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【韓国】金融委員会、グリーンファイナンスを2030年までに47兆円。5大商業銀行と協働

 韓国金融委員会(FSC)は3月19日、気候ファイナンスを強化する政策を発表した。気候危機対応金融支援拡大策として、3つの主要な対策を開始する。

 今回開催した会合には、キム・ジュヒョン委員長の他、タンノク民間委員会委員長、環境部長官、金融監督院副院長、銀行連合会会長、5大商業銀行の国民銀行、新韓銀行、ウリ銀行、ハナ銀行、NH農協銀行の頭取、韓国開発銀行頭取、韓国産業銀行頭取、輸出入銀行頭取、信用保証基金頭取、韓国技術金融公社頭取、成長金融代表等も出席した。

  まず、政府系金融機関の韓国開発銀行、輸出入銀行、韓国産業銀行、信用保証基金、技術保証基金の役割を強化し、2030年までに総額420兆ウォン(約47兆円)の政策金融を供給。さらに、政府系金融機関自身の資金調達も進める必要があることから、政策金融のパラダイムを転換し、2030年までに政府系金融機関からのグリーン資金供給量を過去5年間平均の年間36兆ウォン(約4兆円)から、年間60兆ウォン(約6.8兆円)へと67%増やすことを決めた。

 次に、再生可能エネルギー発電拡大で想定される160兆ウォン(約18兆円)の資金需要を支えるため、銀行からの投資を通じ、総額9兆ウォン(約1兆円)の「未来エネルギー基金」を新設する。これにより、サプライチェーン全体でのカーボンニュートラル化という国際的な潮流に対応する。同委員会は、再生可能エネルギーの新設及び拡張での資金需要総額は約188兆ウォンと推定しており、そのうち金融需要が約160兆ウォンと見立てている。但し、洋上風力発電の場合、融資から回収まで最大25年程度かかると予想されることから、劣後ローンや出資を含む54兆ウォンのベンチャーキャピタルを供給し、その一部となる23兆ウォンを政府系金融機関と民間銀行が共同で担うとした。

 未来エネルギー基金では、韓国開発銀行と、国民銀行、新韓銀行、ハナ銀行、ウリ銀行、NH農協銀行の5大商業銀行が、合計8兆ウォンを2030年までに出資。第1段階として1兆2,600億ウォンの規模でスタートし、必要に応じて出資銀行6行で構成する協議体を通じて追加出資を行う。その際、韓国開発銀行が各ファンドに20%ずつ出資するリスク吸収の役割を考慮し、リスクウェイトを現在の400%から100%に引き下げることで、商業銀行がファンドに出資する際のBIS比率の負担を軽減する。調達した資金は、国内の太陽光発電や風力発電等の再生可能エネルギー発電に投資される。

 3つ目は、食料・農業分野での気候テックに約9兆ウォンを投資していく。まず、韓国産業銀行が2,625億ウォン、5大商業銀行が各1,575億ウォンで、合計1兆500億ウォンを投資し、他の民間資本1兆9,500億ウォンとマッチングして、合計3兆ウォンを調達していく。第1段階では、6行から1,260億ウォンと、他の民間資本から2,340億ウォンの3,600億ウォンでスタートし、その状況に応じて追加で資金を入れる。残りの6兆ウォンは、政府のイノベーション成長基金から5兆ウォン、成長ブリッジ基金から1兆ウォンを投資する。

 また同委員会は、韓国版グリーンタクソノミーを融資分野にも適用するとともに、グリーン融資管理ガイドラインも策定する。また金融監督でも気候リスク管理の強化を強化していく。

最後に、気候危機に対応するための民間資金支援を活性化するための制度も見直す。まず今年度は、2021年位策定した韓国のグリーン分類システムを融資に適用し、民間金融機関のグリーン度判断を支援するための「(仮称)グリーン債権管理ガイドライン」の作成を推進する。また、金融セクターへの立入検査や金融セクター気候リスクシンポジウムの開催などを通じて、金融セクターにおける気候リスク管理の強化を支援する。

