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【EU】EU理事会と欧州議会、大気汚染基準強化で政治的合意。PM2.5や二酸化窒素等

 EU上院の役割を担うEU加盟国閣僚級のEU理事会とEU下院の役割を担う欧州議会は2月20日、大気汚染に関するEU指令改正案で政治的合意に達した。EUの大気汚染基準を世界保健機関(WHO)の勧告に極力沿ったものにする。今後、双方での立法手続に入る。

 改正EU指令では、WHOのガイドラインに近い制限値と目標値を設定し、定期的にレビューするという形で、2030年に向けてEUの大気汚染基準を強化することで合意した。PM2.5、PM10、二酸化窒素、二酸化硫黄、ベンゾ(a)ピレン、ヒ素、鉛、ニッケル等で、具体的な基準を定める。その中でPM2.5の年間規制値は、現行の25μg/m3から10μg/m3に、二酸化窒素では40μg/m3から20μg/m3に厳格化される。

 EU加盟国は、2026年から2029年の間に汚染物質のレベルが2030年までに達成すべき規制値または目標値を超えることが想定される場合、期限前に大気汚染防止ロードマップを策定しなければならない。さらに期限後にも大気汚染防止計画を定めなければならない。警戒基準値を超過する地域では、人の健康に対する当面のリスクを軽減するための緊急措置(車両の流通制限、建設工事の中断等)を定めた短期行動計画の策定も必須となる。オゾン層破壊物質については、地方レベルまたは地域レベルでオゾン濃度を削減する大きな可能性がない場合には、欧州委員会と国民に詳細根拠を示すことを条件に、計画策定から除外することが認められる。

 また特定の気候・地理的条件により、期限までに同改正指令を遵守することが不可能と判明した地域、または既存の家庭用暖房システムに大きな影響を与えなければ必要な削減を達成できない地域については、大気汚染基準の達成を遅くとも2040年1月1日まで延期することを容認。達成期限までに規制値を達成できないことが予測される場合、遅くとも2035年1月1日まで容認し、さらに2年延長可能とする制度も設ける。これらの特例を受けるには、当該加盟国は2028年までに策定する大気汚染防止ロードマップに、延期期間を限りなく短く抑える施策を盛り込まなければならない。

 さらに、WHOガイドラインや最新の科学的根拠の状況を踏まえるため、2030年とその後5年毎に同基準をレビューする条項も設けた。大気汚染基準等に関し、公衆衛生NGOや環境NGO等の十分に利害関係のあるステークホルダーが司法に訴えることができる司法へのアクセスを確保することでも合意した。市民が補償を請求できる権利も持つ。

【参照ページ】Air quality: Council and Parliament strike deal to strengthen standards in the EU

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 EU上院の役割を担うEU加盟国閣僚級のEU理事会とEU下院の役割を担う欧州議会は2月20日、大気汚染に関するEU指令改正案で政治的合意に達した。EUの大気汚染基準を世界保健機関(WHO)の勧告に極力沿ったものにする。今後、双方での立法手続に入る。

 改正EU指令では、

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 EU上院の役割を担うEU加盟国閣僚級のEU理事会とEU下院の役割を担う欧州議会は2月20日、大気汚染に関するEU指令改正案で政治的合意に達した。EUの大気汚染基準を世界保健機関(WHO)の勧告に極力沿ったものにする。今後、双方での立法手続に入る。

 改正EU指令では、

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 改正EU指令では、WHOのガイドラインに近い制限値と目標値を設定し、定期的にレビューするという形で、2030年に向けてEUの大気汚染基準を強化することで合意した。PM2.5、PM10、二酸化窒素、二酸化硫黄、ベンゾ(a)ピレン、ヒ素、鉛、ニッケル等で、具体的な基準を定める。その中でPM2.5の年間規制値は、現行の25μg/m3から10μg/m3に、二酸化窒素では40μg/m3から20μg/m3に厳格化される。

 EU加盟国は、2026年から2029年の間に汚染物質のレベルが2030年までに達成すべき規制値または目標値を超えることが想定される場合、期限前に大気汚染防止ロードマップを策定しなければならない。さらに期限後にも大気汚染防止計画を定めなければならない。警戒基準値を超過する地域では、人の健康に対する当面のリスクを軽減するための緊急措置(車両の流通制限、建設工事の中断等)を定めた短期行動計画の策定も必須となる。オゾン層破壊物質については、地方レベルまたは地域レベルでオゾン濃度を削減する大きな可能性がない場合には、欧州委員会と国民に詳細根拠を示すことを条件に、計画策定から除外することが認められる。

 また特定の気候・地理的条件により、期限までに同改正指令を遵守することが不可能と判明した地域、または既存の家庭用暖房システムに大きな影響を与えなければ必要な削減を達成できない地域については、大気汚染基準の達成を遅くとも2040年1月1日まで延期することを容認。達成期限までに規制値を達成できないことが予測される場合、遅くとも2035年1月1日まで容認し、さらに2年延長可能とする制度も設ける。これらの特例を受けるには、当該加盟国は2028年までに策定する大気汚染防止ロードマップに、延期期間を限りなく短く抑える施策を盛り込まなければならない。

 さらに、WHOガイドラインや最新の科学的根拠の状況を踏まえるため、2030年とその後5年毎に同基準をレビューする条項も設けた。大気汚染基準等に関し、公衆衛生NGOや環境NGO等の十分に利害関係のあるステークホルダーが司法に訴えることができる司法へのアクセスを確保することでも合意した。市民が補償を請求できる権利も持つ。

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