Sustainable Japan | 世界のサステナビリティ・ESG投資・SDGs

【アメリカ】JX石油開発とNRGエネルギー、世界最大級のCO2回収プラントが稼働開始。三菱重工が建設に参加

co2

 JXグループの石油ガス開発事業、JX石油開発は1月10日、米国電力会社大手NRG Energyとの合弁企業であるペトラノヴァ・パリッシュホールディングスが建設した世界最大規模の二酸化炭素回収プラントが12月29日に運転を開始したと発表した。このプラントはNRG Energyが米国テキサス州に保有する石炭火力発電所「W.A. Parish発電所」から排出される二酸化炭素を回収し、JX石油開発がNRG Energyとの折半合弁会社を通じて25%の権益を保有する同州のウェスト・ランチ油田に約130kmのパイプラインで輸送し、油田に圧入するというもの。

 ウェスト・ランチ油田は現在、老朽化のため、原油生産量が大きく減退している。今回、石炭火力発電所から回収した二酸化炭素を油田に圧入することにより、油田内部の圧力を上げたり原油の性質を流れやすいように変化させることで(「CO2-EOR」と呼ばれる)、同油田の生産量を向上させることができる。石炭火力発電所での二酸化炭素回収プラントによる回収能力は日量4,776トンで、燃焼排気ガスから二酸化炭素を回収するプラントとしては世界最大。また、CO2-EORにより、油田の生産量は、現在の日量300バレルから日量12,000バレルに増加できる見込み。

 このプロジェクト「Petra Nova project」は、ペトラノヴァ・パリッシュホールディングスが事業主体となり、2014年7月に米国三菱重工業と米建設大手(TIC)によるコンソーシアムがフルターンキー契約で受注した。二酸化炭素回収技術では、三菱重工業と関西電力が共同開発した高性能な吸収液(KS-1™)を用いて二酸化炭素回収時のエネルギー消費量を大幅に抑制できる独自の二酸化炭素回収プロセス(KM CDR Process®)が採用されている。三菱重工業は米国三菱重工業を通じてこの二酸化炭素回収プロセスのライセンス及び吸収液を提供している。

 火力発電所等から二酸化炭素を回収する試みには、炭素回収・貯留(CCS)技術と呼ばれるものがあるが、今回JX石油開発が導入するプラントは、二酸化炭素を回収するものの、貯留せずに、油田に注入する仕組みのため、CSSとは一線を画する。現在、気候変動の取り組みが世界的に進む中で、石炭火力発電所の二酸化炭素排出量が大きいことは問題視されており、とりわけCCS技術を導入していない発電所は日本国外では風当たりが強くなっている。一方、日本政府や日本のエネルギー関連業界は、海外に石炭火力発電所を輸出する政策を推進している。

【参照ページ】米国の原油増産プロジェクトにおける世界最大規模CO2回収プラントの運転開始について
【参照ページ】NRG Energy, JX Nippon Complete World’s Largest Post-Combustion Carbon Capture Facility On-Budget and On-Schedule
【参照ページ】米国テキサス州で石炭燃焼排ガスを対象とした世界最大のCO2回収プラントを完成

 JXグループの石油ガス開発事業、JX石油開発は1月10日、米国電力会社大手NRG Energyとの合弁企業であるペトラノヴァ・パリッシュホールディングスが建設した世界最大規模の二酸化炭素回収プラントが12月29日に運転を開始したと発表した。このプラントはNRG Energyが米国テキサス州に保有する石炭火力発電所「W.A. Parish発電所」から排出される二酸化炭素を回収し、JX石油開発がNRG Energyとの折半合弁会社を通じて25%の権益を保有する同州のウェスト・ランチ油田に約130kmのパイプラインで輸送し、油田に圧入するというもの。

