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【アメリカ】エネルギー省、7つの水素ハブ候補選定。経済効果7.5兆円、直接雇用効果33万人

 米エネルギー省は10月13日、7つの「地域クリーン水素ハブ(H2Hubs)」候補を選定し、合計で70億米ドル(約1兆円)を拠出すると発表した。財源はインフラ・雇用促進法。補助金獲得企業による投資も合わせ、全体で500億米ドル(約7.5兆円)の経済効果を見込む。

 H2Hubsは、水素生産量を2030年までに合計で年間300万tを掲げ、2030年の米国における水素生産目標の3分の1を担う考え。米国の二酸化炭素排出量の30%を占める産業分野での削減が期待され、年間での削減効果は2,500万tを見積もっている。主に化学プロセスと大型自動車燃料を想定している。

 H2Hubsでは、地域経済の雇用への貢献が重視されており、包括的な地域利益計画(CBP)を策定し、最終的に実施することが要件となっている。特に、マイノリティや、グリーン転換で雇用影響を受ける人々に対し、高所得の雇用創出につなげることが求められている。

候補プロジェクト

アパラチア水素ハブ(ARCH2)

 ウェストバージニア州、オハイオ州、ペンシルバニア州で、天然ガス改質によるブルー水素を生産。石炭コミュニティの労働者に質の高い雇用機会をもたらし、建設雇用18,000人、常用雇用3,000人の合計21,000人以上の直接雇用創出を見込む。ハブの開発と運営からアパラチアン・コミュニティが利益を得られるよう支援する。補助金額は最大9億2,500万米ドル。

カリフォルニア水素ハブ(ARCHES)

カリフォルニア州で、再生可能エネルギーとバイオマスエネルギーを活用したグリーン水素を生産。公共交通機関、大型トラック輸送、港湾のカーボンニュートラル化が用途。ハブにつながる全てのプロジェクトに、プロジェクト労働協約を義務付ける。社会的支援が必要な地域コミュニティの機会を拡大し、建設雇用13万人、常用雇用9万人の合計22万人の直接雇用創出を見込む。補助金額は最大12億米ドル。

メキシコ湾水素ハブ(HyVelocity H2Hub)

 テキサス州で、天然ガス改質のブルー水素と、再生可能エネルギーを活用したグリーン水素の生産を組み合わせる。建設雇用35,000人、常用雇用10,000人の合計約45,000人の直接雇用創出を見込む。補助金額は最大12億米ドル。

ハートランド水素ハブ

ミネソタ州、ノースダコタ州、サウスダコタ州で、肥料生産のカーボンニュートラル化、クリーン水素の地域コストの削減、クリーン水素の発電や寒冷地での暖房利用を促進する。また、部族のコミュニティには株式パートナーシップを通じ、地元の農家や農業協同組合には民間セクターパートナーシップを通じ、クリーンな肥料生産での株式所有の機会を提供する。建設雇用3,000人、常勤雇用700人の合計3,700人の直接雇用創出を見込む。補助金額は最大9億2,500万米ドル。

中部大西洋岸水素ハブ(MACH2)

 ペンシルベニア州、デラウェア州、ニュージャージー州で、再生可能エネルギーと原子力発電を活用したグリーン水素及びイエロー水素を生産。既存の石油関連インフラや、通行権(rights-of-way)を再利用する。また、地域社会への労働・人材提供の一環として、全てのプロジェクトでプロジェクト労働協約を目指すとともに、コミュニティ・カレッジの訓練や実習前訓練のパートナーとして機能する地域労働力開発委員会に1,400万米ドル近くを提供する。建設雇用14,400人、常用雇用6,400人の合計20,800人の直接雇用創出を見込む。補助金額は最大7.5億米ドル。

中部部水素ハブ(MachH2)

 イリノイ州、インディアナ州、ミシガン州で、天然ガス、再生可能エネルギー、原子力発電等のエネルギーを活用し水素を生産。製鉄、ガラス生産、発電、金属精製、大型輸送、持続可能な航空燃料(SAF)等での活用を想定している。建設雇用12,100人、常用雇用1,500人の合計13,600人の直接雇用創出を見込む。補助金額は最大10億米ドル。

太平洋岸北西部水素ハブ(PNW)

 ワシントン州、オレゴン州、モンタナ州で、再生可能エネルギーを活用したグリーン水素を生産。全プロジェクトでプロジェクト労働協約の締結を目指し、共同労務管理及び州登録見習いプログラムにも投資する。建設雇用8,050人、常勤雇用350人の合計8,400人の直接雇用創出を見込む。補助金額は最大10億米ドル。

 7つのプロジェクトは今後、エネルギー省のクリーンエネルギー実証室(OCED)との最終協議に入る。

【参照ページ】Biden-Harris Administration Announces $7 Billion For America’s First Clean Hydrogen Hubs, Driving Clean Manufacturing and Delivering New Economic Opportunities Nationwide

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 米エネルギー省は10月13日、7つの「地域クリーン水素ハブ(H2Hubs)」候補を選定し、合計で70億米ドル(約1兆円)を拠出すると発表した。財源はインフラ・雇用促進法。補助金獲得企業による投資も合わせ、全体で500億米ドル(約7.5兆円)の経済効果を見込む。

