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【イギリス】政府、ゲノム編集技術をGMO規制の対象外とする方針。パブコメ結果を精査

 英環境・食糧・農村地域省は9月29日、ゲノム編集技術への見解を発表した。ゲノム編集には、栄養価、気候変動レジリエンス、農薬・肥料への依存度低減等の分野で大きな可能性があり、カーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)の実現にも資するものとの評価を下した。

 ゲノム編集技術は、異なる種のDNAを組み込む「遺伝子組換え技術」とは異なり、DNAの特定の部位を除去するタイプの技術。

 同省は、今回の見解を発表するに際し、2021年1月7日から3月17日までパブリックコメントを募集し、イングランドにおける遺伝子技術の規制に関する意見を収集した。リスク認識に関しては、学術機関では63%、公的機関では82%が、ゲノム編集による人の健康や環境への害のリスクは、自然栽培と同程度と回答する一方、個人では87%、企業では64%が、より大きなリスクがあると回答した。NGOは賛否両論だったという。

 同じく、ゲノム編集とGMOを区別するかでは、学術機関では55%、公的機関では58%が、ゲノム変種をGMO規制の対象外とすることを支持。一方、個人では88%、企業では64%が、GMO規制の対象とすることを支持。NGOはこちらでも賛否両論だったという。

 今回、英国政府は、ゲノム編集と同様の内容の遺伝子変異は、自然環境下でも発生しているもので、伝統的な育種法との差はないとの立場を示した。また、ゲノム編集技術を、遺伝子組換え作物(GMO)規制の対象とすべき科学的根拠は得られなかったため、対象外とする方針を明らかにした。

 但し、市場の安全性や透明性、また顧客の選好やトレーサビリティの観点から、適切な規制を導入する考えも披露した。

【参照ページ】Genetic technologies regulation: government response

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 英環境・食糧・農村地域省は9月29日、ゲノム編集技術への見解を発表した。ゲノム編集には、栄養価、気候変動レジリエンス、農薬・肥料への依存度低減等の分野で大きな可能性があり、カーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)の実現にも資するものとの評価を下した。

 ゲノム編集技術は、

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 英環境・食糧・農村地域省は9月29日、ゲノム編集技術への見解を発表した。ゲノム編集には、栄養価、気候変動レジリエンス、農薬・肥料への依存度低減等の分野で大きな可能性があり、カーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)の実現にも資するものとの評価を下した。

 ゲノム編集技術は、

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 英環境・食糧・農村地域省は9月29日、ゲノム編集技術への見解を発表した。ゲノム編集には、栄養価、気候変動レジリエンス、農薬・肥料への依存度低減等の分野で大きな可能性があり、カーボンニュートラル(二酸化炭素ネット排出量ゼロ)の実現にも資するものとの評価を下した。

 ゲノム編集技術は、異なる種のDNAを組み込む「遺伝子組換え技術」とは異なり、DNAの特定の部位を除去するタイプの技術。

 同省は、今回の見解を発表するに際し、2021年1月7日から3月17日までパブリックコメントを募集し、イングランドにおける遺伝子技術の規制に関する意見を収集した。リスク認識に関しては、学術機関では63%、公的機関では82%が、ゲノム編集による人の健康や環境への害のリスクは、自然栽培と同程度と回答する一方、個人では87%、企業では64%が、より大きなリスクがあると回答した。NGOは賛否両論だったという。

 同じく、ゲノム編集とGMOを区別するかでは、学術機関では55%、公的機関では58%が、ゲノム変種をGMO規制の対象外とすることを支持。一方、個人では88%、企業では64%が、GMO規制の対象とすることを支持。NGOはこちらでも賛否両論だったという。

 今回、英国政府は、ゲノム編集と同様の内容の遺伝子変異は、自然環境下でも発生しているもので、伝統的な育種法との差はないとの立場を示した。また、ゲノム編集技術を、遺伝子組換え作物(GMO)規制の対象とすべき科学的根拠は得られなかったため、対象外とする方針を明らかにした。

 但し、市場の安全性や透明性、また顧客の選好やトレーサビリティの観点から、適切な規制を導入する考えも披露した。

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