 ウェスト・ランチ油田は現在、老朽化のため、原油生産量が大きく減退している。今回、石炭火力発電所から回収した二酸化炭素を油田に圧入することにより、油田内部の圧力を上げたり原油の性質を流れやすいように変化させることで(「CO2-EOR」と呼ばれる)、同油田の生産量を向上させることができる。石炭火力発電所での二酸化炭素回収プラントによる回収能力は日量4,776トンで、燃焼排気ガスから二酸化炭素を回収するプラントとしては世界最大。また、CO2-EORにより、油田の生産量は、現在の日量300バレルから日量12,000バレルに増加できる見込み。

 このプロジェクト「Petra Nova project」は、ペトラノヴァ・パリッシュホールディングスが事業主体となり、2014年7月に米国三菱重工業と米建設大手(TIC)によるコンソーシアムがフルターンキー契約で受注した。二酸化炭素回収技術では、三菱重工業と関西電力が共同開発した高性能な吸収液(KS-1™)を用いて二酸化炭素回収時のエネルギー消費量を大幅に抑制できる独自の二酸化炭素回収プロセス(KM CDR Process®)が採用されている。三菱重工業は米国三菱重工業を通じてこの二酸化炭素回収プロセスのライセンス及び吸収液を提供している。

 火力発電所等から二酸化炭素を回収する試みには、炭素回収・貯留(CCS)技術と呼ばれるものがあるが、今回JX石油開発が導入するプラントは、二酸化炭素を回収するものの、貯留せずに、油田に注入する仕組みのため、CSSとは一線を画する。現在、気候変動の取り組みが世界的に進む中で、石炭火力発電所の二酸化炭素排出量が大きいことは問題視されており、とりわけCCS技術を導入していない発電所は日本国外では風当たりが強くなっている。一方、日本政府や日本のエネルギー関連業界は、海外に石炭火力発電所を輸出する政策を推進している。

【参照ページ】米国の原油増産プロジェクトにおける世界最大規模CO2回収プラントの運転開始について
【参照ページ】NRG Energy, JX Nippon Complete World’s Largest Post-Combustion Carbon Capture Facility On-Budget and On-Schedule
【参照ページ】米国テキサス州で石炭燃焼排ガスを対象とした世界最大のCO2回収プラントを完成

 JXグループの石油ガス開発事業、JX石油開発は1月10日、米国電力会社大手NRG Energyとの合弁企業であるペトラノヴァ・パリッシュホールディングスが建設した世界最大規模の二酸化炭素回収プラントが12月29日に運転を開始したと発表した。このプラントはNRG Energyが米国テキサス州に保有する石炭火力発電所「W.A. Parish発電所」から排出される二酸化炭素を回収し、JX石油開発がNRG Energyとの折半合弁会社を通じて25%の権益を保有する同州のウェスト・ランチ油田に約130kmのパイプラインで輸送し、油田に圧入するというもの。

 ウェスト・ランチ油田は現在、老朽化のため、原油生産量が大きく減退している。今回、石炭火力発電所から回収した二酸化炭素を油田に圧入することにより、油田内部の圧力を上げたり原油の性質を流れやすいように変化させることで(「CO2-EOR」と呼ばれる)、同油田の生産量を向上させることができる。石炭火力発電所での二酸化炭素回収プラントによる回収能力は日量4,776トンで、燃焼排気ガスから二酸化炭素を回収するプラントとしては世界最大。また、CO2-EORにより、油田の生産量は、現在の日量300バレルから日量12,000バレルに増加できる見込み。

 このプロジェクト「Petra Nova project」は、ペトラノヴァ・パリッシュホールディングスが事業主体となり、2014年7月に米国三菱重工業と米建設大手(TIC)によるコンソーシアムがフルターンキー契約で受注した。二酸化炭素回収技術では、三菱重工業と関西電力が共同開発した高性能な吸収液(KS-1™)を用いて二酸化炭素回収時のエネルギー消費量を大幅に抑制できる独自の二酸化炭素回収プロセス(KM CDR Process®)が採用されている。三菱重工業は米国三菱重工業を通じてこの二酸化炭素回収プロセスのライセンス及び吸収液を提供している。

