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【RI 特約記事】GPIFのCIOが国連責任投資原則(PRI)の理事に立候補 2016/09/29 ESG

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 本稿は、レスポンシブル・ インベスターの掲載記事をQUICK ESG研究所が翻訳したものです。

 135兆円(1兆ユーロ)の公的年金の運用を行う年金積立金管理運用独立法人(GPIF)の理事兼CIOの水野弘道氏が、国連責任投資原則(PRI)のボード(理事)メンバーとなることが確実となったようだ。

 同ポストの選考は、今月(2016年9月)後半に開始し、アセット・オーナー代表枠の2つの空きポストに対し立候補しているうちの一人が水野氏であり、スウェーデン AP2基金のEva Halvarsson氏がもう一人の候補者である。

 PRIは、2つの空きのポジションに二人の立候補者である事に対し、「自動的にDirectorに任命されるという訳ではない」とし、選任には各候補者がアセット・オーナーによる電子投票で過半数の承認を得る必要がある、と話す。

 現PRIボードメンバーである英国ウェスト・ミッドランド年金基金のMark Chaloner氏は、3年任期の2年目となる12月にボードから降りる。

 PRIは、「結果的にPRIのボードは、2016年8月、既に公表していた1席に加えてアセット・オーナー代表枠の1席を選考に追加することを決めた。」と言う。

 水野氏は、米国最大の年金基金であるカリフォルニア州職員退職年金基金(CalPERS)の推薦を受けている。

 彼は立候補声明で「GPIFでCIOの職に就いて以来、国内外の運用においてESG課題への考慮を強力に支持してきた」「世界最大の年金基金であるGPIFは、‘ユニバーサル・オーナー’の完璧な例である。GPIFは日本の株式市場の8%、世界の株式市場では1%にあたる資産を運用している。企業の持続可能性は、直接的、間接的に重大な影響をもつ」と述べた。

 GPIFは昨年9月にPRIに署名しており、プライベート・エクイティ投資会社コラー・キャピタルの前パートナーでもある水野氏は「GPIFの署名は日本のアセット・オーナーにおけるESG議論を促進させ、以来、4つのアセット・オーナーが署名に追随した」と話す。

 強い影響力を持つGPIFは現在、全ての外部委託運用会社に対し、PRIへの署名もしくは、なぜ署名しないかの説明を求めている。

 水野氏はPRIのアセットオーナー・アドバイザリー委員会のメンバーであり、Milken InstituteのGlobal Capital Markets Advisory Councilの共同議長および、Japanese Government Strategic Funds Integrated Advisory Committeeの理事も務めている。「願わくは私の経験とアジアにおけるネットワークにより、UN-PRIがアジアの投資家コミュニティに広く受け入れられるよう後押しをしたい。」と述べた。

 水野氏の立候補声明には、同氏がGPIFにおいて2015年3月から対応しているESGイニシアチブが掲載されており、スチュワードシップを具現化する投資原則の策定と、専任のESGチームの立ち上げが含まれている。直近において、水野氏は日本株を対象としたESG指数の公募および「企業・アセットオーナーフォーラム」開催において、主導的役割を果たした。

 Halvarsson氏はスウェーデンの保険相互会社であるLänsförsäkringarからの推薦を受けており、責任ある農地投資原則の設立やAP2基金におけるダイバーシティの推進といった業績が言及された。Halvarsson氏は、「世界各地においてESGはより一層‘の衛生要因(※)となっており、それぞれの組織にとってESGは重要なタスクとなると考えている。また、PRIは多くの異なるステークホルダーがいかに持続可能な世界の実現に貢献するかという議論に積極的に関わっており、PRIがその実践を促進させうる良い例として、カタリスト(媒介者)になりうるのである。」と述べた。

 理事の選考に関しては、アセットオーナー枠とは別に、サービスプロバイダー代表枠のポジションに1席空きがあり、Pacific Risk Advisors社のCEO James Pearson氏と、Vigeo EIRIS社のDirector of International Affairsを勤めるPeter Webster氏が立候補している。

 選考は9月26日から11月11日に実施され、結果は11月14日の週に公表される予定である。

(※)衛生要因とは、米国の臨床心理学者フレデリック・ハーズバーグ(Frederick Herzberg)が提唱した概念で、企業において従業員の満足・不満足を引き起こす要因の一つと考えられるもの。(QUICK ESG研究所 補足)


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【参照ページ】
Japan pension investment chief in running for seat on board of Principles for Responsible Investment(執筆日:2016年9月15日)

Daniel Brooksbank, Responsible Investor (翻訳:QUICK ESG研究所)

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