 H2Hubsは、

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 米エネルギー省は10月13日、7つの「地域クリーン水素ハブ(H2Hubs)」候補を選定し、合計で70億米ドル(約1兆円)を拠出すると発表した。財源はインフラ・雇用促進法。補助金獲得企業による投資も合わせ、全体で500億米ドル(約7.5兆円)の経済効果を見込む。

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 米エネルギー省は10月13日、7つの「地域クリーン水素ハブ(H2Hubs)」候補を選定し、合計で70億米ドル(約1兆円)を拠出すると発表した。財源はインフラ・雇用促進法。補助金獲得企業による投資も合わせ、全体で500億米ドル(約7.5兆円)の経済効果を見込む。

 H2Hubsは、水素生産量を2030年までに合計で年間300万tを掲げ、2030年の米国における水素生産目標の3分の1を担う考え。米国の二酸化炭素排出量の30%を占める産業分野での削減が期待され、年間での削減効果は2,500万tを見積もっている。主に化学プロセスと大型自動車燃料を想定している。

 H2Hubsでは、地域経済の雇用への貢献が重視されており、包括的な地域利益計画(CBP)を策定し、最終的に実施することが要件となっている。特に、マイノリティや、グリーン転換で雇用影響を受ける人々に対し、高所得の雇用創出につなげることが求められている。

候補プロジェクト

アパラチア水素ハブ(ARCH2)

 ウェストバージニア州、オハイオ州、ペンシルバニア州で、天然ガス改質によるブルー水素を生産。石炭コミュニティの労働者に質の高い雇用機会をもたらし、建設雇用18,000人、常用雇用3,000人の合計21,000人以上の直接雇用創出を見込む。ハブの開発と運営からアパラチアン・コミュニティが利益を得られるよう支援する。補助金額は最大9億2,500万米ドル。

カリフォルニア水素ハブ(ARCHES)

カリフォルニア州で、再生可能エネルギーとバイオマスエネルギーを活用したグリーン水素を生産。公共交通機関、大型トラック輸送、港湾のカーボンニュートラル化が用途。ハブにつながる全てのプロジェクトに、プロジェクト労働協約を義務付ける。社会的支援が必要な地域コミュニティの機会を拡大し、建設雇用13万人、常用雇用9万人の合計22万人の直接雇用創出を見込む。補助金額は最大12億米ドル。

メキシコ湾水素ハブ(HyVelocity H2Hub)

 テキサス州で、天然ガス改質のブルー水素と、再生可能エネルギーを活用したグリーン水素の生産を組み合わせる。建設雇用35,000人、常用雇用10,000人の合計約45,000人の直接雇用創出を見込む。補助金額は最大12億米ドル。

ハートランド水素ハブ

ミネソタ州、ノースダコタ州、サウスダコタ州で、肥料生産のカーボンニュートラル化、クリーン水素の地域コストの削減、クリーン水素の発電や寒冷地での暖房利用を促進する。また、部族のコミュニティには株式パートナーシップを通じ、地元の農家や農業協同組合には民間セクターパートナーシップを通じ、クリーンな肥料生産での株式所有の機会を提供する。建設雇用3,000人、常勤雇用700人の合計3,700人の直接雇用創出を見込む。補助金額は最大9億2,500万米ドル。

中部大西洋岸水素ハブ(MACH2)

 ペンシルベニア州、デラウェア州、ニュージャージー州で、再生可能エネルギーと原子力発電を活用したグリーン水素及びイエロー水素を生産。既存の石油関連インフラや、通行権(rights-of-way)を再利用する。また、地域社会への労働・人材提供の一環として、全てのプロジェクトでプロジェクト労働協約を目指すとともに、コミュニティ・カレッジの訓練や実習前訓練のパートナーとして機能する地域労働力開発委員会に1,400万米ドル近くを提供する。建設雇用14,400人、常用雇用6,400人の合計20,800人の直接雇用創出を見込む。補助金額は最大7.5億米ドル。

中部部水素ハブ(MachH2)

 イリノイ州、インディアナ州、ミシガン州で、天然ガス、再生可能エネルギー、原子力発電等のエネルギーを活用し水素を生産。製鉄、ガラス生産、発電、金属精製、大型輸送、持続可能な航空燃料(SAF)等での活用を想定している。建設雇用12,100人、常用雇用1,500人の合計13,600人の直接雇用創出を見込む。補助金額は最大10億米ドル。

太平洋岸北西部水素ハブ(PNW)

 ワシントン州、オレゴン州、モンタナ州で、再生可能エネルギーを活用したグリーン水素を生産。全プロジェクトでプロジェクト労働協約の締結を目指し、共同労務管理及び州登録見習いプログラムにも投資する。建設雇用8,050人、常勤雇用350人の合計8,400人の直接雇用創出を見込む。補助金額は最大10億米ドル。

 7つのプロジェクトは今後、エネルギー省のクリーンエネルギー実証室(OCED)との最終協議に入る。

【参照ページ】Biden-Harris Administration Announces $7 Billion For America’s First Clean Hydrogen Hubs, Driving Clean Manufacturing and Delivering New Economic Opportunities Nationwide

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