Sustainable Japan | 世界のサステナビリティ・ESG投資・SDGs

【国際】自然資本連合NCC、自然資本プロトコル金融セクター補足書を発行。先行事例も紹介

 国際的な自然資本報告基準策定英NGOの自然資本連合(NCC)は4月23日、香港で開催された香港会計士公会のイベントの場で、自然資本視点を活用した金融機関向け事業ガイドライン「Finance Sector Supplement」を発行した。同ガイドラインは、NCCが2016年に発行した「自然資本プロトコル(NCP)」の金融セクター補足書の位置づけ。今回のガイドラインは、Natural Capital Finance Alliance(NCFA)と蘭ESG投資推進団体VBDOとの共同発行。

 同ガイドラインは、金融機関が自然資本が投融資や保険提供に与えるインパクトや依存度を測定するためのフレームワークを提示している。すでに発行されているNCPと同様に、リスクや機会を特定、測定、価値評価するプロセスを解説している。NCPが事業者自身が自然資本の評価を行うのに対し、今回の補足書は金融機関がファイナンス先の企業の状況を評価し、金融リスクや機会を見出すことを狙う。

 NCCは、同ガイドラインの考え方を用いた先行事例として、仏BNPパリバ・アセットマネジメント、蘭ASN Bank、仏Kepler Cheuvreux、印YES Bankが自然資本の観点を用いてマネジメントのレベルを強化した取組を紹介した。

 同ガイドラインは、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)等の国際ガイドラインとの整合性にも配慮している。

 NCCのマーク・ゴーフ・エグゼクティブ・ディレクターは4月19日、各国に先んじて東京で同ガイドラインの概要を解説会を実施。金融機関は自然資本の観点を用いることで、これまで見えていなかったリスクや機会を見出すことができ、先行事例も存在していると、意義を強調した。自然資本に関するデータが不足しているのではという質問に対しては、「すでにデータは十分にある。むしろ重要なことは断片的なデータ情報を関連付けて全体像を理解することだ。同ガイドラインはそれに資するものとなっている」と語った。この見解は、日本では事業に活用できる環境データの整備が進んでいない現状も浮き彫りにしている。今後、世界各地域でも解説会を実施する。

 NCPの活用についてはまだ日本では浸透していない。しかし、ゴーフ氏は、中国の環境当局がNCCと連携し、NCPを活用した事業マネジメントや規制をすでに検討し始めていることを紹介。グリーンファイナンス分野に注力する中国で、金融分野でも活用が進む可能性を示した。

【参照ページ】Connecting Finance and Natural Capital: A Supplement to the Natural Capital Protocol Launched Today in Hong Kong
【ガイドライン】CONNECTING FINANCE AND NATURAL CAPITAL
【先行事例】FINANCE SECTOR SUPPLEMENT CASE STUDY

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 国際的な自然資本報告基準策定英NGOの自然資本連合(NCC)は4月23日、香港で開催された香港会計士公会のイベントの場で、自然資本視点を活用した金融機関向け事業ガイドライン「Finance Sector Supplement」を発行した。同ガイドラインは、NCCが2016年に発行した「自然資本プロトコル(NCP)」の金融セクター補足書の位置づけ。今回のガイドラインは、Natural Capital Finance Alliance(NCFA)と蘭ESG投資推進団体VBDOとの共同発行。

 同ガイドラインは

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 国際的な自然資本報告基準策定英NGOの自然資本連合(NCC)は4月23日、香港で開催された香港会計士公会のイベントの場で、自然資本視点を活用した金融機関向け事業ガイドライン「Finance Sector Supplement」を発行した。同ガイドラインは、NCCが2016年に発行した「自然資本プロトコル(NCP)」の金融セクター補足書の位置づけ。今回のガイドラインは、Natural Capital Finance Alliance(NCFA)と蘭ESG投資推進団体VBDOとの共同発行。

 同ガイドラインは

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 国際的な自然資本報告基準策定英NGOの自然資本連合(NCC)は4月23日、香港で開催された香港会計士公会のイベントの場で、自然資本視点を活用した金融機関向け事業ガイドライン「Finance Sector Supplement」を発行した。同ガイドラインは、NCCが2016年に発行した「自然資本プロトコル(NCP)」の金融セクター補足書の位置づけ。今回のガイドラインは、Natural Capital Finance Alliance(NCFA)と蘭ESG投資推進団体VBDOとの共同発行。

 同ガイドラインは、金融機関が自然資本が投融資や保険提供に与えるインパクトや依存度を測定するためのフレームワークを提示している。すでに発行されているNCPと同様に、リスクや機会を特定、測定、価値評価するプロセスを解説している。NCPが事業者自身が自然資本の評価を行うのに対し、今回の補足書は金融機関がファイナンス先の企業の状況を評価し、金融リスクや機会を見出すことを狙う。

 NCCは、同ガイドラインの考え方を用いた先行事例として、仏BNPパリバ・アセットマネジメント、蘭ASN Bank、仏Kepler Cheuvreux、印YES Bankが自然資本の観点を用いてマネジメントのレベルを強化した取組を紹介した。

 同ガイドラインは、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)等の国際ガイドラインとの整合性にも配慮している。

 NCCのマーク・ゴーフ・エグゼクティブ・ディレクターは4月19日、各国に先んじて東京で同ガイドラインの概要を解説会を実施。金融機関は自然資本の観点を用いることで、これまで見えていなかったリスクや機会を見出すことができ、先行事例も存在していると、意義を強調した。自然資本に関するデータが不足しているのではという質問に対しては、「すでにデータは十分にある。むしろ重要なことは断片的なデータ情報を関連付けて全体像を理解することだ。同ガイドラインはそれに資するものとなっている」と語った。この見解は、日本では事業に活用できる環境データの整備が進んでいない現状も浮き彫りにしている。今後、世界各地域でも解説会を実施する。

 NCPの活用についてはまだ日本では浸透していない。しかし、ゴーフ氏は、中国の環境当局がNCCと連携し、NCPを活用した事業マネジメントや規制をすでに検討し始めていることを紹介。グリーンファイナンス分野に注力する中国で、金融分野でも活用が進む可能性を示した。

【参照ページ】Connecting Finance and Natural Capital: A Supplement to the Natural Capital Protocol Launched Today in Hong Kong
【ガイドライン】CONNECTING FINANCE AND NATURAL CAPITAL
【先行事例】FINANCE SECTOR SUPPLEMENT CASE STUDY

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