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【RI 特約記事】PRIは成果の上がらない署名機関を除名する計画 2016/10/18 ESG

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 本稿は、レスポンシブル・ インベスターの掲載記事をQUICK ESG研究所が翻訳したものです。

 国連が支援する責任投資原則(以下PRI)は、署名機関の中で、6つの原則の実践がなく改善の進捗が明らかでない場合、その署名機関を除名することを決定した。PRIのマネージング・ディレクターを務めるFiona Reynolds氏は2016年9月6日、シンガポールにて開催された年次総会において、PRIは1,500の署名機関を対象に、進捗のない署名機関の監視リストを作成すると述べた。また、「あなた方は、ただそこに座っているだけということはできない。」と参加者に伝えた上で、監視リストに載った機関は2年以内に状況を改善しなければならないと付け加えた。

 今回の動きは、運用資産60兆米ドルに上る署名機関が名を連ねるPRI本体が広範囲に及ぶ話し合いを重ねた結果によるものである。予想外にもReynolds氏は、報告と評価(Reporting & Assessment )制度の中で「ランダムに監査」することを発表した。また、署名機関はPRIの精神にそぐわない罰金や他の規制による制裁措置を受けた場合も除名となる。

 Reynolds氏は、これまで議題にのぼっていた金融システム全体の持続可能性に係る「7つ目の原則」について、機能が懐疑的と考える向きが多く、この話はなくなるであろうと打ち明けた。また、Reynolds氏によると、「ゴールド」「シルバー」「ブロンズ」といった基準も、「署名機関が希望しなかった」ため廃止された。彼女は、署名機関の年次表彰や署名機関に課されている年次報告書(R&Aレポート)の独立した検証の可能性に関するアイディアも提案した。

 その他、責任投資の早期段階にある機関向けの仮メンバーシップという選択肢が新しい特徴としてあげられる。

 さらに、PRIは今後、サステナブルな金融システムを促進しているかという観点から、署名機関の行動に関する情報収集を始める。また、国連の持続可能な開発目標(SDGs)をPRIの活動に組み入れる試みについても言及し、アドバイザリー委員会設置や、SDGs関連投資案件の構築などが検討される。

 Reynolds氏は、「我々は国連のパートナーや国連環境計画(UN Environment Programme)、国連グローバル・コンパクト(UN Global Compact)とともに数多く連携していく」と加えた。彼女は会場となったマリーナ・ベイ・サンズに集まった参加者に対し、今後、報告の枠組みは投資プロセスのみならず、「結果と影響」により主眼をおくことを伝えた。他の報告の枠組みとの「連携強化」も予想されている。

 その他の変化としては、サービス・プロバイダーもPRIへの報告義務が出てくる。パイロット版は来年実施され、2018年に義務化する。

 PRI議長のMartin Skancke氏もReynolds氏のコメントに同調し、「実在する成果」に対する署名機関の行動を結び付け、話を進めた。

 PRIはアセット・オーナーの発展を目的としているが、「除名制度を通じていったん署名機関数や署名機関の運用するAUMの点で後戻りすることは、さらに前進するために必要なことだと受け止めている。」とReynolds氏は述べた。


 レスポンシブル・インベスターは、第6回RIアジアを2017年4月25日、26日、東京証券取引所にて開催いたします。

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【関連ページ】Principles for Responsible Investment confirms plans to de-list underperforming signatories (執筆日 2016年9月6日)

Responsible Investor, Daniel Brooksbank  (翻訳:QUICK ESG研究所)

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