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【国際】環境NGO、銀行世界大手の2019年化石燃料融資状況報告書発表。MUFGとみずほ、状況不良

 国際環境NGOのレインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)、バンクトラック、シエラクラブ、オイル・チェンジ・インターナショナル、Indigenous Environmental Network、Honor The Earthの6団体は3月19日、世界主要銀行の化石燃料へ融資・引受状況をまとめた報告書「Fossil Fuel Finance Report Card 2019(化石燃料ファイナンス・レポートカード2019)」を発表した。同様のレポートは今年で10回目。当初は「Reportcard on banks and mountaintop removal」という名称だったが、2013年に「Coal Finance Report Card」に改称。さらに2016年から「Fossil Fuel Finance Report Card」という名称となり、石炭だけでなく問題性の高い化石燃料にまで分析対象を拡大した。

 報告書では、欧州、米国、カナダ、日本、中国、オーストラリアに本社を置く主要民間銀行グループ33社に関し化石燃料に対する融資・引受方針と融資・引受額を分析。2年前から、化石燃料案件への融資・引受が大きい日本のメガバンク3行と中国四大銀行も調査対象に加えられた。対象となった化石燃料案件は、石炭採掘、石炭火力発電、エクストリームオイル(オイルサンド、北極及び超深海の油)、液化天然ガス(LNG)輸出等、環境負荷が高いとされるもの。化石燃料案件への融資および債券・株式引受額については、ブルームバーグとオランダ金融調査会社プロフンド(Profundo)のデータを用いており、各化石燃料セクターの上位1,800社(昨年は30社)へ融資・引受額を算出した。

 同報告書によると、パリ協定採択後に33社が、問題性の高い化石燃料へ融資・引受した額は、1.9兆米ドル(約210兆円)。その中でも、化石燃料に積極的な180社へ融資・引受額は6,005億米ドル(約66兆円)。同報告書は、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の1.5℃特別報告書では、化石燃料の消費を廃止していかなければならず、2035年までに再生可能エネルギーに毎年2.4兆米ドル(約265兆円)の投資が必要としているにもかかわらず、それに沿ったものとなっていないと警鐘を鳴らした。日本のメガバンクでは、三井住友フィナンシャル・グループ(MUFG)が7位、みずほフィナンシャルグループが10位、三井住友フィナンシャルグループが21位だった。

 また同報告書は33行の融資・引受ポリシーも格付した。今年の最高位はC-で、取得したのは、BNPパリバ、BPCE/ナティクシス、クレディ・アグリコル、ING、ロイヤルバンク・オブ・スコットランド(RBS)、サンタンデール銀行、ソシエテ・ジェネラル、スタンダードチャータード。日本のメガバンクは、三井住友フィナンシャルグループのみD-で、MUFGとみずほフィナンシャルグループは、中国大手銀行と並びFだった。

過去3年の融資・引受額

順位 銀行名 金額(億USD)
1 JPモルガン・チェース 米国 1,957
2 ウェルズ・ファーゴ 米国 1,516
3 シティグループ 米国 1,295
4 バンク・オブ・アメリカ 米国 1,067
5 カナダロイヤル銀行(RBC) カナダ 1,005
6 バークレイズ 英国 852
7 三菱UFJフィナンシャル・グループ 日本 800
8 トロント・ドミニオン銀行(TD) カナダ 742
9 スコシアバンク カナダ 696
10 みずほフィナンシャルグループ 日本 677
11 モルガン・スタンレー 米国 669
12 ゴールドマン・サックス 米国 593
13 HSBC 英国 578
14 クレディ・スイス スイス 574
15 モントリオール銀行 カナダ 566
16 中国銀行 中国 555
17 ドイツ銀行 ドイツ 539
18 BNPパリバ フランス 510
19 中国工商銀行(ICBC) 中国 480
20 中国建設銀行 中国 395
21 三井住友フィナンシャルグループ 日本 381
22 カナダ帝国商業銀行(CIBC) カナダ 374
23 ソシエテ・ジェネラル フランス 365
24 クレディ・アグリコル フランス 322
25 UBS スイス 258


