Sustainable Japan | 世界のサステナビリティ・ESG投資・SDGs

【国際】PRI、アジア太平洋地域のESGインテグレーション動向分析。日本は「始まったばかり」

 国連責任投資原則(PRI)は5月31日、CFA協会と合同で、アジア太平洋地域のESGインテグレーションの動向を分析した報告書を発表した。ESGインテグレーションは、ESG投資手法の一つで、通常の投資手法の中にESG要素も織り込んで投資判断するもの。今回の分析対象は、オーストラリア、中国、インド、日本、シンガポール、香港。地域全体で共通の課題があることが浮かび上がってきた。

【参考】【金融】世界と日本のESG投資「GSIR 2018の結果」。日本のESG投資割合18.3%と大幅飛躍(2019年4月2日)

 同報告書は、アジア太平洋地域の共通事項として、ESGの中でもガバナンスへの関心は高いが、環境と社会要素については関心が高まりつつもまだ低い、株式でのESGインテグレーションは進みつつも債券ではまだまだ、ファンドマネージャーは投資プロセスにESGを組み込みつつあるが自身の投資モデルを変えるにまでには至っていない等を挙げた。また、ESGインテグレーションを行う動機は、リスクマネジメントが最大で、次に顧客(投資家)要望。反対にESGインテグレーションの障壁は、ESG課題に対する認識欠如とESGデータ不足だった。

 加えて、発行体と投資家の双方で、情報収集や情報の質を上げるためにESG報告スタンダードを一本化することを求める声も多く、ワークショップ参加者からは投資家に販売されているESG投資信託が、単なる「ラベル」だけになっており真のESG商品になっていないことを懸念する声が多く上がった。

 各国・地域別の特徴では、日本については、ESGインテグレーションはまだ始まったばかりと報告。最大の動機は、受託者責任(フィデューシャリー・デューティー)で、顧客からの要望により債券投資でのESGインテグレーションも始まりつつあるとした。それに比べ、香港やシンガポールでは、ESGインテグレーションは、機関投資家だけでなく個人投資家向け商品にも浸透しつつあり、シンガポールでは有価証券価格に影響を与えつつあるとした。中国では、近年ESG投資が上昇しつつあるが、インドでは動きが遅いとした。
 
【参照ページ】ESG integration in Asia Pacific: markets, practices and data

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 国連責任投資原則(PRI)は5月31日、CFA協会と合同で、アジア太平洋地域のESGインテグレーションの動向を分析した報告書を発表した。ESGインテグレーションは、ESG投資手法の一つで、通常の投資手法の中にESG要素も織り込んで投資判断するもの。今回の分析対象は、オーストラリア、中国、インド、日本、シンガポール、香港。地域全体で共通の課題があることが浮かび上がってきた。

【参考】【金融】世界と日本のESG投資「GSIR 2018の結果」。日本のESG投資割合18.3%と大幅飛躍(2019年4月2日)

 同報告書は、アジア太平洋地域の共通事項として、

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 国連責任投資原則(PRI)は5月31日、CFA協会と合同で、アジア太平洋地域のESGインテグレーションの動向を分析した報告書を発表した。ESGインテグレーションは、ESG投資手法の一つで、通常の投資手法の中にESG要素も織り込んで投資判断するもの。今回の分析対象は、オーストラリア、中国、インド、日本、シンガポール、香港。地域全体で共通の課題があることが浮かび上がってきた。

【参考】【金融】世界と日本のESG投資「GSIR 2018の結果」。日本のESG投資割合18.3%と大幅飛躍(2019年4月2日)

 同報告書は、アジア太平洋地域の共通事項として、

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 国連責任投資原則(PRI)は5月31日、CFA協会と合同で、アジア太平洋地域のESGインテグレーションの動向を分析した報告書を発表した。ESGインテグレーションは、ESG投資手法の一つで、通常の投資手法の中にESG要素も織り込んで投資判断するもの。今回の分析対象は、オーストラリア、中国、インド、日本、シンガポール、香港。地域全体で共通の課題があることが浮かび上がってきた。

【参考】【金融】世界と日本のESG投資「GSIR 2018の結果」。日本のESG投資割合18.3%と大幅飛躍(2019年4月2日)

 同報告書は、アジア太平洋地域の共通事項として、ESGの中でもガバナンスへの関心は高いが、環境と社会要素については関心が高まりつつもまだ低い、株式でのESGインテグレーションは進みつつも債券ではまだまだ、ファンドマネージャーは投資プロセスにESGを組み込みつつあるが自身の投資モデルを変えるにまでには至っていない等を挙げた。また、ESGインテグレーションを行う動機は、リスクマネジメントが最大で、次に顧客(投資家)要望。反対にESGインテグレーションの障壁は、ESG課題に対する認識欠如とESGデータ不足だった。

 加えて、発行体と投資家の双方で、情報収集や情報の質を上げるためにESG報告スタンダードを一本化することを求める声も多く、ワークショップ参加者からは投資家に販売されているESG投資信託が、単なる「ラベル」だけになっており真のESG商品になっていないことを懸念する声が多く上がった。

 各国・地域別の特徴では、日本については、ESGインテグレーションはまだ始まったばかりと報告。最大の動機は、受託者責任(フィデューシャリー・デューティー)で、顧客からの要望により債券投資でのESGインテグレーションも始まりつつあるとした。それに比べ、香港やシンガポールでは、ESGインテグレーションは、機関投資家だけでなく個人投資家向け商品にも浸透しつつあり、シンガポールでは有価証券価格に影響を与えつつあるとした。中国では、近年ESG投資が上昇しつつあるが、インドでは動きが遅いとした。
 
【参照ページ】ESG integration in Asia Pacific: markets, practices and data

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