 火力発電所等から二酸化炭素を回収する試みには、炭素回収・貯留(CCS)技術と呼ばれるものがあるが、今回JX石油開発が導入するプラントは、二酸化炭素を回収するものの、貯留せずに、油田に注入する仕組みのため、CSSとは一線を画する。現在、気候変動の取り組みが世界的に進む中で、石炭火力発電所の二酸化炭素排出量が大きいことは問題視されており、とりわけCCS技術を導入していない発電所は日本国外では風当たりが強くなっている。一方、日本政府や日本のエネルギー関連業界は、海外に石炭火力発電所を輸出する政策を推進している。

【参照ページ】米国の原油増産プロジェクトにおける世界最大規模CO2回収プラントの運転開始について
【参照ページ】NRG Energy, JX Nippon Complete World’s Largest Post-Combustion Carbon Capture Facility On-Budget and On-Schedule
【参照ページ】米国テキサス州で石炭燃焼排ガスを対象とした世界最大のCO2回収プラントを完成

ここから先は有料登録会員限定のコンテンツとなります。有料登録会員へのアップグレードを行って下さい。

 JXグループの石油ガス開発事業、JX石油開発は1月10日、米国電力会社大手NRG Energyとの合弁企業であるペトラノヴァ・パリッシュホールディングスが建設した世界最大規模の二酸化炭素回収プラントが12月29日に運転を開始したと発表した。このプラントはNRG Energyが米国テキサス州に保有する石炭火力発電所「W.A. Parish発電所」から排出される二酸化炭素を回収し、JX石油開発がNRG Energyとの折半合弁会社を通じて25%の権益を保有する同州のウェスト・ランチ油田に約130kmのパイプラインで輸送し、油田に圧入するというもの。

 ウェスト・ランチ油田は現在、老朽化のため、原油生産量が大きく減退している。今回、石炭火力発電所から回収した二酸化炭素を油田に圧入することにより、油田内部の圧力を上げたり原油の性質を流れやすいように変化させることで(「CO2-EOR」と呼ばれる)、同油田の生産量を向上させることができる。石炭火力発電所での二酸化炭素回収プラントによる回収能力は日量4,776トンで、燃焼排気ガスから二酸化炭素を回収するプラントとしては世界最大。また、CO2-EORにより、油田の生産量は、現在の日量300バレルから日量12,000バレルに増加できる見込み。

 このプロジェクト「Petra Nova project」は、ペトラノヴァ・パリッシュホールディングスが事業主体となり、2014年7月に米国三菱重工業と米建設大手(TIC)によるコンソーシアムがフルターンキー契約で受注した。二酸化炭素回収技術では、三菱重工業と関西電力が共同開発した高性能な吸収液(KS-1™)を用いて二酸化炭素回収時のエネルギー消費量を大幅に抑制できる独自の二酸化炭素回収プロセス(KM CDR Process®)が採用されている。三菱重工業は米国三菱重工業を通じてこの二酸化炭素回収プロセスのライセンス及び吸収液を提供している。

 火力発電所等から二酸化炭素を回収する試みには、炭素回収・貯留(CCS)技術と呼ばれるものがあるが、今回JX石油開発が導入するプラントは、二酸化炭素を回収するものの、貯留せずに、油田に注入する仕組みのため、CSSとは一線を画する。現在、気候変動の取り組みが世界的に進む中で、石炭火力発電所の二酸化炭素排出量が大きいことは問題視されており、とりわけCCS技術を導入していない発電所は日本国外では風当たりが強くなっている。一方、日本政府や日本のエネルギー関連業界は、海外に石炭火力発電所を輸出する政策を推進している。

【参照ページ】米国の原油増産プロジェクトにおける世界最大規模CO2回収プラントの運転開始について
【参照ページ】NRG Energy, JX Nippon Complete World’s Largest Post-Combustion Carbon Capture Facility On-Budget and On-Schedule
【参照ページ】米国テキサス州で石炭燃焼排ガスを対象とした世界最大のCO2回収プラントを完成