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【国際】COP28、60ヶ国以上が「世界冷房協定」署名。冷房・冷蔵設備で2050年までに68%以上減

 60ヶ国以上の政府は12月5日、国連気候変動枠組条約第28回ドバイ締約国会議(COP28)の場で、冷房・冷蔵での温室効果ガス排出量を大幅に削減することにコミットする「グローバル・クーリング・プレッジ(世界冷房協定)」に署名した。署名国はまだ公表されていないが、米国、英国、カナダ、ケニア等が署名した模様。

 同協定では、まず、2050年までに全てのセクターでの冷房・冷蔵関連の排出量を2022年比で68%以上削減することを目標として設定。その一環として、モントリオール議定書のキガリ改正を未批准の国は批准にコミットする。また、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)の段階的削減及びHFC(ハイドロフルオロカーボン)の段階的削減のため、モントリオール議定書多国間基金を通じ、HFC消費量削減のための早期行動を支援しながら、省エネ性能を改善する。

 さらに2026年までに国家冷房行動計画を策定し、パリ協定に基づく国別削減目標(NDC)にも反映させることをコミット。国家建築基準法を制定している国については、遅くとも2030年までに、新築及び修繕された建物に関し、パッシブエアコンや省エネ戦略のような市場に適した措置を組み込んだ国家モデル建築エネルギー基準を策定することにもコミットした。国単位での基準法がない国には、地方政府レベルでの建築エネルギー基準の採用を支援することを約束した。

 空調設備では、署名国は、遅くとも2030年までに、販売される新規空調機器の世界平均省エネ等級を、世界の2022年設置ベースラインから50%引き上げるために協力することにもコミット。2050年にカーボンニュートラルを達成するための最低エネルギー性能基準(MEPS)も遅くとも2030年までに制定していく。政府は公共調達方針にも、遅くとも2030年までに低GWP及び高効率冷房技術の積極的な採用を掲げる。フルオロカーボンのライフサイクル管理に関するイニシアチブ等を通じ、フルオロカーボンのライフサイクル・マネジメント、特にHFCバンクへの対応を追求することも約束した。

 地域レベル及び国際レベルでは、共同研究、イノベーション、社会実装を支援する。特に、農村部、遠隔地、非電化地域における再生可能エネルギーに基づく冷房装置の導入や、GWP150未満の冷媒を使用する冷却システムの研究開発等を進める。

 今回の発表にあわせ、国連環境計画(UNEP)のCool Coalition(クール連合)は、冷房・冷蔵の現状と改善策に関する報告書を発表。ハイドロフルオロカーボン(HFC)冷媒の早期段階的削減や、パッシブエアコン、厳格な省エネ基準の3つの導入を提言している。これらにより、最終消費者の電気料金を2050年に1兆米ドル、2022年から2050年の間に累計で17兆米ドルのコスト削減につながるとした。ピーク時電力需要も1.5TWhから2TWh削減でき、4兆米ドルから5兆米ドルの発電への投資も不要になるという。実行することで、同分野の排出量の60%を、さらに電源のカーボンニュートラル化を進めれば96%の削減が可能になる。

 2022年時点では、80%以上の国が上記3つの提言のうち1つ以上の規制を導入している。しかし、3つ全ての規制を導入している国は30%にとどまっている。

 同協定の署名国は、2030年まで、同協定の目標達成に向けた進捗状況を毎年レビューし、COPの専門ハイレベル会合で確認していくことも約束した。

【参照ページ】COP28: Over 60 countries pledge to slash cooling emissions amid rising temperatures
【参照ページ】Key measures could slash predicted 2050 emissions from cooling sector
【参照ページ】KEY MEASURES COULD SLASH PREDICTED 2050 EMISSIONS FROM COOLING SECTOR
【参照ページ】Global Cooling Pledge for COP28

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 60ヶ国以上の政府は12月5日、国連気候変動枠組条約第28回ドバイ締約国会議(COP28)の場で、冷房・冷蔵での温室効果ガス排出量を大幅に削減することにコミットする「グローバル・クーリング・プレッジ(世界冷房協定)」に署名した。署名国はまだ公表されていないが、米国、英国、カナダ、ケニア等が署名した模様。

