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【国際】WRI、埋蔵化石燃料からの潜在温室効果ガス排出量の推計方法ガイドライン案を発表

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 国際環境NGO世界資源研究所(WRI)は12月14日、石炭、石油、天然ガス会社が保有する化石燃料埋蔵量から将来発生する可能性がある温室効果ガスの推計手法のガイドラインについて、中間発表をまとめた報告書「A Recommended Methodology for Estimating and Reporting the Potential Green House Gas Emissions from Fossil Fuel Reserves」を発表した。

 パリ協定で、気候変動を産業革命前から2℃上昇に抑える2℃目標が国際合意されたが、将来の排出に大きな影響を与える化石燃料の埋蔵量分については、潜在的な温室効果ガス排出量を推計、算出する方法が国際的に定まってはいない。今回WRIが発表したガイドライン案はこの分野に一矢を報いるものとなる。WRIは、現在国際機関や各国政府が温室効果ガス排出量の公的算出基準として用いている「温室効果ガス(GHG)プロトコル」を設計開発した重要NGO2つのうちの一つ。今回WRIは埋蔵化石燃料の推計基準を発表したことで、この分野の国際基準に発展していく可能性が高い。

 今回中間案として発表された埋蔵化石燃料の算出ガイドラインは、

  • 化石燃料の埋蔵量を推計するにあたり、石油と天然ガスはPetroleum Resource Management System(PRMS)、石炭は国際埋蔵量報告合同委員会が定めるテンプレート、を用いる。もしくは一貫して運用されている国の基準を用いる
  • 石油、天然ガスについては、販売用ではなく企業内部使用用の燃料分も加算する
  • フレアリング、放散、その他漏出など事業活動を通じて消費される化石燃料分も加算する
  • 化石燃料燃焼と漏出メタンガスによる温室効果ガス排出量を本報告書で提示された方法で推計
  • 二酸化炭素回収・貯留(CCS)で回収される温室効果ガス量は控除する
  • 確定埋蔵量と推計埋蔵量からの潜在排出量は分けて推計する
  • 推計に用いた主な仮定並びに排出源を明記する

 パリ協定定められた2℃目標の達成に向けては、2011年から2100年の間の人為的な二酸化炭素排出量を986ギガトン以下に抑えなければならない。しかし、現在埋蔵量上位200社が保有する化石燃料の潜在二酸化炭素排出量は少なくとも1,541ギガtとされ、許容量をはるかに上回る。そのため、今後どのように化石燃料を利用していくかが気候変動対応においてカギを握るが、現時点で潜在的な二酸化炭素排出量データを公開している化石燃料関連企業は1社もないという。財務報告や業界基準も資源埋蔵量データにばかり注目し、二酸化炭素排出量の推計方法を定めているものはない。化石燃料関連企業の排出量報告も過去の活動に関するものに終始しており、将来の気候変動を語るうえで重要な埋蔵資源からのインパクトは俎上にまだ載っていない。

 WRIは、今回のガイドラインの活用を、化石燃料関連企業だけでなく、市民団体、投資家、証券監督当局などにも呼びかけている。化石燃料埋蔵量の資産価値については「座礁資産」という考え方が普及してきており、将来化石燃料がエネルギー源として活用できなくなっていくことから、資産価値が減少していくことが唱えられてきている。WRIのガイドラインにより、世界的に統一した埋蔵分からの潜在排出量の算出がなされていくと、この「座礁資産」の考え方にとって大きな追い風となる。

【参考ページ】A Recommended Methodology for Estimating and Reporting the Potential Greenhouse Gas Emissions from Fossil Fuel Reserves
【ガイドライン】A Recommended Methodology for Estimating and Reporting the Potential Greenhouse Gas Emissions from Fossil Fuel Reserves

 国際環境NGO世界資源研究所(WRI)は12月14日、石炭、石油、天然ガス会社が保有する化石燃料埋蔵量から将来発生する可能性がある温室効果ガスの推計手法のガイドラインについて、中間発表をまとめた報告書「A Recommended Methodology for Estimating and Reporting the Potential Green House Gas Emissions from Fossil Fuel Reserves」を発表した。

 パリ協定で、気候変動を産業革命前から2℃上昇に抑える2℃目標が国際合意されたが、将来の排出に大きな影響を与える化石燃料の埋蔵量分については、潜在的な温室効果ガス排出量を推計、算出する方法が国際的に定まってはいない。今回WRIが発表したガイドライン案はこの分野に一矢を報いるものとなる。WRIは、現在国際機関や各国政府が温室効果ガス排出量の公的算出基準として用いている「温室効果ガス(GHG)プロトコル」を設計開発した重要NGO2つのうちの一つ。今回WRIは埋蔵化石燃料の推計基準を発表したことで、この分野の国際基準に発展していく可能性が高い。

