Sustainable Japan | 世界のサステナビリティ・ESG投資・SDGs

【アジア】ICMA、2023年のアジア国際債券場報告書発行。GSS+債が約21%

 国際資本市場協会(ICMA)は3月26日、香港金融管理局の協力を得、報告書「アジア国際債券市場」の第4版を発行した。2023年の概況をまとめた。

 アジア発行のクロスボーダー債券の年間発行額は、債券市場が不安定化した中、2022年の3,700億米ドルから、2023年には約3,800億米ドルと堅調に増加。特に日本、韓国、香港でのクロスボーダー債発行が増加した。

 中国のアジア域内でのクロスボーダー債発行額は、2021年の2,300億米ドル、2022年の1,220億米ドルとなり、さらに2023年には1,080億米ドルと前年比約12%減少した。一方、日本は2023年のアジアでのクロスボーダー債発行額の30%を占める1,150米ドルとなり、中国を上回って1位となった。中国発行体の2023年のアジア域内発行額は、記録的水準だった2021年の6,200億米ドルを超えることはなく、国内での自国通貨建て債券の発行を選好する傾向が強かった。それに伴い、香港の地位が低下した。

 サステナブル債(GSS+債)は、アジアにおけるクロスボーダー債券の年間発行額全体の約21%を占め、世界平均の12%の約2倍にまで上昇した。

 通貨別では、米ドル建てが約70%、人民元建てが約11%、ユーロ建てが約9%と。円建ては約1%%にとどまった。中国発行体のアジア・クロスボーダー債市場での米ドル建て発行額は2022年の約1,030億米ドルから2023年には620億米ドルと大幅に減少。背景には、世界的な利回りの高止まり、オフショア債市場における信用イベントの継続による投資家の信頼感の低下、中国国家発展改革委員会による中長期オフショア債発行の改革等、いくつかの要因があるが、特に中国の地方投資開発会社(LIDC)の米ドル建てオフショア債券の発行額が前年比約70%減の120億米ドル程度に落ち込んだことが大きい。一方、中国の不動産開発業者による米ドル建てオフショア債発行額は増加が、要因は、不動産デベロッパーのリファイナンスや債務不履行に陥った不動産デベロッパーの債務再編計画によるもの。

 同レポートは、アジア・クロスボーダー債のレポ市場で流動性が高まっていることも強調した。より多くのレンダーが市場に参入し、ディーラーが特定の債券にアクセスしやすくなっている模様。要因としては、金利の上昇により特別貸出の機会が生まれたこと、市場のボラティリティが高まったこと、ショート・ポジションをカバーする需要が高まったこと等を挙げた。

 アジア・クロスボーダー債市場は、過去2年落ち込んだが、市場参加者は2024年に回復の兆しがあると予想している。

【参照ページ】ICMA publishes a fourth edition of The Asian International Bond Markets: Developments and Trends report

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 国際資本市場協会(ICMA)は3月26日、香港金融管理局の協力を得、報告書「アジア国際債券市場」の第4版を発行した。2023年の概況をまとめた。

 アジア発行のクロスボーダー債券の年間発行額は、

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 国際資本市場協会(ICMA)は3月26日、香港金融管理局の協力を得、報告書「アジア国際債券市場」の第4版を発行した。2023年の概況をまとめた。

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 国際資本市場協会(ICMA)は3月26日、香港金融管理局の協力を得、報告書「アジア国際債券市場」の第4版を発行した。2023年の概況をまとめた。

 アジア発行のクロスボーダー債券の年間発行額は、債券市場が不安定化した中、2022年の3,700億米ドルから、2023年には約3,800億米ドルと堅調に増加。特に日本、韓国、香港でのクロスボーダー債発行が増加した。

 中国のアジア域内でのクロスボーダー債発行額は、2021年の2,300億米ドル、2022年の1,220億米ドルとなり、さらに2023年には1,080億米ドルと前年比約12%減少した。一方、日本は2023年のアジアでのクロスボーダー債発行額の30%を占める1,150米ドルとなり、中国を上回って1位となった。中国発行体の2023年のアジア域内発行額は、記録的水準だった2021年の6,200億米ドルを超えることはなく、国内での自国通貨建て債券の発行を選好する傾向が強かった。それに伴い、香港の地位が低下した。

 サステナブル債(GSS+債)は、アジアにおけるクロスボーダー債券の年間発行額全体の約21%を占め、世界平均の12%の約2倍にまで上昇した。

 通貨別では、米ドル建てが約70%、人民元建てが約11%、ユーロ建てが約9%と。円建ては約1%%にとどまった。中国発行体のアジア・クロスボーダー債市場での米ドル建て発行額は2022年の約1,030億米ドルから2023年には620億米ドルと大幅に減少。背景には、世界的な利回りの高止まり、オフショア債市場における信用イベントの継続による投資家の信頼感の低下、中国国家発展改革委員会による中長期オフショア債発行の改革等、いくつかの要因があるが、特に中国の地方投資開発会社(LIDC)の米ドル建てオフショア債券の発行額が前年比約70%減の120億米ドル程度に落ち込んだことが大きい。一方、中国の不動産開発業者による米ドル建てオフショア債発行額は増加が、要因は、不動産デベロッパーのリファイナンスや債務不履行に陥った不動産デベロッパーの債務再編計画によるもの。

 同レポートは、アジア・クロスボーダー債のレポ市場で流動性が高まっていることも強調した。より多くのレンダーが市場に参入し、ディーラーが特定の債券にアクセスしやすくなっている模様。要因としては、金利の上昇により特別貸出の機会が生まれたこと、市場のボラティリティが高まったこと、ショート・ポジションをカバーする需要が高まったこと等を挙げた。

 アジア・クロスボーダー債市場は、過去2年落ち込んだが、市場参加者は2024年に回復の兆しがあると予想している。

【参照ページ】ICMA publishes a fourth edition of The Asian International Bond Markets: Developments and Trends report

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