 同協定では、

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 60ヶ国以上の政府は12月5日、国連気候変動枠組条約第28回ドバイ締約国会議(COP28)の場で、冷房・冷蔵での温室効果ガス排出量を大幅に削減することにコミットする「グローバル・クーリング・プレッジ(世界冷房協定)」に署名した。署名国はまだ公表されていないが、米国、英国、カナダ、ケニア等が署名した模様。

 同協定では、

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 60ヶ国以上の政府は12月5日、国連気候変動枠組条約第28回ドバイ締約国会議(COP28)の場で、冷房・冷蔵での温室効果ガス排出量を大幅に削減することにコミットする「グローバル・クーリング・プレッジ(世界冷房協定)」に署名した。署名国はまだ公表されていないが、米国、英国、カナダ、ケニア等が署名した模様。

 同協定では、まず、2050年までに全てのセクターでの冷房・冷蔵関連の排出量を2022年比で68%以上削減することを目標として設定。その一環として、モントリオール議定書のキガリ改正を未批准の国は批准にコミットする。また、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)の段階的削減及びHFC(ハイドロフルオロカーボン)の段階的削減のため、モントリオール議定書多国間基金を通じ、HFC消費量削減のための早期行動を支援しながら、省エネ性能を改善する。

 さらに2026年までに国家冷房行動計画を策定し、パリ協定に基づく国別削減目標(NDC)にも反映させることをコミット。国家建築基準法を制定している国については、遅くとも2030年までに、新築及び修繕された建物に関し、パッシブエアコンや省エネ戦略のような市場に適した措置を組み込んだ国家モデル建築エネルギー基準を策定することにもコミットした。国単位での基準法がない国には、地方政府レベルでの建築エネルギー基準の採用を支援することを約束した。

 空調設備では、署名国は、遅くとも2030年までに、販売される新規空調機器の世界平均省エネ等級を、世界の2022年設置ベースラインから50%引き上げるために協力することにもコミット。2050年にカーボンニュートラルを達成するための最低エネルギー性能基準(MEPS)も遅くとも2030年までに制定していく。政府は公共調達方針にも、遅くとも2030年までに低GWP及び高効率冷房技術の積極的な採用を掲げる。フルオロカーボンのライフサイクル管理に関するイニシアチブ等を通じ、フルオロカーボンのライフサイクル・マネジメント、特にHFCバンクへの対応を追求することも約束した。

 地域レベル及び国際レベルでは、共同研究、イノベーション、社会実装を支援する。特に、農村部、遠隔地、非電化地域における再生可能エネルギーに基づく冷房装置の導入や、GWP150未満の冷媒を使用する冷却システムの研究開発等を進める。

 今回の発表にあわせ、国連環境計画(UNEP)のCool Coalition(クール連合)は、冷房・冷蔵の現状と改善策に関する報告書を発表。ハイドロフルオロカーボン(HFC)冷媒の早期段階的削減や、パッシブエアコン、厳格な省エネ基準の3つの導入を提言している。これらにより、最終消費者の電気料金を2050年に1兆米ドル、2022年から2050年の間に累計で17兆米ドルのコスト削減につながるとした。ピーク時電力需要も1.5TWhから2TWh削減でき、4兆米ドルから5兆米ドルの発電への投資も不要になるという。実行することで、同分野の排出量の60%を、さらに電源のカーボンニュートラル化を進めれば96%の削減が可能になる。

 2022年時点では、80%以上の国が上記3つの提言のうち1つ以上の規制を導入している。しかし、3つ全ての規制を導入している国は30%にとどまっている。

 同協定の署名国は、2030年まで、同協定の目標達成に向けた進捗状況を毎年レビューし、COPの専門ハイレベル会合で確認していくことも約束した。

【参照ページ】COP28: Over 60 countries pledge to slash cooling emissions amid rising temperatures
【参照ページ】Key measures could slash predicted 2050 emissions from cooling sector
【参照ページ】KEY MEASURES COULD SLASH PREDICTED 2050 EMISSIONS FROM COOLING SECTOR
【参照ページ】Global Cooling Pledge for COP28

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