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【国際】インパクト投資推進GIIN、インパクト測定・管理は不可欠。重要性高まり、財務メリットも

 インパクト投資推進の国際イニシアチブGlobal Impact Investing Network(GIIN)は1月21日、インパクト投資家のインパクト測定・管理手法を包括的にまとめたレポート「State of Impact Measurement and Management Practice」の第2版を発表した。インパクト投資家278機関からの質問回答データを基に分析。インパクト測定および管理(IMM)は不可欠であり、投資家はインパクトへの注目を高めていると結論付けた。

 今回の調査の対象となったインパクト投資家は、大手銀行の他、インパクト投資に特化している財団やニッチ投資家が大半を占める。

 インパクト投資の対象は、投資家間で回答が異なり、社会観点にフォーカスする場合、社会経済的階層(82%)、女性・少女(65%)、失業者(47%)、環境観点にフォーカスする場合、地表(91%)、空気(64%)、淡水(61%)となった。一方、IMMの重要性については、認識が一致。回答者全員が、インパクト目標への進捗に「非常に重要」「幾らか重要」と答えた。

 また、IMMへの意識は高まりを見せており、2017年と2019年両調査に回答しているインパクト投資家のうち、投資先へのインパクト達成を本質的な動機とする割合は、2017年34%から2019年64%と、約2倍に増加した。実際、投資プロセスにIMMが組み込まれてきており、「重視する」と回答が多かったプロセスとしては、デューデリジェンス(81%)、投資スクリーニング(77%)、投資を通じた社会的・環境的ニーズの特定(75%)が挙がった。ツールやフレームワークについても、高度化や統合が進んでおり、SDGsに整合をとっている回答者は43%から80%と、2017年比約2倍となった。

 こうした市場の成熟に伴い、インパクト投資家からのインパクトパフォーマンス評価の需要が高まってきている一方、回答者の87%は、独自のインパクトデータを基にパフォーマンス評価を行っていた。さらに、投資家の89%がインパクトパフォーマンスの透明性の欠如について、「非常に」「中程度」課題視。企業でもインパクトを市場パフォーマンスと比較できない(84%)ことや、品質データの収集(92%)、データの集計、分析、または解釈(74%)を課題視する等、市場単位で比較可能なインパクトパフォーマンスの測定には、依然課題があると指摘した。

 一方、IMMを行うには、インパクトデータ収集や報告等の活動に従業員の工数を割り当てる必要があり、予算としては平均約12%を同活動に費やす必要がある点にも言及。コスト増にはなるものの、回答者は、ステークホルダーへの成果の報告(89%)、リスク要因の評価(45%)等の財務関連活動に寄与する回答した。

【参照ページ】The State of Impact Measurement and Management Practice, Second Edition

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 インパクト投資推進の国際イニシアチブGlobal Impact Investing Network(GIIN)は1月21日、インパクト投資家のインパクト測定・管理手法を包括的にまとめたレポート「State of Impact Measurement and Management Practice」の第2版を発表した。インパクト投資家278機関からの質問回答データを基に分析。インパクト測定および管理(IMM)は不可欠であり、投資家はインパクトへの注目を高めていると結論付けた。

 今回の調査の対象となったインパクト投資家は、大手銀行の他、インパクト投資に特化している財団やニッチ投資家が大半を占める。

 インパクト投資の対象は、

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 今回の調査の対象となったインパクト投資家は、大手銀行の他、インパクト投資に特化している財団やニッチ投資家が大半を占める。

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 今回の調査の対象となったインパクト投資家は、大手銀行の他、インパクト投資に特化している財団やニッチ投資家が大半を占める。

 インパクト投資の対象は、投資家間で回答が異なり、社会観点にフォーカスする場合、社会経済的階層(82%)、女性・少女(65%)、失業者(47%)、環境観点にフォーカスする場合、地表(91%)、空気(64%)、淡水(61%)となった。一方、IMMの重要性については、認識が一致。回答者全員が、インパクト目標への進捗に「非常に重要」「幾らか重要」と答えた。

 また、IMMへの意識は高まりを見せており、2017年と2019年両調査に回答しているインパクト投資家のうち、投資先へのインパクト達成を本質的な動機とする割合は、2017年34%から2019年64%と、約2倍に増加した。実際、投資プロセスにIMMが組み込まれてきており、「重視する」と回答が多かったプロセスとしては、デューデリジェンス(81%)、投資スクリーニング(77%)、投資を通じた社会的・環境的ニーズの特定(75%)が挙がった。ツールやフレームワークについても、高度化や統合が進んでおり、SDGsに整合をとっている回答者は43%から80%と、2017年比約2倍となった。

 こうした市場の成熟に伴い、インパクト投資家からのインパクトパフォーマンス評価の需要が高まってきている一方、回答者の87%は、独自のインパクトデータを基にパフォーマンス評価を行っていた。さらに、投資家の89%がインパクトパフォーマンスの透明性の欠如について、「非常に」「中程度」課題視。企業でもインパクトを市場パフォーマンスと比較できない(84%)ことや、品質データの収集(92%)、データの集計、分析、または解釈(74%)を課題視する等、市場単位で比較可能なインパクトパフォーマンスの測定には、依然課題があると指摘した。

 一方、IMMを行うには、インパクトデータ収集や報告等の活動に従業員の工数を割り当てる必要があり、予算としては平均約12%を同活動に費やす必要がある点にも言及。コスト増にはなるものの、回答者は、ステークホルダーへの成果の報告(89%)、リスク要因の評価(45%)等の財務関連活動に寄与する回答した。

【参照ページ】The State of Impact Measurement and Management Practice, Second Edition

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