 また出席した環境部からもグリーンファイナンス拡大で4つの実施計画が提示された。まず、水、サーキュラーエコノミー、汚染防止、生物多様性を含めた形で韓国版グリーンタクソノミーを2024年12月に一部改訂しにいく。

 次に、グリーンファイナンス活性化の基盤整備として、上場企業が気候関連開示に利用できる温室効果ガス排出量算定ガイドラインの公表、環境産業特区制度と韓国グリーンタクソノミーの連携、グリーンファイナンス分野の専門家の育成を掲げた。同時に、カーボンニュートラルに関する専門知識の不足やグリーンウォッシュへの懸念から、グリーン投資に消極的な企業や金融機関の判断を支援し、グリーンファイナンスに対する不透明感を解消するための基準や制度も整備する。

 3つ目は、2027年までに民間のグリーンファイナンスを30兆ウォン規模に拡大する目標を掲げ、グリーンボンドやグリーンローン等の政府支援を大幅に拡大。年間3兆ウォン規模のグリーンボンド発行を支援し、年間2兆ウォン規模の企業のグリーン投資に対する融資利子も補給する。海外プロジェクトも見据え、グリーン輸出ファンドも新設。中小企業向けには、技術保証基金と共同で「グリーン産業技術保証」事業を新設し、グリーン企業に対する保証の規模を拡大する。

 4つ目は、二酸化炭素排出量取引制度の高度化。国の削減目標を達成するため、二酸化炭素排出量取引制度の第4次基本計画を策定し、排出量取引市場の活性化のため、金融投資商品の段階的導入を推進する。排出量連動型金融商品により第三者による間接投資が可能とすることで、合理的な排出量価格の形成と取引量の増加を期待する。また、取引の利便性を高め、第三者の参加を拡大するため、委託取引の導入も計画している。

【参照ページ】[보도자료] 기후위기 대응을 위한 금융지원 관련 은행장 간담회 개최

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 韓国金融委員会(FSC)は3月19日、気候ファイナンスを強化する政策を発表した。気候危機対応金融支援拡大策として、3つの主要な対策を開始する。

 今回開催した会合には、

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 今回開催した会合には、

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 韓国金融委員会(FSC)は3月19日、気候ファイナンスを強化する政策を発表した。気候危機対応金融支援拡大策として、3つの主要な対策を開始する。

 今回開催した会合には、キム・ジュヒョン委員長の他、タンノク民間委員会委員長、環境部長官、金融監督院副院長、銀行連合会会長、5大商業銀行の国民銀行、新韓銀行、ウリ銀行、ハナ銀行、NH農協銀行の頭取、韓国開発銀行頭取、韓国産業銀行頭取、輸出入銀行頭取、信用保証基金頭取、韓国技術金融公社頭取、成長金融代表等も出席した。

  まず、政府系金融機関の韓国開発銀行、輸出入銀行、韓国産業銀行、信用保証基金、技術保証基金の役割を強化し、2030年までに総額420兆ウォン(約47兆円)の政策金融を供給。さらに、政府系金融機関自身の資金調達も進める必要があることから、政策金融のパラダイムを転換し、2030年までに政府系金融機関からのグリーン資金供給量を過去5年間平均の年間36兆ウォン(約4兆円)から、年間60兆ウォン(約6.8兆円)へと67%増やすことを決めた。

 次に、再生可能エネルギー発電拡大で想定される160兆ウォン(約18兆円)の資金需要を支えるため、銀行からの投資を通じ、総額9兆ウォン(約1兆円)の「未来エネルギー基金」を新設する。これにより、サプライチェーン全体でのカーボンニュートラル化という国際的な潮流に対応する。同委員会は、再生可能エネルギーの新設及び拡張での資金需要総額は約188兆ウォンと推定しており、そのうち金融需要が約160兆ウォンと見立てている。但し、洋上風力発電の場合、融資から回収まで最大25年程度かかると予想されることから、劣後ローンや出資を含む54兆ウォンのベンチャーキャピタルを供給し、その一部となる23兆ウォンを政府系金融機関と民間銀行が共同で担うとした。

