Sustainable Japan | 世界のサステナビリティ・ESG投資・SDGs

【イギリス】シェル、スコープ3原単位目標を引下げ。ガソリンやジェット燃料の販売は縮小

 エネルギー世界大手英シェルは3月14日、「エネルギートランジション戦略2024」を発表。2021年に発表していた目標値を引き下げた。

 同社は2020年、スコープ1と2で2050年までのカーボンニュートラルと、同社が販売するエネルギーのネットカーボンフットプリントを2035年までに約30%減、2050年までに約65%減とする目標を設定していた。

 さらに2021年には「エネルギートランジション戦略2021」を発表し、スコープ3を含めた2050年カーボンニュートラル目標に加え、スコープ1と2での排出量を2030年までに2016年比50%減、スコープ3を含めた原単位でも、2021年には2%から3%減、2022年には3%から4%減、2023年には6%から8%減、2024年までに9%から12%減、2030年までに20%、2035年までに45%減とする目標を設定していた。通常発生のガスフレアも2025年までにゼロ、メタン排出量も原単位で0.2%未満に抑えることを掲げていた。

【参考】【オランダ】シェル、2050年カーボンニュートラル宣言。Climate Action 100+がエンゲージメント(2020年4月17日)

 同社は今回、過去実績として、2023年末までにスコープ1と2の排出量を2016年比で60%以上削減したとし、当初掲げていた目標を達成したと表明。スコープ3を含めた原単位排出量でも2016年比6.3%削減し、3年連続で目標を達成したとした。メタン原単位排出量でも2023年には0.05%に抑え、目標の0.2%をクリアしたと伝えた。

 今回発表した新目標では、スコープ3を含めた2050年カーボンニュートラル目標は維持。スコープ1と2の排出量を2030年までに2016年比50%減、通常発生のガスフレアの2025年までのゼロ、メタン排出量原単位で0.2%未満という3つの目標も維持した。

 一方、スコープ3を含めた原単位目標については、2030年の目標を当初の2016年比20%減から、2016年比15%から20%減に引き下げた。2035年までに45%減としていた目標は撤回した。

 その替わりに、スコープ3のカテゴリー11に関し、運輸・輸送部門については、2030年までに石油製品の使用による顧客の排出量を総量で2021年比で15%から20%削減するという新たな目標を設定した。ガソリン、ディーゼル、ジェット燃料等の石油製品の販売を徐々に減らすことも言及した。

 同社は今回、今後の戦略として、液化天然ガス(LNG)と電化の2つを掲げた。LNGについては「エネルギー転換における重要な燃料」と表現した。電化では、商業用需要家への電力販売を増やし、小売需要家への電力販売を減らし、売上全体ではなく、高単価領域での電力事業にフォーカスしながら質重視で事業を成長させることを打ち出した。その一環で、再生可能エネルギー電力を含む電力事業を、オーストラリア、欧州、インド、米国等で構築しつつ、欧州では家庭への直接エネルギー供給事業からすでに撤退した。

 同社は、2023年から2025年末までに、低炭素エネルギー・ソリューションに100億米ドルから150億米ドルを投資することをあらためて伝えた。

【参照ページ】Shell publishes Energy Transition Strategy 2024
【参照ページ】Shell Energy Transition Strategy 2024

ここから先は登録ユーザー限定のコンテンツとなります。ログインまたはユーザー登録を行って下さい。

 エネルギー世界大手英シェルは3月14日、「エネルギートランジション戦略2024」を発表。2021年に発表していた目標値を引き下げた。

 同社は2020年、

ここから先は登録ユーザー限定のコンテンツとなります。ログインまたはユーザー登録を行って下さい。

 エネルギー世界大手英シェルは3月14日、「エネルギートランジション戦略2024」を発表。2021年に発表していた目標値を引き下げた。

 同社は2020年、

ここから先は登録ユーザー限定のコンテンツとなります。ログインまたはユーザー登録を行って下さい。

ここから先は有料登録会員限定のコンテンツとなります。有料登録会員へのアップグレードを行って下さい。

 エネルギー世界大手英シェルは3月14日、「エネルギートランジション戦略2024」を発表。2021年に発表していた目標値を引き下げた。

 同社は2020年、スコープ1と2で2050年までのカーボンニュートラルと、同社が販売するエネルギーのネットカーボンフットプリントを2035年までに約30%減、2050年までに約65%減とする目標を設定していた。

 さらに2021年には「エネルギートランジション戦略2021」を発表し、スコープ3を含めた2050年カーボンニュートラル目標に加え、スコープ1と2での排出量を2030年までに2016年比50%減、スコープ3を含めた原単位でも、2021年には2%から3%減、2022年には3%から4%減、2023年には6%から8%減、2024年までに9%から12%減、2030年までに20%、2035年までに45%減とする目標を設定していた。通常発生のガスフレアも2025年までにゼロ、メタン排出量も原単位で0.2%未満に抑えることを掲げていた。

【参考】【オランダ】シェル、2050年カーボンニュートラル宣言。Climate Action 100+がエンゲージメント(2020年4月17日)

 同社は今回、過去実績として、2023年末までにスコープ1と2の排出量を2016年比で60%以上削減したとし、当初掲げていた目標を達成したと表明。スコープ3を含めた原単位排出量でも2016年比6.3%削減し、3年連続で目標を達成したとした。メタン原単位排出量でも2023年には0.05%に抑え、目標の0.2%をクリアしたと伝えた。

 今回発表した新目標では、スコープ3を含めた2050年カーボンニュートラル目標は維持。スコープ1と2の排出量を2030年までに2016年比50%減、通常発生のガスフレアの2025年までのゼロ、メタン排出量原単位で0.2%未満という3つの目標も維持した。

 一方、スコープ3を含めた原単位目標については、2030年の目標を当初の2016年比20%減から、2016年比15%から20%減に引き下げた。2035年までに45%減としていた目標は撤回した。

 その替わりに、スコープ3のカテゴリー11に関し、運輸・輸送部門については、2030年までに石油製品の使用による顧客の排出量を総量で2021年比で15%から20%削減するという新たな目標を設定した。ガソリン、ディーゼル、ジェット燃料等の石油製品の販売を徐々に減らすことも言及した。

 同社は今回、今後の戦略として、液化天然ガス(LNG)と電化の2つを掲げた。LNGについては「エネルギー転換における重要な燃料」と表現した。電化では、商業用需要家への電力販売を増やし、小売需要家への電力販売を減らし、売上全体ではなく、高単価領域での電力事業にフォーカスしながら質重視で事業を成長させることを打ち出した。その一環で、再生可能エネルギー電力を含む電力事業を、オーストラリア、欧州、インド、米国等で構築しつつ、欧州では家庭への直接エネルギー供給事業からすでに撤退した。

 同社は、2023年から2025年末までに、低炭素エネルギー・ソリューションに100億米ドルから150億米ドルを投資することをあらためて伝えた。

【参照ページ】Shell publishes Energy Transition Strategy 2024
【参照ページ】Shell Energy Transition Strategy 2024

ここから先は登録ユーザー限定のコンテンツとなります。ログインまたはユーザー登録を行って下さい。