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【EU】欧州委、DSA違反の疑いでAliExpressの正式調査開始。複数の事象で義務遵守せず

 欧州委員会は3月14日、アリババの「AliExpress」に対し、デジタルサービス法(DSA)違反の疑いで調査を正式に開始した。リスクマネジメント・軽減、コンテンツモデレーション及び内部苦情処理メカニズム、広告及びレコメンダーシステムの透明性、取引業者のトレーサビリティ、研究者のためのデータアクセスで複数の違反が指摘されている。

 デジタルサービス法では、EU域内での利用者が4,500万人以上の大規模なオンラインプラットフォーム(VLOP)と大規模な検索エンジン(VLOSE)として19サービスを指定しており、アリババのAliExpressもVLOPの一つになっている。同法に基づく全規則は2月17日に適用されていた。

【参考】【EU】デジタルサービス法(DSA)の全規則が2月17日に適用。デジタル広告や違法コンテンツ等を規制(2024年2月18日)
【参考】【EU】欧州委、19サービスを指定プラットフォーマーに指定。デジタルサービス法に基づく義務負う(2023年4月26日)

 今回の調査開始は、AliExpressが2023年8月に欧州委員会に提出したリスク評価報告書や、同社の透明性報告書に掲載された情報、欧州委員会が2023年11月6日と2024年1月18日に正式に発出した情報提供要請に対する回答等による予備調査の結果、違反性の疑いがあると欧州委員会が判断した結果。正式調査では、追加的な情報提供要請、事情聴取や査察の実施等を行い、さらなる証拠収集を実行する。また、正式調査を開始したことで、欧州委員会は早期解決手段として、同法第28条1項に基づき、違反の停止または是正を命じる暫定措置等の行政処分を下すこともできるようになる。

 今回の事案で問題視されている内容は、まず、同法で「違法コンテンツ」としている偽薬、食品、栄養補助食品等の消費者の健康に関するものや、ポルノへのアクセスという青少年の状況に危険を及ぼす特定の商品を禁止する利用規約が整備されていないこと。また違法コンテンツの拡散を防止する効果的な措置がないことや、「隠しリンク」によるオンラインプラットフォーム上での意図的な操作を防止するための効果的な措置が欠如していることも指摘されている。

 さらに、AliExpressの「アフィリエイトプログラム」を通じ、違法または有害な商品を宣伝するインフルエンサーなどの機能から派生するリスクを防止するための効果的な措置が欠如していることや、登録されていないユーザーも含め、すべてのユーザーが違法コンテンツを通知し、通知の受領確認を受けられるようにするDSA上の義務及び効果的な内部苦情処理システムを提供するDSA上の義務の未遵守も指摘された。AliExpressのレコメンデーションシステムで使用されている主なパラメーターに関する透明性を提供し、プロファイリングに基づかないレコメンダーシステムの少なくとも一つの選択肢を提供する義務も果たしていないと判断された。

【参照ページ】Commission opens formal proceedings against AliExpress under the Digital Services Act

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 欧州委員会は3月14日、アリババの「AliExpress」に対し、デジタルサービス法(DSA)違反の疑いで調査を正式に開始した。リスクマネジメント・軽減、コンテンツモデレーション及び内部苦情処理メカニズム、広告及びレコメンダーシステムの透明性、取引業者のトレーサビリティ、研究者のためのデータアクセスで複数の違反が指摘されている。

 デジタルサービス法では、

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 欧州委員会は3月14日、アリババの「AliExpress」に対し、デジタルサービス法(DSA)違反の疑いで調査を正式に開始した。リスクマネジメント・軽減、コンテンツモデレーション及び内部苦情処理メカニズム、広告及びレコメンダーシステムの透明性、取引業者のトレーサビリティ、研究者のためのデータアクセスで複数の違反が指摘されている。

 デジタルサービス法では、

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 欧州委員会は3月14日、アリババの「AliExpress」に対し、デジタルサービス法(DSA)違反の疑いで調査を正式に開始した。リスクマネジメント・軽減、コンテンツモデレーション及び内部苦情処理メカニズム、広告及びレコメンダーシステムの透明性、取引業者のトレーサビリティ、研究者のためのデータアクセスで複数の違反が指摘されている。

 デジタルサービス法では、EU域内での利用者が4,500万人以上の大規模なオンラインプラットフォーム(VLOP)と大規模な検索エンジン(VLOSE)として19サービスを指定しており、アリババのAliExpressもVLOPの一つになっている。同法に基づく全規則は2月17日に適用されていた。

【参考】【EU】デジタルサービス法(DSA)の全規則が2月17日に適用。デジタル広告や違法コンテンツ等を規制(2024年2月18日)
【参考】【EU】欧州委、19サービスを指定プラットフォーマーに指定。デジタルサービス法に基づく義務負う(2023年4月26日)

 今回の調査開始は、AliExpressが2023年8月に欧州委員会に提出したリスク評価報告書や、同社の透明性報告書に掲載された情報、欧州委員会が2023年11月6日と2024年1月18日に正式に発出した情報提供要請に対する回答等による予備調査の結果、違反性の疑いがあると欧州委員会が判断した結果。正式調査では、追加的な情報提供要請、事情聴取や査察の実施等を行い、さらなる証拠収集を実行する。また、正式調査を開始したことで、欧州委員会は早期解決手段として、同法第28条1項に基づき、違反の停止または是正を命じる暫定措置等の行政処分を下すこともできるようになる。

 今回の事案で問題視されている内容は、まず、同法で「違法コンテンツ」としている偽薬、食品、栄養補助食品等の消費者の健康に関するものや、ポルノへのアクセスという青少年の状況に危険を及ぼす特定の商品を禁止する利用規約が整備されていないこと。また違法コンテンツの拡散を防止する効果的な措置がないことや、「隠しリンク」によるオンラインプラットフォーム上での意図的な操作を防止するための効果的な措置が欠如していることも指摘されている。

 さらに、AliExpressの「アフィリエイトプログラム」を通じ、違法または有害な商品を宣伝するインフルエンサーなどの機能から派生するリスクを防止するための効果的な措置が欠如していることや、登録されていないユーザーも含め、すべてのユーザーが違法コンテンツを通知し、通知の受領確認を受けられるようにするDSA上の義務及び効果的な内部苦情処理システムを提供するDSA上の義務の未遵守も指摘された。AliExpressのレコメンデーションシステムで使用されている主なパラメーターに関する透明性を提供し、プロファイリングに基づかないレコメンダーシステムの少なくとも一つの選択肢を提供する義務も果たしていないと判断された。

【参照ページ】Commission opens formal proceedings against AliExpress under the Digital Services Act

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