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【国際】NGO、金融機関向けに森林破壊デューデリガイダンス発行。世界500社の格付も

 英環境NGOグローバル・キャノピー、英ITのNeural Alpha、ストックホルム環境研究所(SEC)の3者は4月25日、金融機関向けに熱帯雨林破壊デューデリジェンスに関する新たなガイダンスを発行した。人権侵害リスクも内容に盛り込んだ。

 Global Canopyは2月、熱帯雨林破壊リスクの高い世界350社と金融機関150社を特定し、熱帯雨林破壊や人権に関する評価格付報告書「Forest 500」を発表。高リスク製品カテゴリーとして、パーム油、大豆、牛製品(牛肉・牛革)、木材(紙パルプ含む)の4つを挙げ、企業と金融機関の状況を分析した。

 同レポートによると、そのうち40%に該当する201社が熱帯雨林破壊に関する方針を一つも掲げていなかった。2014年の同報告書発行以来、一貫して方針がないままなところには、JAグループ(全国農業協同組合中央会)、ニトリ・ホールディングス、山崎製パンの3者も含まれる。また、リスクの高い全製品カテゴリーを対象に熱帯雨林破壊に関するコミットメントを掲げている100社のうち、サプライチェーンのモニタリングを実施している企業は半分しかなかった。森林破壊に関連した人権侵害のアセスメントを包括的に実施している企業はゼロだった。

 特に同レポートの矛先は、金融機関に向けられており、金融機関では全4製品カテゴリーを対象とした森林破壊方針を掲げている企業は11%に相当する16社のみ。森林破壊が事業リスクと認識しているところも31%しかなかった。16社の顔ぶれは、HSBC、スタンダードチャータード、ナットウエスト、シュローダー、リーガル&ゼネラル、BNPパリバ、ソシエテ・ジェネラル、サンタンデール銀行、ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行(BBVA)、クレディ・スイス、ドイツ銀行、コメルツ銀行、ABNアムロ、ノルデア銀行、フィデリティ・インターナショナル、三井住友フィナンシャル・グループ(SMFG)。

 日本企業では、花王、日本製紙、住友林業が5つ星評価で3つ星。味の素、大王製紙、ファーストリテイリング、丸紅、三井物産、王子ホールディングス、資生堂、ユニ・チャームが2つ星。イオン、アシックス、カルビー、大日本印刷、キューピー、キッコーマン、ロッテ、明治ホールディングス、三菱商事、ミツカンホールディングス、日清オイリオグループ、ニトリホールディングス、積水ハウス、セブン&アイ・ホールディングス、東洋水産、トヨタ自動車、ヤクルト本社、山崎製パン、読売新聞グループ本社が1つ星。星無しがJAグループだった。

 日本の金融機関では、三井住友フィナンシャル・グループが3つ星、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)、みずほフィナンシャルグループ、住友三井トラスト・ホールディングス(SMTH)が2つ星。大和証券グループ本社、国際協力銀行(JBIC)、野村ホールディングス、農林中央金庫、オリックスが1つ星。星無しが、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)、公立学校共済組合、日本生命保険、地方公務員共済組合連合会。

 グローバル・キャノピーは2021年11月、金融機関向けの森林破壊ロードマップを発表し、2025年までに森林破棄と人権侵害をゼロに近づけるための5つのステップを示している。2022年12月には同ロードマップの改訂も実施。その上で、今回発行したガイダンスは、投融資ポートフォリオで、森林破壊や人権侵害のリスクに関するデューデリジェンスプロセスの実践方法を示したもの。透明で柔軟な方法論を用い、企業のエクスポージャーと政策リスクを評価する「決定木」プロセスを設定した。まずリスクの大きい投融資先で集中的に対策することに力点を置いた。

 さらに今回のガイダンスでは、既存のデータセットの分類表も掲載しており、用途に合わせて金融機関がアクセスすべきデータセットも示されている。

【参照ページ】New guidance helps financial institutions grapple with deforestation due diligence
【参照ページ】Financial institutions “woefully behind” on deforestation risk, finds 9th annual Global Canopy Forest 500 report
【参照ページ】Finance Sector Roadmap

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 英環境NGOグローバル・キャノピー、英ITのNeural Alpha、ストックホルム環境研究所(SEC)の3者は4月25日、金融機関向けに熱帯雨林破壊デューデリジェンスに関する新たなガイダンスを発行した。人権侵害リスクも内容に盛り込んだ。

