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【国際】ATNI、ネスレの栄養目標に苦言。売上目標に対するカバー率が低すぎる

 企業栄養評価の国際団体「栄養アクセス・インデックス(Access to Nutrition Index:ATNI)」は9月29日、食品世界大手スイスのネスレが9月に発表した2030年までの栄養価の高い健康的な商品での売上目標に対するコメントを発表した。

【参考】【国際】ネスレ、健康的な食品で2030年売上目標を約4兆円に設定。2022年比50%伸長(2023年9月30日)

 同社は、2030年までに栄養価の高い健康的な商品での売上を、200億スイスフランから250億スイスフラン(約3.2兆円から約4兆円)の規模まで伸ばす目標を設定。同目標は2022年比で約50%成長に相当する。具体的な商品として、世界的に有名なオーストラリアの評価指標Health Star Rating(HSR)で3.5以上の商品に加え、離乳食、ビタミン・ミネラルサプリメント、医療用栄養食品等とした。

 ANTIは、より健康的な製品の売上高目標を掲げたことを歓迎しつつも、不健康な製品の売上が増加した場合、同社の製品ポートフォリオ全体の健康性は改善しないと指摘。不健康な製品に対する目標が設定されておらず、今後の展開についても言及していないとした。

 ANTIは2023年3月にも、同社のサステナビリティレポートに対するコメントを発表し、全商品に対して具体的かつ測定可能な目標の設定を求めていた。そのため、今回の同社の目標設定は不十分だとした。

 具体的には、2030年までにHSR3.5以上の売上高の割合を50%以上にすることを目指すことを提言。ANTIはすべての食品・飲料メーカーに対して、2030年までに売上の50%以上を健康的な製品とするよう求めている。

 同社が設定した16歳未満への広告・マーケティングの自主禁止にも言及。嗜好品、特に菓子とアイスクリームでの責任あるマーケティングを強化する姿勢も示したが、すべての製品カテゴリーに適用されるわけではないと指摘。ANTIは世界保健機関(WHO)と国連児童基金(UNICEF)が定めているガイドラインに則り、食品会社が18歳未満の子供に対して不健康な食品に関するマーケティングを実施しないことを求めている。

 また、生後6ヶ月から36ヶ月までの幼児を対象としたベビーフードの健康性の評価に関して、HSRではなく、WHOが開発した幼児向けの健康性を評価するためのモデル「NUTRIENT AND PROMOTION PROFILE MODEL(NPPM)」を活用することを提言。ANTIは、同社を含む世界のベビーフード製品を販売する6企業の評価を実施しており、2023年後半に報告書がリリースされる予定だとした。

【参照ページ】ATNI’s Response to Nestlé’s New Nutrition Targets

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 企業栄養評価の国際団体「栄養アクセス・インデックス(Access to Nutrition Index:ATNI)」は9月29日、食品世界大手スイスのネスレが9月に発表した2030年までの栄養価の高い健康的な商品での売上目標に対するコメントを発表した。

【参考】【国際】ネスレ、健康的な食品で2030年売上目標を約4兆円に設定。2022年比50%伸長(2023年9月30日)

 同社は、

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 企業栄養評価の国際団体「栄養アクセス・インデックス(Access to Nutrition Index:ATNI)」は9月29日、食品世界大手スイスのネスレが9月に発表した2030年までの栄養価の高い健康的な商品での売上目標に対するコメントを発表した。

【参考】【国際】ネスレ、健康的な食品で2030年売上目標を約4兆円に設定。2022年比50%伸長(2023年9月30日)

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 企業栄養評価の国際団体「栄養アクセス・インデックス(Access to Nutrition Index:ATNI)」は9月29日、食品世界大手スイスのネスレが9月に発表した2030年までの栄養価の高い健康的な商品での売上目標に対するコメントを発表した。

【参考】【国際】ネスレ、健康的な食品で2030年売上目標を約4兆円に設定。2022年比50%伸長(2023年9月30日)

 同社は、2030年までに栄養価の高い健康的な商品での売上を、200億スイスフランから250億スイスフラン(約3.2兆円から約4兆円)の規模まで伸ばす目標を設定。同目標は2022年比で約50%成長に相当する。具体的な商品として、世界的に有名なオーストラリアの評価指標Health Star Rating(HSR)で3.5以上の商品に加え、離乳食、ビタミン・ミネラルサプリメント、医療用栄養食品等とした。

 ANTIは、より健康的な製品の売上高目標を掲げたことを歓迎しつつも、不健康な製品の売上が増加した場合、同社の製品ポートフォリオ全体の健康性は改善しないと指摘。不健康な製品に対する目標が設定されておらず、今後の展開についても言及していないとした。

 ANTIは2023年3月にも、同社のサステナビリティレポートに対するコメントを発表し、全商品に対して具体的かつ測定可能な目標の設定を求めていた。そのため、今回の同社の目標設定は不十分だとした。

 具体的には、2030年までにHSR3.5以上の売上高の割合を50%以上にすることを目指すことを提言。ANTIはすべての食品・飲料メーカーに対して、2030年までに売上の50%以上を健康的な製品とするよう求めている。

 同社が設定した16歳未満への広告・マーケティングの自主禁止にも言及。嗜好品、特に菓子とアイスクリームでの責任あるマーケティングを強化する姿勢も示したが、すべての製品カテゴリーに適用されるわけではないと指摘。ANTIは世界保健機関(WHO)と国連児童基金(UNICEF)が定めているガイドラインに則り、食品会社が18歳未満の子供に対して不健康な食品に関するマーケティングを実施しないことを求めている。

 また、生後6ヶ月から36ヶ月までの幼児を対象としたベビーフードの健康性の評価に関して、HSRではなく、WHOが開発した幼児向けの健康性を評価するためのモデル「NUTRIENT AND PROMOTION PROFILE MODEL(NPPM)」を活用することを提言。ANTIは、同社を含む世界のベビーフード製品を販売する6企業の評価を実施しており、2023年後半に報告書がリリースされる予定だとした。

【参照ページ】ATNI’s Response to Nestlé’s New Nutrition Targets

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