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【RI 特約記事】投資家による持続可能な開発目標(SDGs)に従ったインパクト投資へのコミットメント 2016/10/19 ESG

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 本稿は、レスポンシブル・インベスターの掲載記事をQUICK ESG研究所が翻訳したものです。

 オランダおよびスウェーデンの年金基金および資産運用機関は共同で、「山積する社会および環境課題」に対応するために投資意思決定のフレームワークとして「持続可能な開発目標(SDGs)」を活用すると宣言し署名した。

 署名機関には、スウェーデンの年金基金であるAP1、AP2、AP3、AP4およびオランダの資産運用機関であるPGGMおよびAPGが含まれ、「社会・環境へのポジティブな影響の創出を支援する」として、SDGsの結果に貢献し、現状のリスク・リターンの要求レベルに合ったベンチャー企業への投資をコミットした。
このイニシアティブを提起したレターには「機関投資家として、年金基金の資産をこれらの目標を達成するために投資し、スケールを拡大していくことが必要不可欠である」と書かれている。署名機関が”SDGs”を言い換えた「持続可能な開発投資(SDIs)」にはインパクトの評価は要求されていない。しかし、レターは報告義務を負わない企業に対し、標準化されたインパクト評価と報告方法の採用を強く推奨している。「インパクト評価が可能な代替指標を活用していかなければならないと考えている。たとえば、ある特定分野の問題解決により計上される売上といったものだ。(数字化、標準化することにより)目に見える形で、常にインパクトを把握できるよう推し進めていく予定だ。」とレターは続けている。

 署名機関はSDGsのフレームワークに含まれる一連のテーマの中で、各社ごとに目標への適合や顧客からの要望、好まれるアセットクラスのタイプによって「特定のテーマ」を選べるようにすると加えた。現状、オランダおよびスウェーデンの機関投資家に限られているが、それ以外の国の機関投資家がイニシアティブに参加する意図や希望もある。さらに、PGGMによって運用されている年金基金のPFZWおよびABPは、持続可能な投資に対し、2020年までに580億ユーロを投資するという意欲的な目標を設定している。これには、「選定された一連のテーマ」に投資される200億ユーロのインパクトを評価するという追加的なマンデートが含まれている。

 レターは、2つの年金基金は、彼らの受益者の利益となるようなサステナブルな投資を促進するために「同じ志を持つ他の投資家と積極的なコラボレーション」を実施するであろうと加えた。PGGMは以前、責任投資のインパクトを適切に評価する必要性について言及している。これは投資家の間でその原則への熱意が広がっているなかで、「SDGウォッシング(SDG-washing)」を避けるためだ。この懸念は、環境要因に対する適切な貢献がないにも関わらず「グリーン」と言われた活動や投資が行われた環境分野における「 グリーンウォッシング(green-washing)」を反映させている。オランダの年金基金でシニア・アドバイザーを勤めるPiet Klop氏はResponsible Investorに対し、こうしたことは資本市場における「現実のリスク」だと語る。Klop氏はまた、投資ファンドの中には既にある金融商品に単にSDGと表示しただけのものもあるという。「評価されないのであれば、インパクトを後押しすることは形だけものとなってしまう」と説明している。

 国連が支援する責任投資原則(PRI)はSDGsをそのガイドラインの一部に組み込む検討をしている。シンガポールで9月に開催されたPRI年次総会でマネージング・ディレクターのFiona Reynolds氏が、単なる投資プロセスというより「結果とインパクト」を報告するフレームワークであることに触れ、こうした計画があることを表明した。

レター署名者の全リスト

APGアセットマネジメント CEO, Eduard van Gelderen氏

PGGM チーフ・インベストメント・マネージャー, Eloy Lindeijer氏

AP1 チーフ・アクティブ・オーナーシップ・オフィサー, Ossian Ekdahl氏

AP2 CEO, Eva Halvarsson氏

AP3 コーポレート・ガバナンス部門ヘッド, Peter Lundkvist氏

MN チーフ・インベストメント・オフィサー, Gerald Cartigny氏

AP4 コーポレート・ガバナンス部門ヘッド, Arne Lööw氏

Actiam CEO, George Coppens氏

Kempen Capital Management CIO, Larse Dijkstra氏


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【関連ページ】
Investors make impact investment commitment according to Sustainable Development Goals (2016年9月9日執筆)

Responsible Investor, Laurie Havelock (翻訳:QUICK ESG研究所)

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