 今回中間案として発表された埋蔵化石燃料の算出ガイドラインは、

  • 化石燃料の埋蔵量を推計するにあたり、石油と天然ガスはPetroleum Resource Management System(PRMS)、石炭は国際埋蔵量報告合同委員会が定めるテンプレート、を用いる。もしくは一貫して運用されている国の基準を用いる
  • 石油、天然ガスについては、販売用ではなく企業内部使用用の燃料分も加算する
  • フレアリング、放散、その他漏出など事業活動を通じて消費される化石燃料分も加算する
  • 化石燃料燃焼と漏出メタンガスによる温室効果ガス排出量を本報告書で提示された方法で推計
  • 二酸化炭素回収・貯留(CCS)で回収される温室効果ガス量は控除する
  • 確定埋蔵量と推計埋蔵量からの潜在排出量は分けて推計する
  • 推計に用いた主な仮定並びに排出源を明記する

 パリ協定定められた2℃目標の達成に向けては、2011年から2100年の間の人為的な二酸化炭素排出量を986ギガトン以下に抑えなければならない。しかし、現在埋蔵量上位200社が保有する化石燃料の潜在二酸化炭素排出量は少なくとも1,541ギガtとされ、許容量をはるかに上回る。そのため、今後どのように化石燃料を利用していくかが気候変動対応においてカギを握るが、現時点で潜在的な二酸化炭素排出量データを公開している化石燃料関連企業は1社もないという。財務報告や業界基準も資源埋蔵量データにばかり注目し、二酸化炭素排出量の推計方法を定めているものはない。化石燃料関連企業の排出量報告も過去の活動に関するものに終始しており、将来の気候変動を語るうえで重要な埋蔵資源からのインパクトは俎上にまだ載っていない。

 WRIは、今回のガイドラインの活用を、化石燃料関連企業だけでなく、市民団体、投資家、証券監督当局などにも呼びかけている。化石燃料埋蔵量の資産価値については「座礁資産」という考え方が普及してきており、将来化石燃料がエネルギー源として活用できなくなっていくことから、資産価値が減少していくことが唱えられてきている。WRIのガイドラインにより、世界的に統一した埋蔵分からの潜在排出量の算出がなされていくと、この「座礁資産」の考え方にとって大きな追い風となる。

【参考ページ】A Recommended Methodology for Estimating and Reporting the Potential Greenhouse Gas Emissions from Fossil Fuel Reserves
【ガイドライン】A Recommended Methodology for Estimating and Reporting the Potential Greenhouse Gas Emissions from Fossil Fuel Reserves

 国際環境NGO世界資源研究所(WRI)は12月14日、石炭、石油、天然ガス会社が保有する化石燃料埋蔵量から将来発生する可能性がある温室効果ガスの推計手法のガイドラインについて、中間発表をまとめた報告書「A Recommended Methodology for Estimating and Reporting the Potential Green House Gas Emissions from Fossil Fuel Reserves」を発表した。

 パリ協定で、気候変動を産業革命前から2℃上昇に抑える2℃目標が国際合意されたが、将来の排出に大きな影響を与える化石燃料の埋蔵量分については、潜在的な温室効果ガス排出量を推計、算出する方法が国際的に定まってはいない。今回WRIが発表したガイドライン案はこの分野に一矢を報いるものとなる。WRIは、現在国際機関や各国政府が温室効果ガス排出量の公的算出基準として用いている「温室効果ガス(GHG)プロトコル」を設計開発した重要NGO2つのうちの一つ。今回WRIは埋蔵化石燃料の推計基準を発表したことで、この分野の国際基準に発展していく可能性が高い。

 今回中間案として発表された埋蔵化石燃料の算出ガイドラインは、

  • 化石燃料の埋蔵量を推計するにあたり、石油と天然ガスはPetroleum Resource Management System(PRMS)、石炭は国際埋蔵量報告合同委員会が定めるテンプレート、を用いる。もしくは一貫して運用されている国の基準を用いる
  • 石油、天然ガスについては、販売用ではなく企業内部使用用の燃料分も加算する
  • フレアリング、放散、その他漏出など事業活動を通じて消費される化石燃料分も加算する
  • 化石燃料燃焼と漏出メタンガスによる温室効果ガス排出量を本報告書で提示された方法で推計
  • 二酸化炭素回収・貯留(CCS)で回収される温室効果ガス量は控除する
  • 確定埋蔵量と推計埋蔵量からの潜在排出量は分けて推計する
  • 推計に用いた主な仮定並びに排出源を明記する

