Sustainable Japan | 世界のサステナビリティ・ESG投資・SDGs

【国際】IRENA、IEA等、SDGs目標7「エネルギー」の進捗報告書を発表。アクション不足に警鐘

 国際再生可能エネルギー機関(IRENA)は6月6日、国際エネルギー機関(IEA)、国連統計局(UNSD)、世界銀行、世界保健機関(WHO)と共同制作した国連持続可能な開発目標(SDGs)の再生可能エネルギーに関する目標7の進捗状況を評価した報告書を発表した。2030年までの目標達成に向けて現在の取り組みでは不十分と警鐘を鳴らした。

 今回の発表では、電力部門における再生可能エネルギーの利用率の向上等の特定の分野では一定の成果があると評価しつつ、目標の達成にはアクションが不十分だと指摘。現在のアクションを継続した場合、2030年には19億人がクリーンな調理エネルギーにアクセスできず、6.6億人が再生可能エネルギーにアクセスできないと予想した。

 同報告書では、まず、電気が利用可能な世界の人口は2010年の84%から2021年には91%に増加、10億人以上が利用可能となったと報告。一方、2019年から2021年にかけて増加ペースは鈍化し、都市部と農村部の格差は依然として大きい。サブサハラアフリカでは、2021年時点で約5.7億人が電気を利用できず、電気が利用できない人口の約80%を占めており、2010年からほぼ変わらない水準だと指摘した。

 クリーンな調理エネルギーへのアクセスも、同様に進捗が遅れている。サブサハラアフリカとアジアを中心に最大23億人が室内の大気汚染につながる燃料や技術を使用して調理しており、薪集めや調理に最大週40時間が必要なことから、女性の就業や地域の意思決定期間への参加や子供の就学を禁止していると報告した。WHOの調査では年間320万人がこれらの家庭からの大気汚染に起因しているとのこと。

 世界の消費電力における再生可能エネルギーの割合は、2019年の26.3%から2020年の28.2%に増加しており、SDGs設定以来最大の増加率となったことを評価。しかし、世界のエネルギー消費の4分の3以上を占める暖房と輸送における再生可能エネルギーの割合は改善していないと報告した。GDP1米ドルあたりのエネルギー使用量を示すエネルギー原単位も、2010年から2020年にかけて毎年1.8%ずつ改善しており、過去平均の1.2%よりも高いが、2030年の目標達成に向け平均3.4%にする必要がある。

 発展途上国へのクリーンエネルギーへの国際的な公的資金の投資額は、2021年は108億米ドル(約1.5兆円)となり3年連続で減少。2010年から2019年までの平均より35%少なく、ピーク時の2017年の264億米ドル(約3.7兆円)の4割しかないと報告した。

 2030年の目標達成に向けて、電気やクリーンな調理エネルギーへのアクセスにおける格差を改善するためのより具体的かつ強力なコミットメント、持続可能な開発とエネルギー安全保障を前提とした世界のエネルギーシステムの根本的な転換、国際協力と融資の必要性を訴えた。

【参照ページ】Basic Energy Access Lags Amid Renewable Opportunities New Report Shows

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 国際再生可能エネルギー機関(IRENA)は6月6日、国際エネルギー機関(IEA)、国連統計局(UNSD)、世界銀行、世界保健機関(WHO)と共同制作した国連持続可能な開発目標(SDGs)の再生可能エネルギーに関する目標7の進捗状況を評価した報告書を発表した。2030年までの目標達成に向けて現在の取り組みでは不十分と警鐘を鳴らした。

 今回の発表では、

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 国際再生可能エネルギー機関(IRENA)は6月6日、国際エネルギー機関(IEA)、国連統計局(UNSD)、世界銀行、世界保健機関(WHO)と共同制作した国連持続可能な開発目標(SDGs)の再生可能エネルギーに関する目標7の進捗状況を評価した報告書を発表した。2030年までの目標達成に向けて現在の取り組みでは不十分と警鐘を鳴らした。

 今回の発表では、

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 国際再生可能エネルギー機関(IRENA)は6月6日、国際エネルギー機関(IEA)、国連統計局(UNSD)、世界銀行、世界保健機関(WHO)と共同制作した国連持続可能な開発目標(SDGs)の再生可能エネルギーに関する目標7の進捗状況を評価した報告書を発表した。2030年までの目標達成に向けて現在の取り組みでは不十分と警鐘を鳴らした。

 今回の発表では、電力部門における再生可能エネルギーの利用率の向上等の特定の分野では一定の成果があると評価しつつ、目標の達成にはアクションが不十分だと指摘。現在のアクションを継続した場合、2030年には19億人がクリーンな調理エネルギーにアクセスできず、6.6億人が再生可能エネルギーにアクセスできないと予想した。

 同報告書では、まず、電気が利用可能な世界の人口は2010年の84%から2021年には91%に増加、10億人以上が利用可能となったと報告。一方、2019年から2021年にかけて増加ペースは鈍化し、都市部と農村部の格差は依然として大きい。サブサハラアフリカでは、2021年時点で約5.7億人が電気を利用できず、電気が利用できない人口の約80%を占めており、2010年からほぼ変わらない水準だと指摘した。

 クリーンな調理エネルギーへのアクセスも、同様に進捗が遅れている。サブサハラアフリカとアジアを中心に最大23億人が室内の大気汚染につながる燃料や技術を使用して調理しており、薪集めや調理に最大週40時間が必要なことから、女性の就業や地域の意思決定期間への参加や子供の就学を禁止していると報告した。WHOの調査では年間320万人がこれらの家庭からの大気汚染に起因しているとのこと。

 世界の消費電力における再生可能エネルギーの割合は、2019年の26.3%から2020年の28.2%に増加しており、SDGs設定以来最大の増加率となったことを評価。しかし、世界のエネルギー消費の4分の3以上を占める暖房と輸送における再生可能エネルギーの割合は改善していないと報告した。GDP1米ドルあたりのエネルギー使用量を示すエネルギー原単位も、2010年から2020年にかけて毎年1.8%ずつ改善しており、過去平均の1.2%よりも高いが、2030年の目標達成に向け平均3.4%にする必要がある。

 発展途上国へのクリーンエネルギーへの国際的な公的資金の投資額は、2021年は108億米ドル(約1.5兆円)となり3年連続で減少。2010年から2019年までの平均より35%少なく、ピーク時の2017年の264億米ドル(約3.7兆円)の4割しかないと報告した。

 2030年の目標達成に向けて、電気やクリーンな調理エネルギーへのアクセスにおける格差を改善するためのより具体的かつ強力なコミットメント、持続可能な開発とエネルギー安全保障を前提とした世界のエネルギーシステムの根本的な転換、国際協力と融資の必要性を訴えた。

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