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【ガボン】オーラムとマイティ・アース、FSC認証規定違反でADR仲裁へ。独立調査結果で違反認定

 森林保護推進の国際NGO森林管理協議会(FSC)は5月19日、オーラム・インターナショナルとガボン政府の合弁会社オーラム・パーム・ガボンがFSC認証の規定を違反したと認定した。今後、裁判外紛争解決手続(ADR)による仲裁手続きに入る。

 今回の事案は、国際環境NGOマイティ・アースが、オーラム・パーム・ガボンがFSC認証規範に違反し、森林伐採を行っているとFSCに苦情を申し立てたもの。FSCは、裁判外紛争解決手続(ADR)を開始し、独立評価機関SmartCertに申し立てに関する調査を依頼。調査の結果、違反が認められた。オーラム・インターナショナル側とマイティ・アース側は、双方が調査結果を歓迎している。

 今回の調査では、オーラム・パーム・ガボンが、Moulia Lot 3コンセッションで、森林24,133haと、900haから1,823haのカテゴリー1から4の保護価値の高い非森林地域を、FSC規定に違反する形で皆伐したと結論付けた。マイティ・アースは2016年12月に苦情申立てを行っており、6年をかけて事案が妥結に向けて動き出した。

 一方、オーラム・パーム・ガボンは、調査の結果、2012年1月~2016年12月の間に、ムイラ・ロット1、ムイラ・ロット2、アワラでは、保護価値の高い(HCV)カテゴリーが1から4の1%を占める413haで、パーム油生産のための森林伐採が行われたことが判明したと受け止めた。同時に、同地区の残りの99%は保護されており、ガボンの生態系と生物多様性の保全に対する努力、及びコミュニティに対する継続的なコミットが再確認されたことも強調した。

 また同調査では、人権観点から、自由意思による、事前の、十分な情報に基づく同意(FPIC)の確認も行われていた。調査結果では、オーラム・パーム・ガボンは、地域コミュニティと対話を行い、補償と引換えにコミュニティの事前同意を得ていたと判断。補償の約束の大部分となる85%を履行していることも認められ、マイティ・アースも同意している。しかし、マイティ・アースは、実地訪問時には、資金提供されたインフラの多くは劣化しており、労働者に提供された労働条件も批判されていたと主張している。

 今回の結果を受け、オーラム・インターナショナルとマイティ・アースは、SmartCertの調査で特定された規定違反の懸念に対処するため、仲裁に参加することに合意。FSCが仲介し、ADR組織の任命を進めている。仲裁では、オーラム・インターナショナルの是正措置の内容を決める。

 マイティ・アースとオーラム・インターナショナルは、マイティ・アースが2016年12月に苦情を申し立てて以降、継続的に協議を行ってきた。2017年1月には、世界資源研究所(WRI)が仲介する調停を開始。2017年1月以降は、オーラム・パーム・ガボンは、森林伐採のモラトリアム(停止)を維持している。2017年には、オーラム・インターナショナル、マイティ・アース、NGO連合で森林保全と持続可能な農業で協力することで合意し、共同声明まで発表。2019年5月からFSCのAMR手続きが始まり、その一環で、FSCは2020年4月、SmartCertに独立調査を依頼し、2022年に結果が発表されていた。

【参照ページ】Results of FSC commissioned assessment of allegations made against Olam Palm Gabon

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 森林保護推進の国際NGO森林管理協議会(FSC)は5月19日、オーラム・インターナショナルとガボン政府の合弁会社オーラム・パーム・ガボンがFSC認証の規定を違反したと認定した。今後、裁判外紛争解決手続(ADR)による仲裁手続きに入る。

 今回の事案は、

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 森林保護推進の国際NGO森林管理協議会(FSC)は5月19日、オーラム・インターナショナルとガボン政府の合弁会社オーラム・パーム・ガボンがFSC認証の規定を違反したと認定した。今後、裁判外紛争解決手続(ADR)による仲裁手続きに入る。

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 森林保護推進の国際NGO森林管理協議会(FSC)は5月19日、オーラム・インターナショナルとガボン政府の合弁会社オーラム・パーム・ガボンがFSC認証の規定を違反したと認定した。今後、裁判外紛争解決手続(ADR)による仲裁手続きに入る。

 今回の事案は、国際環境NGOマイティ・アースが、オーラム・パーム・ガボンがFSC認証規範に違反し、森林伐採を行っているとFSCに苦情を申し立てたもの。FSCは、裁判外紛争解決手続(ADR)を開始し、独立評価機関SmartCertに申し立てに関する調査を依頼。調査の結果、違反が認められた。オーラム・インターナショナル側とマイティ・アース側は、双方が調査結果を歓迎している。

 今回の調査では、オーラム・パーム・ガボンが、Moulia Lot 3コンセッションで、森林24,133haと、900haから1,823haのカテゴリー1から4の保護価値の高い非森林地域を、FSC規定に違反する形で皆伐したと結論付けた。マイティ・アースは2016年12月に苦情申立てを行っており、6年をかけて事案が妥結に向けて動き出した。

 一方、オーラム・パーム・ガボンは、調査の結果、2012年1月~2016年12月の間に、ムイラ・ロット1、ムイラ・ロット2、アワラでは、保護価値の高い(HCV)カテゴリーが1から4の1%を占める413haで、パーム油生産のための森林伐採が行われたことが判明したと受け止めた。同時に、同地区の残りの99%は保護されており、ガボンの生態系と生物多様性の保全に対する努力、及びコミュニティに対する継続的なコミットが再確認されたことも強調した。

 また同調査では、人権観点から、自由意思による、事前の、十分な情報に基づく同意(FPIC)の確認も行われていた。調査結果では、オーラム・パーム・ガボンは、地域コミュニティと対話を行い、補償と引換えにコミュニティの事前同意を得ていたと判断。補償の約束の大部分となる85%を履行していることも認められ、マイティ・アースも同意している。しかし、マイティ・アースは、実地訪問時には、資金提供されたインフラの多くは劣化しており、労働者に提供された労働条件も批判されていたと主張している。

 今回の結果を受け、オーラム・インターナショナルとマイティ・アースは、SmartCertの調査で特定された規定違反の懸念に対処するため、仲裁に参加することに合意。FSCが仲介し、ADR組織の任命を進めている。仲裁では、オーラム・インターナショナルの是正措置の内容を決める。

 マイティ・アースとオーラム・インターナショナルは、マイティ・アースが2016年12月に苦情を申し立てて以降、継続的に協議を行ってきた。2017年1月には、世界資源研究所(WRI)が仲介する調停を開始。2017年1月以降は、オーラム・パーム・ガボンは、森林伐採のモラトリアム(停止)を維持している。2017年には、オーラム・インターナショナル、マイティ・アース、NGO連合で森林保全と持続可能な農業で協力することで合意し、共同声明まで発表。2019年5月からFSCのAMR手続きが始まり、その一環で、FSCは2020年4月、SmartCertに独立調査を依頼し、2022年に結果が発表されていた。

【参照ページ】Results of FSC commissioned assessment of allegations made against Olam Palm Gabon

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