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【アメリカ】新型コロナによる原油価格下落がシェールオイル産業を直撃。30%が実質経営破綻リスク

 新型コロナウイルス・パンデミックの影響を受け、原油・ガスの価格が急落していることを受け、米国でのシェールオイル産業は一層厳しくなってきていることがわかった。コンサルティング会社の調査では、現状の資源価格のままでは、米国で上場しているシェールオイル企業のうち31%が実質的な経営破綻状態にあることが明らかとなった。

 今回のレポートをまとめたのは、コンサルティング大手デロイトの米国法人。石油の需要は、これまでは一貫して毎年数%程度増加していたにもかかわらず、2020年4月には、世界の需要全体の30%に相当する日量3,000万ベレルも減少。原油価格は、シェールオイル事業者の採算となる1バレル当たり50米ドルを大きく下回っており、非常に厳しい状況となっている。

 シェールオイル事業は、2005年に米国で勃興し始め、今年で15周年を迎える。しばらくの間は、米国でのエネルギー自立の観点や米国での大量増産から新産業として大きく注目を集めたものの、実際には利益を出せない体質に陥っている。シェールオイル事業は全体として、4,500億米ドルの投資を呼び込んだにもかかわらず、キャッシュフローが3,000億米ドルのマイナスの状況。2010年以降の倒産件数は190を超える。

 この間も、シェールオイル事業者は、コスト削減努力を続け、損益分岐点を1バレル当たり50米ドルあたりまで引き下げることに成功しているが、原油価格はそれをも遥かに下回る水準に低下してしまっている。石油輸出国機構(OPEC)では、減産による価格の下げ止まりを狙っているが、実際に国際協調がどこまで進まは極めて不透明な状況となっている。

 デロイトは今回のレポートで、この先も原油価格は50米ドルまでは上がる見通しがないことを伝えている。その背景には、テレワークの普及による交通エネルギー需要の低下、ガスの相対的な価格の低下、再生可能エネルギーへの転換、経済保護主義による国際物流の低下の4つを上げた。これらの「ニューノーマル」により、原油価格も50米ドルを下回る状態が「ニューノーマル」になろうとしているという。

 デロイトの分析によると、将来キャッシュフローがプラスに転じない実質的な経営破綻の状態に陥る企業は、原油価格が1バレル35米ドルで31%、20米ドルで49%となる。今後の見通しについては、企業合併による生き残り策が必要となると見方を示した。

【参照ページ】Implications of COVID-19 for the US shale industry

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 新型コロナウイルス・パンデミックの影響を受け、原油・ガスの価格が急落していることを受け、米国でのシェールオイル産業は一層厳しくなってきていることがわかった。コンサルティング会社の調査では、現状の資源価格のままでは、米国で上場しているシェールオイル企業のうち31%が実質的な経営破綻状態にあることが明らかとなった。

 今回のレポートをまとめたのは、

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 新型コロナウイルス・パンデミックの影響を受け、原油・ガスの価格が急落していることを受け、米国でのシェールオイル産業は一層厳しくなってきていることがわかった。コンサルティング会社の調査では、現状の資源価格のままでは、米国で上場しているシェールオイル企業のうち31%が実質的な経営破綻状態にあることが明らかとなった。

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 新型コロナウイルス・パンデミックの影響を受け、原油・ガスの価格が急落していることを受け、米国でのシェールオイル産業は一層厳しくなってきていることがわかった。コンサルティング会社の調査では、現状の資源価格のままでは、米国で上場しているシェールオイル企業のうち31%が実質的な経営破綻状態にあることが明らかとなった。

 今回のレポートをまとめたのは、コンサルティング大手デロイトの米国法人。石油の需要は、これまでは一貫して毎年数%程度増加していたにもかかわらず、2020年4月には、世界の需要全体の30%に相当する日量3,000万ベレルも減少。原油価格は、シェールオイル事業者の採算となる1バレル当たり50米ドルを大きく下回っており、非常に厳しい状況となっている。

 シェールオイル事業は、2005年に米国で勃興し始め、今年で15周年を迎える。しばらくの間は、米国でのエネルギー自立の観点や米国での大量増産から新産業として大きく注目を集めたものの、実際には利益を出せない体質に陥っている。シェールオイル事業は全体として、4,500億米ドルの投資を呼び込んだにもかかわらず、キャッシュフローが3,000億米ドルのマイナスの状況。2010年以降の倒産件数は190を超える。

 この間も、シェールオイル事業者は、コスト削減努力を続け、損益分岐点を1バレル当たり50米ドルあたりまで引き下げることに成功しているが、原油価格はそれをも遥かに下回る水準に低下してしまっている。石油輸出国機構(OPEC)では、減産による価格の下げ止まりを狙っているが、実際に国際協調がどこまで進まは極めて不透明な状況となっている。

 デロイトは今回のレポートで、この先も原油価格は50米ドルまでは上がる見通しがないことを伝えている。その背景には、テレワークの普及による交通エネルギー需要の低下、ガスの相対的な価格の低下、再生可能エネルギーへの転換、経済保護主義による国際物流の低下の4つを上げた。これらの「ニューノーマル」により、原油価格も50米ドルを下回る状態が「ニューノーマル」になろうとしているという。

 デロイトの分析によると、将来キャッシュフローがプラスに転じない実質的な経営破綻の状態に陥る企業は、原油価格が1バレル35米ドルで31%、20米ドルで49%となる。今後の見通しについては、企業合併による生き残り策が必要となると見方を示した。

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