Sustainable Japan QUICK ESG研究所

【オーストラリア】公正取引委員会、排ガス不正事件でVW社を訴訟する動き 2016/09/14 ESG

canberra

 オーストラリア公正取引委員会(ACCC)は9月1日、昨年のフォルクスワーゲンによる排ガス不正問題を受け、ドイツ本社およびオーストラリア子会社のフォルクスワーゲン・グループ・オーストラリア社をオーストラリア連邦裁判所に提訴する手続きに入った。これまでオーストラリアでは、民間レベルの集団訴訟は起こされていたが、公的機関による訴訟はなされていなかった。

 オーストラリア公正取引委員会の主な訴訟内容は、(1)ドイツ本社が2011年から2015年にわたり、不正なソフトウェアを利用し、一般車道の運転時と研究所内でのテスト走行時のNOx排出量データを改ざんしたこと、(2)本社およびオーストラリア子会社がオーストラリアの規制に合致したかのように見せかけたこと、(3)本社が提供する情報に基づき、オーストラリア子会社が環境にやさしい車種であることを謳いマーケティング活動を実施したこと、としている。これにより当局は、各種申請、罰金、修正広告、事実の公表と費用支払いを求めている。

 オーストラリアでは、国際基準を取り入れた「オーストラリア・デザイン・ルール(ADRs)」と呼ばれる規制により、自動車によるNOx排出を規制している。同ルールでは、NOxは呼吸器疾患を引き起こす可能性があり、とりわけ子供や高齢者、すでに呼吸器疾患を持つ患者など、こうした症状に弱い立場の人々に有害だと位置づけれている。

 フォルクスワーゲン社は販売台数で世界第2位の自動車メーカー。性能に定評があり、環境規制に厳しい技術立国のドイツ本社であったことからも、この不正問題は世界に波紋を起こした。現在、オーストラリアをはじめカナダ、イタリア、韓国など、各国で集団訴訟が行われており、そのうち米国では今年6月に約1.5兆円(147億米ドル )の和解金で決着がついた。ユーザーへの対応のみならず、公的機関による訴訟等、今後も同社は依然厳しい対応に追われている。

【参照ページ】ACCC takes action against Volkswagen over diesel emission claims
【機関サイト】Australian Competition and Consumer Commission

QUICK ESG研究所

Facebookコメント (0)

ページ上部へ戻る