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【アメリカ】SCSのサステナビリティ農業認証がGSCP認定を取得。農業認証では全米初

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 米国カリフォルニア州にグローバル本部を置くサステナビリティ認証機関、SCS Global Services(SCS)は12月14日、同社が提供している農作物向けのサステナビリティ認証「Sustainably Grown certification program」が、食品・消費財分野で国際的なサステナビリティ調達基準を策定しているGSCP(グローバル・ソーシャル・コンプライアンス・プログラム)のEquivalence Process(基準の適格性を判定するプロセス)を受け、平均「A」判定を取得したことを発表した。これにより、「Sustainably Grown certification program」はGSCP基準を満たす、全米初の農業分野のサステナビリティ認証プログラムとなった。

 「Sustainably Grown certification program」は、2003年に策定されたサステナビリティ農業認証で、現在まで世界で幅広い企業に認証が取得されている。2016年始めには第2版である「バージョン2」の運用が始まり、さらに2017年1月からは最新版の「バージョン2.1」の導入が始まっている。サステナビリティ認証の世界では、世界各地で新たな認証が続々登場しており、認証の正当性評価を受けるために、認証の正当性を判定するGSCP認定を受ける認証提供機関が増えている。「Sustainably Grown certification program」を運営するSCSも、バージョン2への改訂時からGSCP認定を目指し、差サプライチェーンのサステナビリティ・ベストプラクティスをまとめたGSCPのガイドライン基準「GSCP Reference Code」が示す公平な労働環境や労働者の権利に関するフレームワークや、社会的活動の監査システムに関する他の国際的なベストプラクティスを参照してきた。そして今回無事に認定を受けることができた。

 一方、GSCPは、世界最大の消費財業界団体である「CGF(The Consumer Goods Forum)」2006年に設立した組織。もともとは食品・消費財分野でのサステナビリティに関するサプライチェーン監査サービスを提供していたが、現在ではベストプラクティスをまとめたガイドライン基準「GSCP Reference Code」の策定・公表や、業界や企業のイニシアチブや認証・基準の正当性を判定する「Equivalence Process」サービスを提供している。GSCPに加盟している企業は、欧米の小売大手、米ウォルマート、英テスコ、英マークス・アンド・スペンサー、仏カルフールや、消費財大手ユニリーバ、食品大手スイスのバリーカレボー、アパレル大手の独ヒューゴボス、ベルギーC&A、米ウォルトディズニーや、日本のヤマダ電機など。同社のサプライチェーン監査サービスは米ウォルマートなどが活用しており、GSCP監査を取引基準としている企業も少なくない。

 GSCPが提供する「Equivalence Process」には、イニシアチブや認証の判定基準のタイプより5種類ある。今回SCSの「Sustainably Grown certification program」が受けたのは、そのうち「GSCP Reference Code」と「Audit Process and Methodology Reference Tools」の2つ。判定結果は平均「A」(最高位はA+、Aは上から2番め)と高い評価だった。他に「Equivalence Process」を受けている企業イニシアチブには、アディダス、カルフール、HP、テスコ、マークス・アンド・スペンサー、スターバックスなどが、同じく同プロセスを受けた認証機関にはSAI、SAN、SGSなどがある。

 今回「Sustainably Grown certification program」はGSCP認定を受けたことで、デンマークの官民及び市民団体が結集するサステナビリティ貿易イニシアチブ「Sustainable Trade Initiative」が農作物分野に対して始めた取組「SIFAV:Sustainability Initiative Fruits and Vegetables」より早速、サステナビリティ認証として認めるという連絡を受けた。もともとデンマーク企業のみで20120年に開始したSIFAVには、すでにベルギー、デンマーク、ドイツ、スウェーデン、スイス、英国などからも参加企業や団体が現れており、国境を超えた取り組みとなっている。SIFAVから認可されたことで、「Sustainably Grown certification program」認証のもとで生産された農作物は、SIFAVのもとで売買・取引できるようになる。

 このようにサステナビリティ・サプライチェーンの取組には、他の認証やイニシアチブ基準を採り入れていることが多く、ひとつの認証を受けるということは、他のイニシアチブにも波及的な影響を生む。またそれぞれのイニシアチブや認証自身もバージョンパップ(改訂)を繰り返すことで、関係性が掴みづらくなる。サプライチェーン調達を本気で実施してくためには、個別の認証の動きに振り回されることなく、より厳しい認証の基準を参照し、「どんと来い」という姿勢が求められる。

【参考ページ】SCS’ Sustainably Grown is First US-Based Sustainable Agriculture Certification Program to Complete GSCP Equivalence Process
【機関サイト】SCS Global Services
【機関サイト】GSCP
【機関サイト】IDH
【機関サイト】SIFAV

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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