 未来エネルギー基金では、韓国開発銀行と、国民銀行、新韓銀行、ハナ銀行、ウリ銀行、NH農協銀行の5大商業銀行が、合計8兆ウォンを2030年までに出資。第1段階として1兆2,600億ウォンの規模でスタートし、必要に応じて出資銀行6行で構成する協議体を通じて追加出資を行う。その際、韓国開発銀行が各ファンドに20%ずつ出資するリスク吸収の役割を考慮し、リスクウェイトを現在の400%から100%に引き下げることで、商業銀行がファンドに出資する際のBIS比率の負担を軽減する。調達した資金は、国内の太陽光発電や風力発電等の再生可能エネルギー発電に投資される。

 3つ目は、食料・農業分野での気候テックに約9兆ウォンを投資していく。まず、韓国産業銀行が2,625億ウォン、5大商業銀行が各1,575億ウォンで、合計1兆500億ウォンを投資し、他の民間資本1兆9,500億ウォンとマッチングして、合計3兆ウォンを調達していく。第1段階では、6行から1,260億ウォンと、他の民間資本から2,340億ウォンの3,600億ウォンでスタートし、その状況に応じて追加で資金を入れる。残りの6兆ウォンは、政府のイノベーション成長基金から5兆ウォン、成長ブリッジ基金から1兆ウォンを投資する。

 また同委員会は、韓国版グリーンタクソノミーを融資分野にも適用するとともに、グリーン融資管理ガイドラインも策定する。また金融監督でも気候リスク管理の強化を強化していく。

最後に、気候危機に対応するための民間資金支援を活性化するための制度も見直す。まず今年度は、2021年位策定した韓国のグリーン分類システムを融資に適用し、民間金融機関のグリーン度判断を支援するための「(仮称)グリーン債権管理ガイドライン」の作成を推進する。また、金融セクターへの立入検査や金融セクター気候リスクシンポジウムの開催などを通じて、金融セクターにおける気候リスク管理の強化を支援する。

 また出席した環境部からもグリーンファイナンス拡大で4つの実施計画が提示された。まず、水、サーキュラーエコノミー、汚染防止、生物多様性を含めた形で韓国版グリーンタクソノミーを2024年12月に一部改訂しにいく。

 次に、グリーンファイナンス活性化の基盤整備として、上場企業が気候関連開示に利用できる温室効果ガス排出量算定ガイドラインの公表、環境産業特区制度と韓国グリーンタクソノミーの連携、グリーンファイナンス分野の専門家の育成を掲げた。同時に、カーボンニュートラルに関する専門知識の不足やグリーンウォッシュへの懸念から、グリーン投資に消極的な企業や金融機関の判断を支援し、グリーンファイナンスに対する不透明感を解消するための基準や制度も整備する。

 3つ目は、2027年までに民間のグリーンファイナンスを30兆ウォン規模に拡大する目標を掲げ、グリーンボンドやグリーンローン等の政府支援を大幅に拡大。年間3兆ウォン規模のグリーンボンド発行を支援し、年間2兆ウォン規模の企業のグリーン投資に対する融資利子も補給する。海外プロジェクトも見据え、グリーン輸出ファンドも新設。中小企業向けには、技術保証基金と共同で「グリーン産業技術保証」事業を新設し、グリーン企業に対する保証の規模を拡大する。

 4つ目は、二酸化炭素排出量取引制度の高度化。国の削減目標を達成するため、二酸化炭素排出量取引制度の第4次基本計画を策定し、排出量取引市場の活性化のため、金融投資商品の段階的導入を推進する。排出量連動型金融商品により第三者による間接投資が可能とすることで、合理的な排出量価格の形成と取引量の増加を期待する。また、取引の利便性を高め、第三者の参加を拡大するため、委託取引の導入も計画している。

【参照ページ】[보도자료] 기후위기 대응을 위한 금융지원 관련 은행장 간담회 개최

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