員会の下には「ガバナンス会議」が設けられている。

【参考資料】
平成27年度業務概況書(2016年7月29日 GPIF公表)
平成27年度業務概況書の概要(2016年7月29日 GPIF公表)
平成27年度業務概況書 高橋理事長会見説明資料(2016年7月29日)
平成27年度運用状況(2016.07.29 GPIF公表)

QUICK ESG研究所 菅原晴樹

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