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【環境】科学者チーム「プラネタリーバウンダリー2023」発表。9項目全てが初めて出揃う

 国際的な科学者チームは9月13日、「プラネタリー・バウンダリー」の2023年改訂版を発表した。9項目全ての評価が初めて出揃った。

 プラネタリー・バウンダリーは、2009年に初版が発行。その後、2014年の改訂版、新規化学物質の評価結果を追加した2022年の改訂版を経て、今回が第4版となる。

 今回の発表は、学術誌「Science Advances」に掲載された論文を通じて行われた。初版から関わっているポツダム気候影響研究所(PIK)所長のヨハン・ロックストローム・ストックホルム大学ストックホルム・レジリエンス・センター環境科学教授は、今回も共同執筆者に名を連ねた。

 今回の2023年版では、気候変動が、温室効果ガス濃度と放射強制力の2つに区分。温室効果ガス排出量だけでなく、放射強制力として大気圏中に熱が篭る状態を作り出している物質も安全圏を大幅に超過していることがみえてきた。

 生物圏の一体性(Biosphere Integrity)では、種の減少だけでなく、生態系サービスの喪失を初めて定量化。こちらも状況が非常に悪いことがみえてきた。世界の農林業が初めて大きく拡大した19世紀後半に、安全圏を突破していた。

 淡水利用では、水系の水(ブルーウォーター)と、土壌や植物に含まれる水(グリーンウォーター)の2つに分類。双方ともに安全圏を超えており、特にブルーウォーターの状況の方が悪いことがわかった。

 前回マイクロプラスチックのリスクを初めてプロットした「新規化学物質(Novel Entities)」では、今回は他にも、内分泌撹乱物質、有機汚染物質、放射性物質、遺伝子組換え生物、進化の人為的改変等のリスクを含めて評価。評価手法では、安全性が未試験の化学物質が放出されている量を採用した。実際には、全ての化学物質の試験状況を把握することや、特定条件下での反応等の影響までをも考慮することが現時点では不可能だが、これまでの研究結果を踏まえ、安全圏を大幅に超過していると結論づけた。

 一方、同じく初めて評価された「大気エアロゾルの負荷」は、安全圏内に留まった。また、海洋酸性化と成層圏オゾンの破壊も前回と同じく安全圏内だった。

 同研究の資金は、欧州研究評議会(ERC)がEUの研究イノベーション・プログラム「ホライゾン2020」を通じ、またドイツ連邦教育研究省(BMBF)が「PIK Change」プログラムを通じて拠出。またカールスバーグ財団、フォルクスワーゲン財団、グローバル・チャレンジ財団も資金拠出した。

【参照ページ】All planetary boundaries mapped out for the first time, six of nine crossed
【論文】Earth beyond six of nine planetary boundaries

 国際的な科学者チームは9月13日、「プラネタリー・バウンダリー」の2023年改訂版を発表した。9項目全ての評価が初めて出揃った。

 プラネタリー・バウンダリーは、2009年に初版が発行。その後、2014年の改訂版、新規化学物質の評価結果を追加した2022年の改訂版を経て、今回が第4版となる。

 今回の発表は、学術誌「Science Advances」に掲載された論文を通じて行われた。初版から関わっているポツダム気候影響研究所(PIK)所長のヨハン・ロックストローム・ストックホルム大学ストックホルム・レジリエンス・センター環境科学教授は、今回も共同執筆者に名を連ねた。

 今回の2023年版では、気候変動が、温室効果ガス濃度と放射強制力の2つに区分。温室効果ガス排出量だけでなく、放射強制力として大気圏中に熱が篭る状態を作り出している物質も安全圏を大幅に超過していることがみえてきた。

 生物圏の一体性(Biosphere Integrity)では、種の減少だけでなく、生態系サービスの喪失を初めて定量化。こちらも状況が非常に悪いことがみえてきた。世界の農林業が初めて大きく拡大した19世紀後半に、安全圏を突破していた。

 淡水利用では、水系の水(ブルーウォーター)と、土壌や植物に含まれる水(グリーンウォーター)の2つに分類。双方ともに安全圏を超えており、特にブルーウォーターの状況の方が悪いことがわかった。

 前回マイクロプラスチックのリスクを初めてプロットした「新規化学物質(Novel Entities)」では、今回は他にも、内分泌撹乱物質、有機汚染物質、放射性物質、遺伝子組換え生物、進化の人為的改変等のリスクを含めて評価。評価手法では、安全性が未試験の化学物質が放出されている量を採用した。実際には、全ての化学物質の試験状況を把握することや、特定条件下での反応等の影響までをも考慮することが現時点では不可能だが、これまでの研究結果を踏まえ、安全圏を大幅に超過していると結論づけた。

 一方、同じく初めて評価された「大気エアロゾルの負荷」は、安全圏内に留まった。また、海洋酸性化と成層圏オゾンの破壊も前回と同じく安全圏内だった。

 同研究の資金は、欧州研究評議会(ERC)がEUの研究イノベーション・プログラム「ホライゾン2020」を通じ、またドイツ連邦教育研究省(BMBF)が「PIK Change」プログラムを通じて拠出。またカールスバーグ財団、フォルクスワーゲン財団、グローバル・チャレンジ財団も資金拠出した。

【参照ページ】All planetary boundaries mapped out for the first time, six of nine crossed
【論文】Earth beyond six of nine planetary boundaries

