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【アメリカ】財務省、SAF減税ガイダンス発行。CORSIA基準採用も改訂版GREETモデルにも道

 米財務省と内国歳入庁(IRS)は12月15日、インフレ抑制法(IRA)により創設された持続可能な航空燃料(SAF)減税に関するガイダンスを発行した。減税対象要件を定めた。

 同ガイダンスは、石油ベースのジェット燃料と比較し、ライフサイクルでの二酸化炭素排出量が50%以上少ないSAFを減税対象として特定。SAFの生産者は、1ガロン当たり1.25米ドルから1.75米ドルの税額控除を受けることができる。

 具体的には、排出量を50%削減したSAFは、1ガロン当たり1.25米ドルの税額控除を得られる。さらに、50%以上削減したSAFについては、削減率が50%を超えるごとに1ガロン当たり0.01米ドル、最大0.50米ドルまで追加控除される。

 今回のガイダンスに基づき、再生可能燃料基準(RFS)に基づき、米環境保護庁(EPA)が承認した有効なバイオマス由来ディーゼル、先進バイオ燃料、セルロース系バイオ燃料、セルロース系ディーゼル等、多数の燃料がクレジット対象となることが明確となった。

 その中で、大きな焦点となったのが、ライフサイクルでの排出量算出手法。特に、国際民間航空機関(ICAO)の二酸化炭素排出量取引制度「CORSIA」基準と、米エネルギー省の「GREETモデル」の間で綱引きが行われきた。両基準の主な違いは、バイオ燃料の間接的土地利用変化(ILUC)の計算方法にあり、CORSIA基準にと比べ、GREETモデルは、排出量が4分の1から3分の1程度に小さくなる。そのため、米国の再生可能燃料協会(RFA)、米国穀物協会、Growth Energyの3団体の3団体は2023年9月、米イエレン財務長官に対し、GREETモデルを採用するよう求めていた。

 今回のガイダンスでは、CORSIA基準を採用することを決定。但し、エネルギー省は、運輸省、農務省、環境保護庁(EPA)とともに、GREETモデルの改訂版を3月31日までに公表することを予定していることに触れ、2023年と2024年に販売もしくは使用されるSAFについては、改訂版GREETモデルを活用することも可能になるだろうと宣言した。しかし、ILUCの算定や、燃料での算定についても、改訂版GREETモデルでどのように扱われるかは未知数なところが大きい。改訂版GREETモデルが採用されたことを歓迎する関係者もいるが、完成までは見通せないと慎重な姿勢もある。

【参照ページ】U.S. Department of the Treasury, IRS Release Guidance to Drive American Innovation, Cut Aviation Sector Emissions

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 米財務省と内国歳入庁(IRS)は12月15日、インフレ抑制法(IRA)により創設された持続可能な航空燃料(SAF)減税に関するガイダンスを発行した。減税対象要件を定めた。

 同ガイダンスは、

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 米財務省と内国歳入庁(IRS)は12月15日、インフレ抑制法(IRA)により創設された持続可能な航空燃料(SAF)減税に関するガイダンスを発行した。減税対象要件を定めた。

 同ガイダンスは、

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 米財務省と内国歳入庁(IRS)は12月15日、インフレ抑制法(IRA)により創設された持続可能な航空燃料(SAF)減税に関するガイダンスを発行した。減税対象要件を定めた。

 同ガイダンスは、石油ベースのジェット燃料と比較し、ライフサイクルでの二酸化炭素排出量が50%以上少ないSAFを減税対象として特定。SAFの生産者は、1ガロン当たり1.25米ドルから1.75米ドルの税額控除を受けることができる。

 具体的には、排出量を50%削減したSAFは、1ガロン当たり1.25米ドルの税額控除を得られる。さらに、50%以上削減したSAFについては、削減率が50%を超えるごとに1ガロン当たり0.01米ドル、最大0.50米ドルまで追加控除される。

 今回のガイダンスに基づき、再生可能燃料基準(RFS)に基づき、米環境保護庁(EPA)が承認した有効なバイオマス由来ディーゼル、先進バイオ燃料、セルロース系バイオ燃料、セルロース系ディーゼル等、多数の燃料がクレジット対象となることが明確となった。

 その中で、大きな焦点となったのが、ライフサイクルでの排出量算出手法。特に、国際民間航空機関(ICAO)の二酸化炭素排出量取引制度「CORSIA」基準と、米エネルギー省の「GREETモデル」の間で綱引きが行われきた。両基準の主な違いは、バイオ燃料の間接的土地利用変化(ILUC)の計算方法にあり、CORSIA基準にと比べ、GREETモデルは、排出量が4分の1から3分の1程度に小さくなる。そのため、米国の再生可能燃料協会(RFA)、米国穀物協会、Growth Energyの3団体の3団体は2023年9月、米イエレン財務長官に対し、GREETモデルを採用するよう求めていた。

 今回のガイダンスでは、CORSIA基準を採用することを決定。但し、エネルギー省は、運輸省、農務省、環境保護庁(EPA)とともに、GREETモデルの改訂版を3月31日までに公表することを予定していることに触れ、2023年と2024年に販売もしくは使用されるSAFについては、改訂版GREETモデルを活用することも可能になるだろうと宣言した。しかし、ILUCの算定や、燃料での算定についても、改訂版GREETモデルでどのように扱われるかは未知数なところが大きい。改訂版GREETモデルが採用されたことを歓迎する関係者もいるが、完成までは見通せないと慎重な姿勢もある。

【参照ページ】U.S. Department of the Treasury, IRS Release Guidance to Drive American Innovation, Cut Aviation Sector Emissions

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