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【中国】清華大学、NGO等、一帯一路政策での投資には脱炭素化が必要と警鐘。CO2排出増懸念

 清華大学の金融開発センター(CFD)、英Vivid Economics、米ClimateWorks Foundationの3者は9月2日、中国政府が進める「一帯一路政策」において、脱炭素に向けた強力なアクションが必要だと共同提言した。同発表はパリ協定の目標の達成に向けたもの。目下、一帯一路政策では、12兆米ドル(約1,300兆円)の投資が予定さており、これらの投資を脱炭素に向けたものにする必要があると警鐘を鳴らした。

 今回発表の3者は、中国では多くの資産が国有であり、輸出保証によってリスクが軽減され、国家による環境ガバナンスが低く制約を受けないと指摘。そのため、気候変動リスクの価格反映を行っても、インフラの低炭素化に向けた投資選択は効果を生みづらく、投資の加速は期待できないとした。そこで、一帯一路政策の下でのファイナンスそのものをグリーンファイナンスにすることが最も効果的かつ迅速な手法と提唱。実現に向けた5つのポイントを提示した。

1. 一帯一路政策に参加する国の能力
 一帯一路政策に参加する国の急速な需要増加に応え得るグリーンファイナンスの発展を支援するため、国際プラットフォームの設立を提案。プラットフォームの運営者としては国連を例示した。

2. 対外投資に向けた中国の行動
 中国が国内に課す環境アセスメント要件を一帯一路政策の投資へ拡大し、一帯一路政策に参加する国へ中国の環境評価要件を適用する。

3. 国際グリーン投資
 英シティ・オブ・ロンドン政府と中国金融学会が共同策定した「グリーン投資原則(GIP)」の採用を促進し、さらなる拡大を目指す。

4. 炭素の透明性
 一帯一路政策に参加する国へのインフラ投資が二酸化炭素排出量削減にインパクトを与えることを勘案し、同プロジェクトの気候変動へのインパクトを情報開示する。

5. 国際機構連合
 一帯一路政策に参加する国の低炭素化や気候変動レジリエンスの高い投資を効果的に進めるため、国際的、地域的、二国間等様々な協力スキームを用いた連合体を設立する。

【参考】【国際】一帯一路のためのグリーン投資原則(GIP)に28社署名。日本ではみずほ銀行も(2019年4月30日)

 今回の報告書では、一帯一路政策に参加する17の主要な国について、潜在的な二酸化炭素排出シナリオを作成。「最悪」「通常」「最高」の3つのケースを想定し、国際エネルギー機関(IEA)の2℃シナリオとの比較を行った。その結果、2℃シナリオの実現に向けては、2050年までに同地域のビジネスで想定される二酸化炭素排出量を、「通常」シナリオよりも68%も削減する必要があることが明らかになったという。同報告書では、同地域の開発は2050年までに排出総量に多大な影響を与えると見込む。

【参照ページ】Five-point green finance roadmap proposed for decarbonizing countries involved in Belt & Road Initiative, as report shows investment decisions made now could make or break Paris Agreement targets

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株式会社ニューラル サステナビリティ研究所

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