 国際的な科学者チームは9月13日、「プラネタリー・バウンダリー」の2023年改訂版を発表した。9項目全ての評価が初めて出揃った。

 プラネタリー・バウンダリーは、2009年に初版が発行。その後、2014年の改訂版、新規化学物質の評価結果を追加した2022年の改訂版を経て、今回が第4版となる。

 今回の発表は、学術誌「Science Advances」に掲載された論文を通じて行われた。初版から関わっているポツダム気候影響研究所(PIK)所長のヨハン・ロックストローム・ストックホルム大学ストックホルム・レジリエンス・センター環境科学教授は、今回も共同執筆者に名を連ねた。

 今回の2023年版では、気候変動が、温室効果ガス濃度と放射強制力の2つに区分。温室効果ガス排出量だけでなく、放射強制力として大気圏中に熱が篭る状態を作り出している物質も安全圏を大幅に超過していることがみえてきた。

 生物圏の一体性(Biosphere Integrity)では、種の減少だけでなく、生態系サービスの喪失を初めて定量化。こちらも状況が非常に悪いことがみえてきた。世界の農林業が初めて大きく拡大した19世紀後半に、安全圏を突破していた。

 淡水利用では、水系の水(ブルーウォーター)と、土壌や植物に含まれる水(グリーンウォーター)の2つに分類。双方ともに安全圏を超えており、特にブルーウォーターの状況の方が悪いことがわかった。

 前回マイクロプラスチックのリスクを初めてプロットした「新規化学物質(Novel Entities)」では、今回は他にも、内分泌撹乱物質、有機汚染物質、放射性物質、遺伝子組換え生物、進化の人為的改変等のリスクを含めて評価。評価手法では、安全性が未試験の化学物質が放出されている量を採用した。実際には、全ての化学物質の試験状況を把握することや、特定条件下での反応等の影響までをも考慮することが現時点では不可能だが、これまでの研究結果を踏まえ、安全圏を大幅に超過していると結論づけた。

 一方、同じく初めて評価された「大気エアロゾルの負荷」は、安全圏内に留まった。また、海洋酸性化と成層圏オゾンの破壊も前回と同じく安全圏内だった。

 同研究の資金は、欧州研究評議会(ERC)がEUの研究イノベーション・プログラム「ホライゾン2020」を通じ、またドイツ連邦教育研究省(BMBF)が「PIK Change」プログラムを通じて拠出。またカールスバーグ財団、フォルクスワーゲン財団、グローバル・チャレンジ財団も資金拠出した。

【参照ページ】All planetary boundaries mapped out for the first time, six of nine crossed
【論文】Earth beyond six of nine planetary boundaries

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 国際的な科学者チームは9月13日、「プラネタリー・バウンダリー」の2023年改訂版を発表した。9項目全ての評価が初めて出揃った。

 プラネタリー・バウンダリーは、2009年に初版が発行。その後、2014年の改訂版、新規化学物質の評価結果を追加した2022年の改訂版を経て、今回が第4版となる。

 今回の発表は、学術誌「Science Advances」に掲載された論文を通じて行われた。初版から関わっているポツダム気候影響研究所(PIK)所長のヨハン・ロックストローム・ストックホルム大学ストックホルム・レジリエンス・センター環境科学教授は、今回も共同執筆者に名を連ねた。

 今回の2023年版では、気候変動が、温室効果ガス濃度と放射強制力の2つに区分。温室効果ガス排出量だけでなく、放射強制力として大気圏中に熱が篭る状態を作り出している物質も安全圏を大幅に超過していることがみえてきた。

 生物圏の一体性(Biosphere Integrity)では、種の減少だけでなく、生態系サービスの喪失を初めて定量化。こちらも状況が非常に悪いことがみえてきた。世界の農林業が初めて大きく拡大した19世紀後半に、安全圏を突破していた。

 淡水利用では、水系の水(ブルーウォーター)と、土壌や植物に含まれる水(グリーンウォーター)の2つに分類。双方ともに安全圏を超えており、特にブルーウォーターの状況の方が悪いことがわかった。

 前回マイクロプラスチックのリスクを初めてプロットした「新規化学物質(Novel Entities)」では、今回は他にも、内分泌撹乱物質、有機汚染物質、放射性物質、遺伝子組換え生物、進化の人為的改変等のリスクを含めて評価。評価手法では、安全性が未試験の化学物質が放出されている量を採用した。実際には、全ての化学物質の試験状況を把握することや、特定条件下での反応等の影響までをも考慮することが現時点では不可能だが、これまでの研究結果を踏まえ、安全圏を大幅に超過していると結論づけた。

 一方、同じく初めて評価された「大気エアロゾルの負荷」は、安全圏内に留まった。また、海洋酸性化と成層圏オゾンの破壊も前回と同じく安全圏内だった。

 同研究の資金は、欧州研究評議会(ERC)がEUの研究イノベーション・プログラム「ホライゾン2020」を通じ、またドイツ連邦教育研究省(BMBF)が「PIK Change」プログラムを通じて拠出。またカールスバーグ財団、フォルクスワーゲン財団、グローバル・チャレンジ財団も資金拠出した。

【参照ページ】All planetary boundaries mapped out for the first time, six of nine crossed
【論文】Earth beyond six of nine planetary boundaries