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【EU】EU理事会と欧州議会、使い捨て包装・容器の規制強化で政治的合意。再利用容器促進も

 EU上院の役割を担うEU加盟国閣僚級のEU理事会とEU下院の役割を担う欧州議会は3月4日、パッケージ・パッケージ廃棄物に関するEU規則の改正案で政治的合意に達した。サーキュラーエコノミー化を進める。今後、双方での立法手続に入る。

【参考】【EU】欧州委、容器・包装でEU規則案発表。削減・禁止ルール設定。バイオプラでも要件(2022年12月1日)

 今回の合意では、特にプラスチック製の容器・包装(パッケージ)の削減目標として、20230年までに5%、2035年までに10%、2040年までに15%削減することをEU加盟国に義務化する。

 また、青果の包装、飲食店で充填・消費される食品・飲料の包装、調味料、宿泊施設で使用される小型化粧品・トイレタリー製品(シャンプーやボディソープのボトル等)の容器、超軽量の量り売り等で使用されるビニール袋、空港でのスーツケースのカバー包装等でも、使い捨てプラスチック容器・包装の使用も2030年1月1日から禁止される。衛生上の理由で必要な場合や食品廃棄を防ぐためにバラ食品の一次包装として提供される場合を除き、15ミクロン以下の超軽量プラスチック製袋も禁止となる。

 さらに、すべての容器・包装に関し、2030年1月1日までリサイクル可能なように設計され、2035年1月1日から大規模なリサイクルを実際に実施することも義務化する。

 加えて、2030年1月1日からプラスチック容器・包装に、最低再生素材含有率を規定し、例えば使い捨て飲料用プラスチックボトルは30%の含有が義務化される。再生素材含有目標は2040年1月1日に引き上げられる。但し、堆肥化可能なプラスチック容器・包装と、プラスチック成分が容器・包装の総重量の5%未満の容器・包装に関しては、賛成素材含有目標の対象外となる。同規則の発効から3年後に、バイオベースのプラスチック包装の技術開発状況を評価し、同評価に基づき、プラスチック容器・包装におけるバイオ素材の含有量に関するサステナビリティ要件を定める。

 容器・包装へのペルフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物(PFAS)の含有割合についても基準値が設定され、基準値を超えたものは禁止となる。

 まとめ梱包、輸送用梱包、Eコマース用梱包に関しては、空スペース比率を50%以下に抑えることも義務化。これにより不要な梱包資材の消費を防ぐ。但し、同規則の発効日前に梱包されているものに関しては、免除される。

 リサイクルではない「再利用」と再充填に関しても規制を導入する。2030年までにアルコール飲料および非アルコール飲料(牛乳、ワイン、芳香族化ワイン、蒸留酒等を除く)の再利用可能な容器(瓶等)の割合を10%以上にすることを義務化。輸送・販売用包装(危険物や大型機器に使用される包装、食品に直接接触する軟包装を除く)、梱包資材に関しても再利用可能な素材の使用割合を一定以上にすることが求められる。但し、リサイクルが進んでいる段ボールに関しては、再利用要件が免除される。中小零細企業に関しては同ルールの適用を免除。事業者が飲料の再利用目標を達成するために、最大5社の最終流通事業者からなるプールを形成することができる制度も設けられる。

 再利用及び再充填に関するルールについては、各EU加盟国は、一定の条件に基づき、5年間の適用除外を認めることが可能となる。一定の条件には、2025年と2030年までに達成すべきリサイクル目標を各々5ポイント以上上回っている場合や、廃棄物防止目標を達成する見通しであること等が含められる。

 外食店でのテイクアウトでは、飲料や調理済み食品を入れる容器について、マイ容器による商品提供を追加料金なしで認めることも義務化。さらに、2030年までに、製品の10%を再利用に適した容器・包装形態で提供する努力義務も課せられる。

 3L以下の使い捨てペットボトルと飲料缶については、EU加盟国に対し、2029年までに年間90%以上をカバーする分別回収制度を導入することを義務化。また同目標達成のために、デポジット・リターン・システム(DRS)を導入することも義務化する。但し、2026年までに分別回収率80%以上を達成する場合には、90%の回収に向けた包括的な実施計画を提出すれば、DRS義務化は免除される。

【参照ページ】Packaging: Council and Parliament strike a deal to make packaging more sustainable and reduce packaging waste in the EU
【参照ページ】Deal on new rules for more sustainable packaging in the EU

