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【イギリス】政府、サッカーリーグとクラブのガバナンス強化法案提出。オーナーも当局が事前審査

 英文化・メディア・スポーツ省は3月18日、イングランド地方のプロサッカーリーグ及びクラブに対するガバナンス規制強化のための「フットボール・ガバナンス法案」を国会に提出したと発表した。今後、英国会での審議に入る。

 同法案は、近年のイングランド・サッカー界に関し、プロサッカークラブでの深刻な財政悪化の発生、一部プロサッカークラブによる欧州スーパーリーグへの参画表明、ファンの意見を軽視したクラブ名、エンブレム、カラーの変更等を、英政府として問題視し、立法によりサッカー界への規制を強めることが狙い。

 同法案では、まず、政府とサッカー界の双方から独立した「独立サッカー規制機関(IFR)」を創設。IFRは、クラブの財政サステナビリティの向上、リーグ全体のファイナンス・レジリエンスの確保、イングランド・サッカー遺産の保護の3つをミッションとし、プロサッカーリーグ及びクラブに対する規制権限を持つようにする。

 同法案は、プレミアリーグからナショナルリーグまでの全クラブに対し、プロサッカー大会に出場するために取得を義務付ける公式ライセンス制度を導入する。一定の遵守猶予期間を認め、仮ライセンス制度も設ける。

 仮ライセンス制度では、ファン・エンゲージメント、コーポレートガバナンス、財務報告に関する基本的な要件等の必須基準が定められる。さらに、本ライセンスでは、財務資本、非財務資資本(システム、方針、人材等)、ファン・エンゲージメントの3つの観点から、高い基準が課される。その一環として、各クラブは、クラブの伝統やクラブの戦略的方向性等、フィールド外の重要な決定についてもファンと協議することが義務付けられる。

 さらに全てのクラブは、ライセンスの有無にかかわらず、リーグからの離脱に関する事項やスタジアム移転に対する保護等、法律に明記された新たな義務が課される。

 また、プロサッカークラブのオーナーや取締役に関し、買収や就任の前にIFRの審査を受けることになり、継続的かつ故意の違反があったと判定されると、クラブオーナーや取締役の資格を剥奪することができるようになる。

 IFRは、各クラブの財務サステナビリティを促進し、違反したクラブには売上高の最大10%の罰金を科すこともできるようになる。IFRは、プレミアリーグ、イングリッシュ・フットボール・リーグ(EFL)、ナショナルリーグ間の資金分配に関する新たなバックストップ権限も有し、各リーグが資金分配に関する新たな取り決めに合意できない場合、バックストップが発動され、強制的な和解プロセスが開始される。

 IFRは各リーグと各クラブの財務状況を分析した報告書を定期的に作成し、モニタリングも進める。但し、フィールド上の決定に関する介入権限は持たない。また、基本的にはリーグやクラブの運営に関する過度な介入は抑制する。

【参照ページ】Historic Football Governance Bill introduced in Parliament

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 英文化・メディア・スポーツ省は3月18日、イングランド地方のプロサッカーリーグ及びクラブに対するガバナンス規制強化のための「フットボール・ガバナンス法案」を国会に提出したと発表した。今後、英国会での審議に入る。

 同法案は、

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 英文化・メディア・スポーツ省は3月18日、イングランド地方のプロサッカーリーグ及びクラブに対するガバナンス規制強化のための「フットボール・ガバナンス法案」を国会に提出したと発表した。今後、英国会での審議に入る。

 同法案は、

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 同法案は、近年のイングランド・サッカー界に関し、プロサッカークラブでの深刻な財政悪化の発生、一部プロサッカークラブによる欧州スーパーリーグへの参画表明、ファンの意見を軽視したクラブ名、エンブレム、カラーの変更等を、英政府として問題視し、立法によりサッカー界への規制を強めることが狙い。

 同法案では、まず、政府とサッカー界の双方から独立した「独立サッカー規制機関(IFR)」を創設。IFRは、クラブの財政サステナビリティの向上、リーグ全体のファイナンス・レジリエンスの確保、イングランド・サッカー遺産の保護の3つをミッションとし、プロサッカーリーグ及びクラブに対する規制権限を持つようにする。

 同法案は、プレミアリーグからナショナルリーグまでの全クラブに対し、プロサッカー大会に出場するために取得を義務付ける公式ライセンス制度を導入する。一定の遵守猶予期間を認め、仮ライセンス制度も設ける。

 仮ライセンス制度では、ファン・エンゲージメント、コーポレートガバナンス、財務報告に関する基本的な要件等の必須基準が定められる。さらに、本ライセンスでは、財務資本、非財務資資本(システム、方針、人材等)、ファン・エンゲージメントの3つの観点から、高い基準が課される。その一環として、各クラブは、クラブの伝統やクラブの戦略的方向性等、フィールド外の重要な決定についてもファンと協議することが義務付けられる。

 さらに全てのクラブは、ライセンスの有無にかかわらず、リーグからの離脱に関する事項やスタジアム移転に対する保護等、法律に明記された新たな義務が課される。

 また、プロサッカークラブのオーナーや取締役に関し、買収や就任の前にIFRの審査を受けることになり、継続的かつ故意の違反があったと判定されると、クラブオーナーや取締役の資格を剥奪することができるようになる。

 IFRは、各クラブの財務サステナビリティを促進し、違反したクラブには売上高の最大10%の罰金を科すこともできるようになる。IFRは、プレミアリーグ、イングリッシュ・フットボール・リーグ(EFL)、ナショナルリーグ間の資金分配に関する新たなバックストップ権限も有し、各リーグが資金分配に関する新たな取り決めに合意できない場合、バックストップが発動され、強制的な和解プロセスが開始される。

 IFRは各リーグと各クラブの財務状況を分析した報告書を定期的に作成し、モニタリングも進める。但し、フィールド上の決定に関する介入権限は持たない。また、基本的にはリーグやクラブの運営に関する過度な介入は抑制する。

【参照ページ】Historic Football Governance Bill introduced in Parliament

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