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【国際】PRI、ESG投資の「進化(プログレッション)」パスウェイの策定作業開始。インパクトに焦点

 国連責任投資原則(PRI)は10月24日、PRI署名機関がESG投資の慣行を進化させていくフレームワークとなる「プログレッション・パスウェイ」の共同設計作業を開始した。

 プログレッション・パスウェイの策定作業の背景には、PRIが2006年に発足して以来、ESG投資の普及や規制枠組みの整備等により、「ESG投資とはなにか」という問いに対する本質が大きく変化してきているとの認識がある。また、署名機関の間でもESG投資の概念をどのように前進させるかという意見に関し、大きな乖離があり、PRIとして関連議論を包括的に整理したいとの思惑もある。

 プログレッション・パスウェイは、特に投資による社会・環境インパクトの測定に関する扱いにフォーカスしており、PRIが先に実施した署名機関向けの意見募集では、回答者の95%がESG投資の進化への期待を認め、また83%がプログレッションを適切に表現する必要性も表明している。

 今回の作業では、PRIは、「プログレッション(進化)」に関し、2つの整理を計画している。まずは、投資意思決定及びエンゲージメント・議決権行使に関するインパクトの扱い。今回発表したペーパーでは、インパクトを追求せず純粋に財務リターンの向上のみを目的とする「パスウェイA」、財務リターンとともにポジティブ・インパクトの向上を目的とする「パスウェイB」、ポジティブインパクトの向上を目的とする「パスウェイC」の3つを提示。パスウェイA、B、Cのどれを選ぶかは署名機関の自由としつつ、各々で進化させていくための道筋を固めていく。

 10月に東京で開催されたPRIの年次総会「PRI in Person」では、「パスウェイA」を「責任ある投資家(Responsible Investor)」、「パスウェイB」を「持続可能な投資家(Sustainable Investor)、「パスウェイC」を「インパクト投資家(Impact Investor)」とネーミングする案も示されたが、会場からは、「不容易にネーミングをつけると混乱する」「どのパスウェイを選ぶかは、会社単位ではなく、ファンド単位に違う」等の意見も出ていた。これらを受け、今回の原案発表では、ネーミングについては記載されていない。

 「プログレッション(進化)」の整理に関するもう一つは、気候変動、人権、生物多様性等のテーマ毎の進化の道筋に関するもの。これらについても、実践レベルに応じて、レベル1、レベル2、レベル3というようなロードマップを固めていく。

 PRIは今回、署名機関との協働しながら策定することを強調。また策定後も必須とはせず、署名機関が任意に参照できるツールとして位置づける考えも示した。

【参照ページ】PRI introduces Progression Pathways, a step-by-step journey to support progress on responsible investment practices

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 国連責任投資原則(PRI)は10月24日、PRI署名機関がESG投資の慣行を進化させていくフレームワークとなる「プログレッション・パスウェイ」の共同設計作業を開始した。

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 国連責任投資原則(PRI)は10月24日、PRI署名機関がESG投資の慣行を進化させていくフレームワークとなる「プログレッション・パスウェイ」の共同設計作業を開始した。

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 国連責任投資原則(PRI)は10月24日、PRI署名機関がESG投資の慣行を進化させていくフレームワークとなる「プログレッション・パスウェイ」の共同設計作業を開始した。

 プログレッション・パスウェイの策定作業の背景には、PRIが2006年に発足して以来、ESG投資の普及や規制枠組みの整備等により、「ESG投資とはなにか」という問いに対する本質が大きく変化してきているとの認識がある。また、署名機関の間でもESG投資の概念をどのように前進させるかという意見に関し、大きな乖離があり、PRIとして関連議論を包括的に整理したいとの思惑もある。

 プログレッション・パスウェイは、特に投資による社会・環境インパクトの測定に関する扱いにフォーカスしており、PRIが先に実施した署名機関向けの意見募集では、回答者の95%がESG投資の進化への期待を認め、また83%がプログレッションを適切に表現する必要性も表明している。

 今回の作業では、PRIは、「プログレッション(進化)」に関し、2つの整理を計画している。まずは、投資意思決定及びエンゲージメント・議決権行使に関するインパクトの扱い。今回発表したペーパーでは、インパクトを追求せず純粋に財務リターンの向上のみを目的とする「パスウェイA」、財務リターンとともにポジティブ・インパクトの向上を目的とする「パスウェイB」、ポジティブインパクトの向上を目的とする「パスウェイC」の3つを提示。パスウェイA、B、Cのどれを選ぶかは署名機関の自由としつつ、各々で進化させていくための道筋を固めていく。

 10月に東京で開催されたPRIの年次総会「PRI in Person」では、「パスウェイA」を「責任ある投資家(Responsible Investor)」、「パスウェイB」を「持続可能な投資家(Sustainable Investor)、「パスウェイC」を「インパクト投資家(Impact Investor)」とネーミングする案も示されたが、会場からは、「不容易にネーミングをつけると混乱する」「どのパスウェイを選ぶかは、会社単位ではなく、ファンド単位に違う」等の意見も出ていた。これらを受け、今回の原案発表では、ネーミングについては記載されていない。

 「プログレッション(進化)」の整理に関するもう一つは、気候変動、人権、生物多様性等のテーマ毎の進化の道筋に関するもの。これらについても、実践レベルに応じて、レベル1、レベル2、レベル3というようなロードマップを固めていく。

 PRIは今回、署名機関との協働しながら策定することを強調。また策定後も必須とはせず、署名機関が任意に参照できるツールとして位置づける考えも示した。

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