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 EU上院の役割を担うEU加盟国閣僚級のEU理事会とEU下院の役割を担う欧州議会は3月4日、パッケージ・パッケージ廃棄物に関するEU規則の改正案で政治的合意に達した。サーキュラーエコノミー化を進める。今後、双方での立法手続に入る。

【参考】【EU】欧州委、容器・包装でEU規則案発表。削減・禁止ルール設定。バイオプラでも要件(2022年12月1日)

 今回の合意では、

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【参考】【EU】欧州委、容器・包装でEU規則案発表。削減・禁止ルール設定。バイオプラでも要件(2022年12月1日)

 今回の合意では、

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【参考】【EU】欧州委、容器・包装でEU規則案発表。削減・禁止ルール設定。バイオプラでも要件(2022年12月1日)

 今回の合意では、特にプラスチック製の容器・包装(パッケージ)の削減目標として、20230年までに5%、2035年までに10%、2040年までに15%削減することをEU加盟国に義務化する。

 また、青果の包装、飲食店で充填・消費される食品・飲料の包装、調味料、宿泊施設で使用される小型化粧品・トイレタリー製品(シャンプーやボディソープのボトル等)の容器、超軽量の量り売り等で使用されるビニール袋、空港でのスーツケースのカバー包装等でも、使い捨てプラスチック容器・包装の使用も2030年1月1日から禁止される。衛生上の理由で必要な場合や食品廃棄を防ぐためにバラ食品の一次包装として提供される場合を除き、15ミクロン以下の超軽量プラスチック製袋も禁止となる。

 さらに、すべての容器・包装に関し、2030年1月1日までリサイクル可能なように設計され、2035年1月1日から大規模なリサイクルを実際に実施することも義務化する。

 加えて、2030年1月1日からプラスチック容器・包装に、最低再生素材含有率を規定し、例えば使い捨て飲料用プラスチックボトルは30%の含有が義務化される。再生素材含有目標は2040年1月1日に引き上げられる。但し、堆肥化可能なプラスチック容器・包装と、プラスチック成分が容器・包装の総重量の5%未満の容器・包装に関しては、賛成素材含有目標の対象外となる。同規則の発効から3年後に、バイオベースのプラスチック包装の技術開発状況を評価し、同評価に基づき、プラスチック容器・包装におけるバイオ素材の含有量に関するサステナビリティ要件を定める。

 容器・包装へのペルフルオロアルキル化合物及びポリフルオロアルキル化合物(PFAS)の含有割合についても基準値が設定され、基準値を超えたものは禁止となる。

 まとめ梱包、輸送用梱包、Eコマース用梱包に関しては、空スペース比率を50%以下に抑えることも義務化。これにより不要な梱包資材の消費を防ぐ。但し、同規則の発効日前に梱包されているものに関しては、免除される。

 リサイクルではない「再利用」と再充填に関しても規制を導入する。2030年までにアルコール飲料および非アルコール飲料(牛乳、ワイン、芳香族化ワイン、蒸留酒等を除く)の再利用可能な容器(瓶等)の割合を10%以上にすることを義務化。輸送・販売用包装(危険物や大型機器に使用される包装、食品に直接接触する軟包装を除く)、梱包資材に関しても再利用可能な素材の使用割合を一定以上にすることが求められる。但し、リサイクルが進んでいる段ボールに関しては、再利用要件が免除される。中小零細企業に関しては同ルールの適用を免除。事業者が飲料の再利用目標を達成するために、最大5社の最終流通事業者からなるプールを形成することができる制度も設けられる。

 再利用及び再充填に関するルールについては、各EU加盟国は、一定の条件に基づき、5年間の適用除外を認めることが可能となる。一定の条件には、2025年と2030年までに達成すべきリサイクル目標を各々5ポイント以上上回っている場合や、廃棄物防止目標を達成する見通しであること等が含められる。

 外食店でのテイクアウトでは、飲料や調理済み食品を入れる容器について、マイ容器による商品提供を追加料金なしで認めることも義務化。さらに、2030年までに、製品の10%を再利用に適した容器・包装形態で提供する努力義務も課せられる。

 3L以下の使い捨てペットボトルと飲料缶については、EU加盟国に対し、2029年までに年間90%以上をカバーする分別回収制度を導入することを義務化。また同目標達成のために、デポジット・リターン・システム(DRS)を導入することも義務化する。但し、2026年までに分別回収率80%以上を達成する場合には、90%の回収に向けた包括的な実施計画を提出すれば、DRS義務化は免除される。

【参照ページ】Packaging: Council and Parliament strike a deal to make packaging more sustainable and reduce packaging waste in the EU
【参照ページ】Deal on new rules for more sustainable packaging in the EU

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