 Global Canopyは2月、

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 英環境NGOグローバル・キャノピー、英ITのNeural Alpha、ストックホルム環境研究所(SEC)の3者は4月25日、金融機関向けに熱帯雨林破壊デューデリジェンスに関する新たなガイダンスを発行した。人権侵害リスクも内容に盛り込んだ。

 Global Canopyは2月、

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 英環境NGOグローバル・キャノピー、英ITのNeural Alpha、ストックホルム環境研究所(SEC)の3者は4月25日、金融機関向けに熱帯雨林破壊デューデリジェンスに関する新たなガイダンスを発行した。人権侵害リスクも内容に盛り込んだ。

 Global Canopyは2月、熱帯雨林破壊リスクの高い世界350社と金融機関150社を特定し、熱帯雨林破壊や人権に関する評価格付報告書「Forest 500」を発表。高リスク製品カテゴリーとして、パーム油、大豆、牛製品(牛肉・牛革)、木材(紙パルプ含む)の4つを挙げ、企業と金融機関の状況を分析した。

 同レポートによると、そのうち40%に該当する201社が熱帯雨林破壊に関する方針を一つも掲げていなかった。2014年の同報告書発行以来、一貫して方針がないままなところには、JAグループ(全国農業協同組合中央会)、ニトリ・ホールディングス、山崎製パンの3者も含まれる。また、リスクの高い全製品カテゴリーを対象に熱帯雨林破壊に関するコミットメントを掲げている100社のうち、サプライチェーンのモニタリングを実施している企業は半分しかなかった。森林破壊に関連した人権侵害のアセスメントを包括的に実施している企業はゼロだった。

 特に同レポートの矛先は、金融機関に向けられており、金融機関では全4製品カテゴリーを対象とした森林破壊方針を掲げている企業は11%に相当する16社のみ。森林破壊が事業リスクと認識しているところも31%しかなかった。16社の顔ぶれは、HSBC、スタンダードチャータード、ナットウエスト、シュローダー、リーガル&ゼネラル、BNPパリバ、ソシエテ・ジェネラル、サンタンデール銀行、ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア銀行(BBVA)、クレディ・スイス、ドイツ銀行、コメルツ銀行、ABNアムロ、ノルデア銀行、フィデリティ・インターナショナル、三井住友フィナンシャル・グループ(SMFG)。

 日本企業では、花王、日本製紙、住友林業が5つ星評価で3つ星。味の素、大王製紙、ファーストリテイリング、丸紅、三井物産、王子ホールディングス、資生堂、ユニ・チャームが2つ星。イオン、アシックス、カルビー、大日本印刷、キューピー、キッコーマン、ロッテ、明治ホールディングス、三菱商事、ミツカンホールディングス、日清オイリオグループ、ニトリホールディングス、積水ハウス、セブン&アイ・ホールディングス、東洋水産、トヨタ自動車、ヤクルト本社、山崎製パン、読売新聞グループ本社が1つ星。星無しがJAグループだった。

 日本の金融機関では、三井住友フィナンシャル・グループが3つ星、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)、みずほフィナンシャルグループ、住友三井トラスト・ホールディングス(SMTH)が2つ星。大和証券グループ本社、国際協力銀行(JBIC)、野村ホールディングス、農林中央金庫、オリックスが1つ星。星無しが、年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)、公立学校共済組合、日本生命保険、地方公務員共済組合連合会。

 グローバル・キャノピーは2021年11月、金融機関向けの森林破壊ロードマップを発表し、2025年までに森林破棄と人権侵害をゼロに近づけるための5つのステップを示している。2022年12月には同ロードマップの改訂も実施。その上で、今回発行したガイダンスは、投融資ポートフォリオで、森林破壊や人権侵害のリスクに関するデューデリジェンスプロセスの実践方法を示したもの。透明で柔軟な方法論を用い、企業のエクスポージャーと政策リスクを評価する「決定木」プロセスを設定した。まずリスクの大きい投融資先で集中的に対策することに力点を置いた。

 さらに今回のガイダンスでは、既存のデータセットの分類表も掲載しており、用途に合わせて金融機関がアクセスすべきデータセットも示されている。

【参照ページ】New guidance helps financial institutions grapple with deforestation due diligence
【参照ページ】Financial institutions “woefully behind” on deforestation risk, finds 9th annual Global Canopy Forest 500 report
【参照ページ】Finance Sector Roadmap

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