(出所)Fossil Fuel Finance Report Card 2019

融資・引受方針格付

【参照ページ】Report Finds Global Banks Poured $1.9 Trillion into Fossil Fuel Financing Since the Paris Agreement was Adopted, with Financing on the Rise Each Year
【レポート】Banking on Climate Change 2019

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 国際環境NGOのレインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)、バンクトラック、シエラクラブ、オイル・チェンジ・インターナショナル、Indigenous Environmental Network、Honor The Earthの6団体は3月19日、世界主要銀行の化石燃料へ融資・引受状況をまとめた報告書「Fossil Fuel Finance Report Card 2019(化石燃料ファイナンス・レポートカード2019)」を発表した。同様のレポートは今年で10回目。当初は「Reportcard on banks and mountaintop removal」という名称だったが、2013年に「Coal Finance Report Card」に改称。さらに2016年から「Fossil Fuel Finance Report Card」という名称となり、石炭だけでなく問題性の高い化石燃料にまで分析対象を拡大した。

 報告書では、欧州、米国、カナダ、日本、中国、オーストラリアに本社を置く主要民間銀行グループ33社に関し化石燃料に対する融資・引受方針と融資・引受額を分析。2年前から、化石燃料案件への融資・引受が大きい日本のメガバンク3行と中国四大銀行も調査対象に加えられた。対象となった化石燃料案件は、石炭採掘、石炭火力発電、エクストリームオイル(オイルサンド、北極及び超深海の油)、液化天然ガス(LNG)輸出等、環境負荷が高いとされるもの。化石燃料案件への融資および債券・株式引受額については、ブルームバーグとオランダ金融調査会社プロフンド(Profundo)のデータを用いており、各化石燃料セクターの上位1,800社(昨年は30社)へ融資・引受額を算出した。

 同報告書によると、パリ協定採択後に33社が、問題性の高い化石燃料へ融資・引受した額は、

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 国際環境NGOのレインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)、バンクトラック、シエラクラブ、オイル・チェンジ・インターナショナル、Indigenous Environmental Network、Honor The Earthの6団体は3月19日、世界主要銀行の化石燃料へ融資・引受状況をまとめた報告書「Fossil Fuel Finance Report Card 2019(化石燃料ファイナンス・レポートカード2019)」を発表した。同様のレポートは今年で10回目。当初は「Reportcard on banks and mountaintop removal」という名称だったが、2013年に「Coal Finance Report Card」に改称。さらに2016年から「Fossil Fuel Finance Report Card」という名称となり、石炭だけでなく問題性の高い化石燃料にまで分析対象を拡大した。

 報告書では、欧州、米国、カナダ、日本、中国、オーストラリアに本社を置く主要民間銀行グループ33社に関し化石燃料に対する融資・引受方針と融資・引受額を分析。2年前から、化石燃料案件への融資・引受が大きい日本のメガバンク3行と中国四大銀行も調査対象に加えられた。対象となった化石燃料案件は、石炭採掘、石炭火力発電、エクストリームオイル(オイルサンド、北極及び超深海の油)、液化天然ガス(LNG)輸出等、環境負荷が高いとされるもの。化石燃料案件への融資および債券・株式引受額については、ブルームバーグとオランダ金融調査会社プロフンド(Profundo)のデータを用いており、各化石燃料セクターの上位1,800社(昨年は30社)へ融資・引受額を算出した。

 同報告書によると、パリ協定採択後に33社が、問題性の高い化石燃料へ融資・引受した額は、

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 国際環境NGOのレインフォレスト・アクション・ネットワーク(RAN)、バンクトラック、シエラクラブ、オイル・チェンジ・インターナショナル、Indigenous Environmental Network、Honor The Earthの6団体は3月19日、世界主要銀行の化石燃料へ融資・引受状況をまとめた報告書「Fossil Fuel Finance Report Card 2019(化石燃料ファイナンス・レポートカード2019)」を発表した。同様のレポートは今年で10回目。当初は「Reportcard on banks and mountaintop removal」という名称だったが、2013年に「Coal Finance Report Card」に改称。さらに2016年から「Fossil Fuel Finance Report Card」という名称となり、石炭だけでなく問題性の高い化石燃料にまで分析対象を拡大した。

