Sustainable Japan QUICK ESG研究所

【SDGs.TV動画記事】スペシャリストに聞くSDGsターゲット 2016/12/06 ESGレポート

本稿は、未来をつくる対話型ファシリテーションメディア「SDGs.TV」掲載の動画記事をQUICK ESG研究所がピックアップし、独自のコメントを加えたものです。

解説映像

私たちは、食料や水、衣服、木材、薬、燃料など、暮らしに必要なありとあらゆるものを自然の恵みから得ています。自然がなくては、暮らしも、経済も成り立ちません。しかし、工業化された社会で暮らす私たちにとっては、生物多様性と日常生活とのつながりが見えにくく、生物多様性が消えつつある状況に無頓着になりがちです。しかし、そんな裏で生物多様性の損失が急速に進んでいます。その最大の要因は、人間の暮らし。現在、種の絶滅のスピードは、過去の絶滅速度と比べて最大1000倍もの速さで進んでいるとも言われています。この状態を放置すれば、私たちの暮らしに影響が及びかねません。例えば、陸域生態系の基盤とも言うべき森林は、建材や紙の原料の供給源でもあるだけでなく、二酸化炭素を吸収したり、大気を冷却し、雨水を地面に吸収するといった多面的な機能を持っています。それが大きく失われてしまうと、気候変動にも影響します。森林は、一度伐採してしまったら、何十年もの年月をかけなくては再生しません。森林の持続可能な管理は、陸域生態系の保全・復元を考える上で非常に重要な課題なのです。世界では、持続可能な森林管理を推奨する認証制度がつくられ、各国政府や行政機関、企業における調達基準として採用されています。森林はまた、先住民族や小規模農家といった現代社会では弱い立場にある人たちの生活の場でもあります。彼らは、私たちの暮らしに関わりの深い化粧品や医薬品の原材料となることもある多様な動植物の生息地の近くで暮らしていますが、グローバル企業によるこうした遺伝資源の収奪により、彼らの伝統的な知恵や生活を支える術が奪われる例が後を絶ちません。こうしたことは生物多様性の消失に直結しかねないため、本目標は「遺伝資源への適切なアクセスとともに、遺伝資源の利用から生じる利益の公正かつ衡平な配分を推進すること」をうたっています。最近では、遺伝資源を原材料に使用するグローバル医薬品会社や生活用品会社が、製品の販売から得られた利益を原材料生息地のコミュニティの生活向上に還元するプロジェクトを立ち上げたりする動きも目立ってきました。私たちが日常生活を営む中で、生物多様性の消失に関わる影響が表面化してしまってからでは、もう遅すぎます。まずは、自分たちの暮らしと生物多様性の関係に意識を向けていくことから始めたいものです。

足立 直樹 氏
レスポンス・アビリティCEO
国立環境研究所で熱帯林の研究に従事。マレーシア森林研究所(FRIM)勤務の後、コンサルタントとして独立し、現在は株式会社レスポンスアビリティ代表取締役、一般社団法人 企業と生物多様性イニシアティブ(JBIB) 理事・事務局長を務める。多くの先進企業に対して、事業を持続可能にする長期経営計画作りとその実行支援、さらには社会を持続可能にすることに資する事業(CSV)を通じてのブランディング構築(サステナブル・ブランディング)の支援を行う。

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QUICK ESG研究所コメント
企業のとって目標はニーズであり、 新しいマーケットを開拓するチャンスでもある。

レスポンス・アビリティCEO 足立直樹

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