 パリ協定定められた2℃目標の達成に向けては、2011年から2100年の間の人為的な二酸化炭素排出量を986ギガトン以下に抑えなければならない。しかし、現在埋蔵量上位200社が保有する化石燃料の潜在二酸化炭素排出量は少なくとも1,541ギガtとされ、許容量をはるかに上回る。そのため、今後どのように化石燃料を利用していくかが気候変動対応においてカギを握るが、現時点で潜在的な二酸化炭素排出量データを公開している化石燃料関連企業は1社もないという。財務報告や業界基準も資源埋蔵量データにばかり注目し、二酸化炭素排出量の推計方法を定めているものはない。化石燃料関連企業の排出量報告も過去の活動に関するものに終始しており、将来の気候変動を語るうえで重要な埋蔵資源からのインパクトは俎上にまだ載っていない。

 WRIは、今回のガイドラインの活用を、化石燃料関連企業だけでなく、市民団体、投資家、証券監督当局などにも呼びかけている。化石燃料埋蔵量の資産価値については「座礁資産」という考え方が普及してきており、将来化石燃料がエネルギー源として活用できなくなっていくことから、資産価値が減少していくことが唱えられてきている。WRIのガイドラインにより、世界的に統一した埋蔵分からの潜在排出量の算出がなされていくと、この「座礁資産」の考え方にとって大きな追い風となる。

【参考ページ】A Recommended Methodology for Estimating and Reporting the Potential Greenhouse Gas Emissions from Fossil Fuel Reserves
【ガイドライン】A Recommended Methodology for Estimating and Reporting the Potential Greenhouse Gas Emissions from Fossil Fuel Reserves

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 国際環境NGO世界資源研究所(WRI)は12月14日、石炭、石油、天然ガス会社が保有する化石燃料埋蔵量から将来発生する可能性がある温室効果ガスの推計手法のガイドラインについて、中間発表をまとめた報告書「A Recommended Methodology for Estimating and Reporting the Potential Green House Gas Emissions from Fossil Fuel Reserves」を発表した。

 パリ協定で、気候変動を産業革命前から2℃上昇に抑える2℃目標が国際合意されたが、将来の排出に大きな影響を与える化石燃料の埋蔵量分については、潜在的な温室効果ガス排出量を推計、算出する方法が国際的に定まってはいない。今回WRIが発表したガイドライン案はこの分野に一矢を報いるものとなる。WRIは、現在国際機関や各国政府が温室効果ガス排出量の公的算出基準として用いている「温室効果ガス(GHG)プロトコル」を設計開発した重要NGO2つのうちの一つ。今回WRIは埋蔵化石燃料の推計基準を発表したことで、この分野の国際基準に発展していく可能性が高い。

 今回中間案として発表された埋蔵化石燃料の算出ガイドラインは、

  • 化石燃料の埋蔵量を推計するにあたり、石油と天然ガスはPetroleum Resource Management System(PRMS)、石炭は国際埋蔵量報告合同委員会が定めるテンプレート、を用いる。もしくは一貫して運用されている国の基準を用いる
  • 石油、天然ガスについては、販売用ではなく企業内部使用用の燃料分も加算する
  • フレアリング、放散、その他漏出など事業活動を通じて消費される化石燃料分も加算する
  • 化石燃料燃焼と漏出メタンガスによる温室効果ガス排出量を本報告書で提示された方法で推計
  • 二酸化炭素回収・貯留(CCS)で回収される温室効果ガス量は控除する
  • 確定埋蔵量と推計埋蔵量からの潜在排出量は分けて推計する
  • 推計に用いた主な仮定並びに排出源を明記する

 パリ協定定められた2℃目標の達成に向けては、2011年から2100年の間の人為的な二酸化炭素排出量を986ギガトン以下に抑えなければならない。しかし、現在埋蔵量上位200社が保有する化石燃料の潜在二酸化炭素排出量は少なくとも1,541ギガtとされ、許容量をはるかに上回る。そのため、今後どのように化石燃料を利用していくかが気候変動対応においてカギを握るが、現時点で潜在的な二酸化炭素排出量データを公開している化石燃料関連企業は1社もないという。財務報告や業界基準も資源埋蔵量データにばかり注目し、二酸化炭素排出量の推計方法を定めているものはない。化石燃料関連企業の排出量報告も過去の活動に関するものに終始しており、将来の気候変動を語るうえで重要な埋蔵資源からのインパクトは俎上にまだ載っていない。

 WRIは、今回のガイドラインの活用を、化石燃料関連企業だけでなく、市民団体、投資家、証券監督当局などにも呼びかけている。化石燃料埋蔵量の資産価値については「座礁資産」という考え方が普及してきており、将来化石燃料がエネルギー源として活用できなくなっていくことから、資産価値が減少していくことが唱えられてきている。WRIのガイドラインにより、世界的に統一した埋蔵分からの潜在排出量の算出がなされていくと、この「座礁資産」の考え方にとって大きな追い風となる。

【参考ページ】A Recommended Methodology for Estimating and Reporting the Potential Greenhouse Gas Emissions from Fossil Fuel Reserves
【ガイドライン】A Recommended Methodology for Estimating and Reporting the Potential Greenhouse Gas Emissions from Fossil Fuel Reserves