 報告書では、欧州、米国、カナダ、日本、中国、オーストラリアに本社を置く主要民間銀行グループ33社に関し化石燃料に対する融資・引受方針と融資・引受額を分析。2年前から、化石燃料案件への融資・引受が大きい日本のメガバンク3行と中国四大銀行も調査対象に加えられた。対象となった化石燃料案件は、石炭採掘、石炭火力発電、エクストリームオイル(オイルサンド、北極及び超深海の油)、液化天然ガス(LNG)輸出等、環境負荷が高いとされるもの。化石燃料案件への融資および債券・株式引受額については、ブルームバーグとオランダ金融調査会社プロフンド(Profundo)のデータを用いており、各化石燃料セクターの上位1,800社(昨年は30社)へ融資・引受額を算出した。

 同報告書によると、パリ協定採択後に33社が、問題性の高い化石燃料へ融資・引受した額は、1.9兆米ドル(約210兆円)。その中でも、化石燃料に積極的な180社へ融資・引受額は6,005億米ドル(約66兆円)。同報告書は、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の1.5℃特別報告書では、化石燃料の消費を廃止していかなければならず、2035年までに再生可能エネルギーに毎年2.4兆米ドル(約265兆円)の投資が必要としているにもかかわらず、それに沿ったものとなっていないと警鐘を鳴らした。日本のメガバンクでは、三井住友フィナンシャル・グループ(MUFG)が7位、みずほフィナンシャルグループが10位、三井住友フィナンシャルグループが21位だった。

 また同報告書は33行の融資・引受ポリシーも格付した。今年の最高位はC-で、取得したのは、BNPパリバ、BPCE/ナティクシス、クレディ・アグリコル、ING、ロイヤルバンク・オブ・スコットランド(RBS)、サンタンデール銀行、ソシエテ・ジェネラル、スタンダードチャータード。日本のメガバンクは、三井住友フィナンシャルグループのみD-で、MUFGとみずほフィナンシャルグループは、中国大手銀行と並びFだった。

過去3年の融資・引受額

順位 銀行名 金額(億USD)
1 JPモルガン・チェース 米国 1,957
2 ウェルズ・ファーゴ 米国 1,516
3 シティグループ 米国 1,295
4 バンク・オブ・アメリカ 米国 1,067
5 カナダロイヤル銀行(RBC) カナダ 1,005
6 バークレイズ 英国 852
7 三菱UFJフィナンシャル・グループ 日本 800
8 トロント・ドミニオン銀行(TD) カナダ 742
9 スコシアバンク カナダ 696
10 みずほフィナンシャルグループ 日本 677
11 モルガン・スタンレー 米国 669
12 ゴールドマン・サックス 米国 593
13 HSBC 英国 578
14 クレディ・スイス スイス 574
15 モントリオール銀行 カナダ 566
16 中国銀行 中国 555
17 ドイツ銀行 ドイツ 539
18 BNPパリバ フランス 510
19 中国工商銀行(ICBC) 中国 480
20 中国建設銀行 中国 395
21 三井住友フィナンシャルグループ 日本 381
22 カナダ帝国商業銀行(CIBC) カナダ 374
23 ソシエテ・ジェネラル フランス 365
24 クレディ・アグリコル フランス 322
25 UBS スイス 258


(出所)Fossil Fuel Finance Report Card 2019

融資・引受方針格付

【参照ページ】Report Finds Global Banks Poured $1.9 Trillion into Fossil Fuel Financing Since the Paris Agreement was Adopted, with Financing on the Rise Each Year
【レポート】Banking on Climate Change 2019

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